4)ロマン派の魅力
小生の好きなのは、やはりロマン派 (後期ロマン派含む)だと思う。断定的に言わないのは、どの音楽もそれぞれの時代が産みだし、それぞれの作曲家が身命を賭けて作ったものだからだ。どれも持ち味があり、魅力に溢れている。
聴いて“いいなあ”と思えるのを、“好きだ”と考えて構わないだろう。その意味で、小生の好きなのはロマン派ということになる。一番好きな派を一つ挙げろと言われれば、ロマン派。ロマン派に威厳さは感じないが、感受性に優れ、何となく親しみと共感を覚える。次いで古典派、バロック音楽、国民(民族)楽派となる。
ロマン派に軍配をあげるのは、ロマン主義の魅力に尽きるが、作曲家が多士済々だということもある。時代の相違を感じる。バロック・古典派の古さや折り目正しさは魅力だが、ロマン派には新しい息吹が感じとれる。
古典派のハイドン(1732)とロマン派のマーラー(1860)の生年は128年も違う。バロックのJ.S.バッハ(大バッハ(1685)とマーラー(1860)では、実に175年の隔たりがある。日本でいえば、バッハ誕生2年後の1687年には将軍綱吉の「生類憐れみの令」が発せられ、マーラーの生まれた1860年には大老井伊直弼が桜田門外で暗殺されている。
多士済々がロマン派の強みだ。
シューベルト(1797)、メンデルスゾーン(1809)、ショパン(1810)、シューマン(1810)、ワーグナー(1813)、ブラームス(1833)、チャイコフスキー(1840)、マーラー(1860)の、ロマン派が束になってかかれば、
モーツァルト(1756)、ベートーヴェン(1770)、ハイドン(1732)、の古典派や、
J.S.バッハ(1685)、ヘンデル(1685)、ヴィヴァルディ(1678)、のバロックに堂々と太刀打ちできよう。
量だけではなく、作品内容でも立派に勝負できる。(「クラシック音楽への憧れ」)
(秀樹杉松 82-2366)