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藤沢周平を読む

藤沢周平『用心棒日月抄』シリーズなど      /  Atelier秀樹

 

 折にふれて明らかにしてきましたが、小生は時代小説・歴史小説が大好きで、その理由は「面白くて為になる」からです。先日ネットを開いたら、「おすすめの時代小説・歴史小説作家」として司馬遼太郎池波正太郎藤沢周平が挙げられ、三人をまとめて「一平二太郎」とありました。二太郎のうち司馬遼太郎の『竜馬がゆく』『坂の上の雲』は読んだが、池波正太郎はテレビで時々観ただけで本は読んだことがない。一平の藤沢周平NHKの「金曜ドラマ」などの原作者として覚えているが、本はほとんど読んだ記憶がない。

 

 それなのに「歴史・時代小説が好き」と言い切れるのは、古くは吉川英治山岡荘八山本周五郎海音寺潮五郎、そして岡本綺堂野村胡堂松本清張を読み、近年は佐伯泰英・上田秀人・鈴木英治内田康夫高橋克彦などに夢中になっているからです。さて、件の藤沢周平はテレビを観るだけで原作はほとんど読んでいなかった。

  テレビの好印象から、藤沢周平はそのうち読んでみたいと考えていたが、先日図書館で「用心棒日月抄」シリーズを見つけました。シリーズ4冊を読み終えましたが、「読んでよかった」「なぜもっと早く読まなかったのか」と痛感しました。本格的に読みたくなり、今度は『藤沢周平全集』(文藝春秋)を何冊か借り出しました。しばらく愛読することになるでしょう。

  いつものように、早速Wikipediaで「藤沢周平」を調べました。

藤沢周平

1927~1997。山形師範(現山形大)卒。中学校教諭(国語・社会)を病気で休職。退院後は教員を断念し、業界紙記者となり編集長として健筆をふるう。1963年読売新聞短編小説賞に『赤い夕日』が佳作となる。1971年『溟い海』がオール讀物新人賞を受賞。翌年『暗殺の年輪』で直木賞。編集長の傍ら、時代小説作家として認められるようになった。1974年、業界紙を退職、本格的な作家生活に入る。その後作家として活躍し、吉川英治文学賞芸術選奨文部大臣賞・菊池寛賞・朝日賞・紫綬褒章などを受賞。

  師範学校卒で国語を教え、業界紙の編集長を長年務めただけに、第一の印象は「文章が美しい」。しかも推敲した出来ではなく、自然体の運筆で文章は簡潔そのもの。それと、書名に特徴がある。

→ 例

風の果て、時雨のあと、時雨みち、霧の朝、蝉しぐれたそがれ清兵衛、橋ものがたり、驟り雨、本所しぐれ町物語、麦屋町昼下がり、雪あかり、夜の橋、小さな橋、こぬか雨、吹く風は秋、暁のひかり、出会茶屋、霜の朝、花のあと、日暮れ竹河岸、静かな木、夜消える。

 小生には「読んでみたい」と思う書名ばかりですが、あなたはには如何ですか?

 

 優れた人気作家の証明でしょうか、テレビや映画の作品がいくつもあります。テレビはNHKが多いので、多くの人は観ていることでしょう。

→ 例

<テレビドラマ>

立花登青春控え(NHK水曜時代劇1982)、腕に覚えあり(NHK金曜時代劇1992)、清左衛門残日録(同1993)、よろずや平四郎活劇剣(同1998)、藤沢周平の人情しぐれ町(NHK時代劇ロマン)、蝉しぐれ(日テレ2003)、秘太刀馬の骨(NHK金曜時代劇2005)、風の果て(NHK木曜時代劇2007)、

神谷源次郎捕物控・・・ ①「悪党狩り」のタイトルで東京12ch1980、②フジテレビ系1990、③NHKBS時代劇2015

小さな橋で、こぬか雨、吹く風は秋・・・各、TVドラマ化2017

 

                                                               (秀樹杉松 86巻/2454号)2017.10.14