権力の中枢街:永田町・霞ヶ関界隈の坂をめぐりました。 / Atelier秀樹
<首相官邸(総理官邸)の撮影にクレーム>
今日は土曜日。平日は立法府・行政府の役人が闊歩し、国会見学の修学旅行生徒や陳情団で混み合う永田町・霞ヶ関だが、今日は静かそのもの。首相官邸や国会を警備に当たる警官だけが目立った。だからこそ土曜日の今日をえらんだが、首相官邸の写真を撮ろうとしたら「待った」がかかった。最初の頃の坂めぐりで外国大使館の例を思い出した。「大使館がうるさいのは知っているが、何で日本の首相官邸の写真を撮ったらいけないのか?国会議事堂を今取ったばかりです。撮影が禁止されているわけではなく、撮らないで欲しいということでしょう」と言ったら「そうです」。
「此処でやりあってもしようがないので、道路の向こうからこっそり取るかもしれないよ」。警官は無言。警備に立っている警官の立場も配慮し、道路を渡った離れた場所から撮影した。遠くから撮ったので、やはり写りはよくない。外国大使館の場合は「外国主権がらみ」があるが、それでも現場の警官は「撮影禁止ではない。なるたけ撮らないようお願いする立場」と明言した。日本の首相官邸を国民が写真に撮るのを「禁止するかのような」ことを現場の警官にさせるのは、やはり塩梅辛酸政治の本質か?以前はそういうことを聞いたことがないのに。
<外務省><財務省>
何しろ今日行った場所は、永田町・霞が関という国家権力の中枢が置かれているストリート。霞が関坂は外務省と合同庁舎に、隣の潮見坂は財務省と外務省の間の坂道にある。この2坂はちゃんと写っているが、財務省と文科省の間の三年坂は撮り洩らした。霞が関坂、潮見坂だけでなく、外務省、財務省の写真も撮ってきたので掲載します。
<国会議事堂>
霞が関から永田町へ。茱萸坂(ぐみざか)、梨の木坂の写真に加えて、首相官邸(前述の事情で写りはよくない)、国会議事堂の写真を添えました。山王坂では、日枝神社、山王男坂、山王女坂も撮影しました。神社の多くには正面から登る急な男坂と、比較的緩やかな女坂がありますが、山王日枝神社の女坂の場合は、坂表示の解説によると、別の由来もありそうです。
<国立国会図書館>
今日の締めくくりは「梨の木坂」と「三宅坂」。梨の木坂は国立国会図書館の東側。三宅坂といえば、皇居の桜田堀側の桜田通り。今日は皇居一周のマラソン大会があるらしく、ゼッケンをつけたランナーが大勢走っていた。若かりし頃昼休みになると、皇居を走って一周したことを思い出した。当時は永田町、霞が関の役人が寸暇を惜しんで「昼休み皇居一周」をしたものでした。
<憲政記念館>
最後は「憲政記念館」に立ち寄りました。もちろん休日なので閉店でしたが、三権分立を表しているという時計塔は高いですね。ここの食堂は外に座席がいっぱいあるが、誰もいないので一息ついていたら、スズメが集まってきたのに驚いた。公園などで、鳩が餌欲しさに人のそばに集まってくるのはよく見かける風景。だがスズメは警戒感が強く、人が近ずくと一斉に飛び立ってしまう。ところが、休息している私のそばに、スズメが次々に集まってきた。「餌を頂戴!チュン・チュン!」と。信じられない光景でした。
<スズメ>
そこへトイレの清掃に来たという婦人に出会った。その話をしたら、「そうなんです。お客さんがスズメに餌を与えるから、ああして近寄ってくるんですよ。おかげで、糞で食卓や椅子を汚されて困っているんです」。「鳩や猫にエサをあげないで下さい」の掲示はよく見かけるが、人一倍?人間を警戒するスズメも、エサを与えると懐いてくるんですね。初めて知りました。これって大げさにいえば、今日の坂めぐり最大の収穫で、やはり坂歩きは社会勉強になります!
<地図帳を電車内に忘れた?>
今日の失敗談も記さねばならないでしょう。霞が関で改札口を出て、「さあこれから今日の坂めぐりだ」と、いつもの地図帳を開こうとしたら地図帳がない。改札口の駅員さんに「地下鉄に忘れ物をした」と申し出たら、土曜日で空いていることあってか?親切に対応してくれた。途中で地下鉄を乗り継いだので、両方調べなければならないらしい。それにまだ電車の中かもしれない……。時間がかかりそうだ、困ったことになった。愛用している大型地図帳は坂歩き必携なので、これなしでは羅針盤なしの航海。
<公衆電話機の怪>
こんな大切なものを電車に忘れるはずもない。もしかして、家から持ち出すのを忘れたかもしれない。「万が一そうも考えられるので、家に電話します」。ところが私は携帯を持っていないのです。駅構内に公衆電話ないかと聞いたら、場所を教えてくれたので、カードを入れてダイヤルを回した。番号をプッシュする度に鳴る音が途中で出なく鳴る。要するに電話機が故障していることが判明。
<ケイタイ>
もう一箇所の公衆電話はずいぶん離れたところにあると聞いて、そこからやっと自宅に電話できた。“万が一”と思ったのに、ちゃんと書斎に置いたままでした。自宅から持ち出すのを忘れたのです。仕方ないので、自宅に地図を取りに引き返し、結局2時間近く遅れての坂めぐりスタートとなりました。
<どう思われますか>
①今の時代に携帯電話持っていない不便、②公衆電話の故障というアクシデント、③坂歩きの命綱とも言える地図帳を持たずに家を出て、下車して改札を出るまで気がつかない。この3点が悔しくてならないのです。これをお読みのあなたには考えられないことでしょう。さっきのスズメの話は微笑ましいが、このヘマはどうしようもない。それと、携帯ないのは確かに不便ですね。
<今日のコース>
(地下鉄霞ヶ関)~霞が関坂~潮見坂~茱萸坂~山王坂~山王男坂~山王女坂~新坂~三べ坂〜梨木坂~三宅坂~(地下鉄赤坂見附)
<写真編>
故障で使用不能だった件の公衆電話機
霞が関坂
外務省 ↑
潮見坂
財務省 ↑
茱萸坂(ぐみざか)
国会議事堂(議員会館側から)↑
首相官邸(総理官邸)(少し離れた場所から撮影したので写りがよくない)
山王坂
日枝神社 ↑
山王男坂
山王女坂
日比谷高校 ↑
新坂
三べ坂
梨木坂
国立国会図書館(本館)↑
国立国会図書館(新館)↑ 手前道路は「梨の木坂」
皇居一周マラソン ↑
(国会前庭)憲政記念館 ↑
(国会前庭) 時計塔 ↑
(秀樹杉松 89巻2514号)#2017.12.16 blog<hideki-sansho>154