秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

白川悠紀『白河大戦争』を読む。待望の歴史小説、期待の大型新人。

 昨年(2017)11月25日に『白河大戦争』(栄光出版社) が出版された。著者は白川悠紀氏。新聞広告に気づいてすぐに買って読んだ。しかし、昨年12月の私は連日のように坂めぐりに出かけ、その結果を写真付きでブログに投稿するのに「忙しく」、今やっとこの本についてブログ投稿する環境になりました。遅ればせながら取り上げることにしました。 /  Atelier秀樹

 

 この本の内容そのものはさておき、戊辰戦争150年の節目に、かかる立派な本を書かれた著者に敬意を表したい。東北出身の私はかねてより、戊辰戦争を題材に小説を書くのは「いつか、だれか」に注目してきた。できれば東北出身者、さらにできれば福島県出身者に書いて欲しいと願ってきた。ようやくにして今その時を迎えられたことを喜びたい。多くの日本人に、若い人にも、読んでもらいたい小説です。著者の今後の大活躍を期待します。

 

<著者:白川悠紀>

 奥付の<白川悠紀プロフィール>によると、本名:植村美洋早大卒。福島県内の高校勤務後、定年退職。宮部みゆき葉室麟風野真知雄などを輩出した歴史文学賞」(平成20年廃刊)の最終候補に数回ノミネートされる。その後、平成19年に「浪人」で福島県文学賞受賞。現在、公民館勤務のかたわら作家活動をしている。福島県文学賞企画委員。NPO法人しらかわ歴史のまちづくりフォーラム専務理事。

 

福島民報の記事から>

 もう少し知りたいと思って、ネット検索したら福島民報の記事が出てきた。上記と重複する箇所もあるが、さすが地元の県紙らしくよくまとめられているので、以下に引用します。

小説「白河大戦争」発刊 白河の植村さん

           (福島民報 2017/12/1(金) 11:16配信) 

 来年の戊辰戦争150周年に合わせ、福島県白河市の植村美洋(よしひろ)さん(61)は白川悠紀のペンネームで小説「白河大戦争」=栄光出版社=を発刊した。祖先も従軍した地元白河の戦いを伝えようと執筆した。元武士の主人公が再仕官を願い、藩のために働く中での戊辰戦争を描く。

 植村さんは棚倉町出身。白河高、早稲田大文学部卒。高校で日本史の教員を務め、今年3月に白河高で定年退職した。市の文化財保護審議会委員、戊辰150周年記念事業実行委員会事務局次長を務めている。第60回県文学賞小説・ノンフィクション部門正賞を受け、現在は同賞小説・ドラマ部門企画委員。

 30年ほど前に実家で、棚倉藩士だった六代前の祖先の従軍日記を見つけ、改めて戊辰戦争の研究を進めてきた。白河口の戦いは約100日間にわたる激しい戦闘で、東西両軍で千人を超える戦死者が出たとされる。植村さんの祖先も戦闘に参加し、その時のけががもとで亡くなったという。

 戊辰戦争後、武士の世は終わり、新しい時代を迎える。植村さんは「戊辰150年の節目に、東西両軍の立場に思いをはせ、未来に向けての関係や考えを新たにすることも大切ではないか」と読者に問い掛けている。

 

<著者の後書き>

 「(前略) 戊辰戦争では従来、勝者の新政府軍が官軍、敗者の奥羽越列藩同盟軍は賊軍とされてきた。しかし、明治時代の岩手県出身の総理大臣原敬は旧南部藩戊辰殉難者五十年祭において、「戊辰役」は政見の異同のみ、当時勝てば官軍負ければ賊軍との俗謡あり、其の真相を語るものなり、(後略)と述べている。つまり、戦争の勝者には正義があり、敗者が悪者のではないのだ。両者の立場は、単に政治的見解を異にしただけのことだと主張している。

 戊辰戦争から来年で百五十年経過する現在でも、戦争の傷跡は残り続けていると言われる。いかに当時の戦争が惨いものであり、勝者の敗者に対する処遇が冷酷であったかがわかる。勝者にも敗者にもそれぞれ言い分はあろう。しかし、白河戦争で命を落とした東西両軍の殉難者を分け隔て無く埋葬し香華を手向けてきた先人の思いに学び、まずは戦争の犠牲となった殉難者に哀悼の意を表したい。

 その上で、百五十年の節目の年にそれぞれの立場に思いを馳せ、未来に向けての関係や考えを新たにすることも大切ではないだろうか。」(以下略)

 

       (秀樹杉松 90巻2531号)18/1/5  # blog<hideki-sansho>171