秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

峠の茶屋で一服  ~「坂めぐり」つぶやき(4) ~

<“方向音痴”を乗り越えて>

 

 1)調査と準備をして坂めぐりに臨んでも、現地へ行ってみるとなかなか思うように行きません。大型の地図帳を頼りにしていますが、信頼の置ける地図で愛用しています。だが何年か前のものなので、区画整理や建物の移動などもたまにあり、地図が現場に合わなくなっている場合があります。坂めぐりは知らない所へ行くことが多いので、地図が最大の頼りです。最近スマホを持ち始めましたが、ほとんど使わず、頼みの綱は「地図一本」です。

 

 2)地図は北が上、南が下に印刷されているので、北に向かって歩くときは簡単ですが、南へ向かうときはハタと困るのです。地図を逆さにすると歩く方向に一致するわけですが、そうすると文字が読めなくなる。わたしは「地図の逆さ読み」は丸っきりダメなのです。180度だけでなく、90度ずれても読みにくいのです。これが、地図に頼る私の最大の盲点なのです。地図を見て、次の角を右へ曲がったが、なんかおかしいので通行人に尋ねると、「こっちじゃなくて反対のあっちですよ」。

 

 3)地図の住居表示(〇〇△丁目○番)に従って、自分のいる現在地点を確認し、次に行く方向を定めるのですが、最近は住居表示がない地域が多くなっています。住居表示も当初は守られたが、現在では建て替えられた家や新築家屋では「省略」されているのが目立ちます。どうしてこんな事になったのでしょう。住宅建設会社にきくと、住民自身が「画一的な住宅表示板」を嫌って、自分風の番地氏名を「郵便受け」に書き込む」のだそうです。住居表示の最大の目的と効果は「画一的な大きさ・色彩」にあるのに、どうして? 20年以上も前に私が新築を購入した時にも「住居表示盤」をもらえなかったので、催促して送ってもらいました。購入者に渡さない理由は上述の通りでした。これは明らかにおかしいですね?

 

 4)地図を横や反対側から見るのが不得手住居表示の不備に加え、根本的には私の「方向音痴」にあるようです。

 調べると、方向音痴は、「方向・方角に関する感覚の劣る人」(Wikipedia)、「方向感覚に疎く、自分のいる位置方角を正しく把握でいない性質や人を指す」(otonanswer.jp)とあるが、まさに自分にピッタリです。「西も東もわからない」時は、太陽が出ていればそれで判断できるが、中天にかかる昼や曇りの日はわかりません。

 

 5)普通の人なら、地図で「最初の角を右に曲がって、2番目の角を左に曲がる」ぐらいはちゃんと頭に叩き込んで、実践できるでしょが、私は、その場ではわかったつもりでも、最初の角でもう1回地図を見ずにはおられません。つまり全く自信がないのです。Wikipediaによれば、「方向感覚だけでなく、空間に対する認識の能力に対しても使うこととがある」とあり、自分のことを言われている気がします。さらに「地図の上で周囲の地形をもとに現在位置を見つけることが下手であることを意味する」。

 

 6)google.co,jpにはこうあります。

 → 地図を見ながら歩いても、「迷子になりやすい」「地図と現実の経路を照合するのが苦手」などの特徴があり、日常生活に支障をきたすこともあります。

 

 7)このように「方向音痴」の私ですが、これまで98回(98日)出かけて、773の坂を巡り歩いてきたので、方向音痴はかなり打破されてきたのは確かです。いろんな苦労をしながら、様々な形で克服してきました。何しろ、大好きな坂めぐりをやるからには「方向音痴」などのに負けてはおられないからです。

 

 8)方向感覚や地図の読解力などは、間違いなく向上していると思います。でなければ、とても700以上の坂めぐりはできなかったでしょう。しかし、見方を変えれば、“方向音痴な自分”がこれだけ歩き通しからには、その面での苦労は大きかった、と言えるでしょう。しかし、その苦労は、私の訪問を待って歓迎してくれた、多くの坂道街・人々に会うことで完全に吹き飛びました。それだけに、私の喜びは大きいのです。

 

 『秀樹杉松』99巻2714号 2018-10-28/  hideki-sansho.hatenablog.com #354