秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

内田康夫『孤道』(未完作)の「完結編」の最優秀賞が決定、発表されました。和久井清水(わくいきよみ)「孤道 ~我れ言挙げす」

 

本題に入る前に、内田康夫の大ファンである私のブログ『秀樹杉松』を紹介します。/ Atelier秀樹

 

1)内田康夫の小説> 

 内田康夫の小説は、全部で150冊を超える。それを全部読んでしまったのだから、自分でも驚いている。内田小説については、『Atelier秀樹ノート』(『秀樹杉松』の改題前誌)で70回にわたって取り上げた。(ブログ『秀樹杉松』2018-8-14

 

2)内田康夫氏が脳梗塞で入院

 ヤフーニュースを見て驚いた。作家の内田康夫さん(80)が、軽い脳梗塞で入院中であるという。小説「孤道」を連載中の毎日新聞が8月5日付夕刊で、病状と連載終了を公表したそうである。

 それによると、内田氏は7月26日に軽度の脳梗塞を起こし、病院に入院し現在も治療中という。「弧道」の連載は今年12月までの予定だったが、今月12日で終る。「連載が続けられなくて申し訳ありません。症状は軽いので心配しないで下さい」との内田さんのコメントも掲載。『弧道』の新聞連載はやめるが、今後書き下ろしで刊行する意向を示している由。(後略)

 (Atelier秀樹ノート 第23巻 <号外> /2015.8.7

 

3)内田康夫さんが休筆宣言 未完の小説、完結編は公募で

 「浅見光彦シリーズ」などで知られる作家、内田康夫さん(82)が、休筆宣言をした。2015年夏に脳梗塞(こうそく)に倒れ、小説執筆が難しくなったという。同シリーズとして毎日新聞夕刊に連載中に中断していた小説「孤道」は未完のまま刊行する一方、続編を公募して完結させることになった。(中略)

 「完結編」の募集は、本が発売される5月12日から来年4月末日まで。プロアマを問わず、400字詰め原稿用紙で350~500枚。最優秀作は講談社文庫から出版される。

 軽井沢在住の内田さんは「どなたかが僕の代わりに、浅見を事件の終息へと導いてください」「完結編を書けないことが、返す返すも残念ですが、後続の英才に期待します」とコメントしている。 

朝日新聞デジタル 2017,3,21)    (秀樹杉松 67巻/2074号/ 2017/5/27

 

4)内田康夫さん死去

  『秀樹杉松』2018-3-19

        

   内田康夫さんの訃報に接し、驚きと悲しみでいっぱいです。『孤道』続編 刊行を見られずに、無念だったでしょう。心から哀悼の誠を捧げます。

 今朝の朝刊の1面に、内閣支持率の急落が報道されている。やっと国民も「殿の乱心」に気がついてきたんだな、と感じつつ社会面を開いたら、次のような記事が出ているのに驚いた。

内田康夫さん死去 

  83歳 作家、浅見光彦シリーズ

 記事によると、13日、敗血症のため東京都内で亡くなられたとある。葬儀は近親者で営まれたそうです。私は内田康夫ファンで、小説は全冊読みました。6日前の3月13日に「坂めぐり(第33回、北区西ヶ原)で、「大炊介坂」の側の「平塚亭」へ立ち寄って団子を食べ、店内に掲示されていた内田さんの写真とサインをカメラに収めてきました。この日、3月13日の坂巡りは、本誌「秀樹杉松」92巻2566号として同日付の本ブログに投稿したばかりです。

 浅見光彦は西ケ原に住み、団子屋に足繁く通っていたことになっていますが、もちろん内田康夫さん自身のことでしょう。これをお読みくださっているあなたは既にお気づきかもしれませんが、私が坂めぐりで西ヶ丘に行って団子屋に立ち寄ったその日(3月13日)に、内田さんが死去されたのです。

 内田さんへの哀悼の気持ちを込めて、その部分を再録します。お読みください。 

 ◉本誌「坂めぐり 第38回」(18-3-13) からの抜粋

 平塚亭(内田康夫/浅見光彦

 内田康夫の小説によく出てくる。あの、浅見光彦シリーズの主人公「浅見光彦」は近くに住んでいる。

 内田康夫氏の旧居がこの近くだったようです。

私は内田康夫氏と「浅見光彦」が大好きです。

 病気のために休筆した『孤道』は、他の人による完結ということになっているが、出版は未だでしょうか?平塚亭には「第16回北区内田康夫ミステリー文学賞」の授賞式は3月17日、のポスターが貼ってありました。 

   平塚亭には、内田康夫のサインと、浅見光彦一家の写真が掲げてありました。浅見光彦がよく食するという団子を、私も昼食がわりにいっぱいいただきました。

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(本題に入ります)

主婦の筆で事件「解決」=内田康夫さん未完作

 3月に83歳で死去した推理作家、内田康夫さんの未完の長編「孤道(こどう)」の完結編を公募していた毎日新聞出版は21日、札幌市在住の主婦、

和久井清水さん(57)の「孤道 〜我れ言挙げす」

が最優秀賞に決まったと発表した。来春、講談社文庫から刊行される。

 「孤道」は人気サスペンス「浅見光彦」シリーズ114作目。2014年12月に毎日新聞夕刊で連載が始まったが、内田さんが脳梗塞で倒れ、翌年8月中断。完結編を公募することが発表され、102編の応募があった。( JIJI.COM 2018/09/21- 05:06

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『孤道』完結編 最優秀賞決定

                                                     毎日新聞社 https://www.mainichi.co.jp

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 『孤道』完結プロジェクトは、102編の応募作の中から、上記の作品を最優秀賞に決定しました。受賞作は、2019年春、講談社文庫より刊行予定です。

 

受賞のことば

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和久井清水(わくいきよみ)

1961年北海道生まれ。札幌市在住。1981年北海道武蔵女子短期大学卒業後、地方公務員に。結婚を機に退職。

 この旅も終わりだな、と私は稚内駅に併設されたカフェで、札幌行きのバスを待ちながらコーヒーを飲んでいた。稚内は珍しく風の無い穏やかな日で、礼文島を往復したフェリーもまったく揺れなかった。

 受賞を知らせる電話の、「おめでとうございます」という言葉を聞いた時、私の頭の中で、「孤道」「浅見光彦」「旅情ミステリー」などという言葉がぐるぐると渦巻いた。旅行中にこの連絡を受け取ったことで、現実感が乏しくなり、浅見光彦同様、私も二次元と三次元の狭間にいるような錯覚をおこしたのだ。

 『孤道』の完結編を募集していると知って、私はすぐに書店で買い求め一気に読んだ。そして、この続きをぜひ書きたいと思った。魅力的なストーリー、魅力的な謎、魅力的な登場人物をこのまま宙ぶらりんにしてはおけない、という使命感のようなものだった。

 それに、もし選んでいただけたなら、内田康夫先生に読んでいただけるということも、大きなモチベーションとなった。しかし、それは叶わぬこととなり残念でならない。

 内田先生のご冥福を心よりお祈りいたします。  (https://www.mainichi.co.jp

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 ◉内田康夫さん未完『孤道』の完結編が決定し、来年には出版されることを知り、喜んでおります。9月に毎日新聞社から発表があったようですが、私は「いつ頃になるのか」と気にはしていましたが、たった今知りました。早速に本稿を起こしました。(Atelier秀樹)

 

『秀樹杉松』101巻2743号 2018-12-2/hideki-sansho.hatenablog.com #383