秀樹杉松

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橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ! これで沖縄は再生する』を読む(12) 第3章 沖縄ビジョンX

 

 沖縄ビジョンの第4回目です。橋下徹氏の沖縄問題の解決策、沖縄の再生策もいよいよ具体的になってきました。ここまできたら、橋下氏を沖縄県知事から総理大臣に進んでいただくか、いきなり総理になっていただくしかないでしょう。仔細は本書そのものを読んでいただくとして、このブログではスペースの関係上、思い切り省略・割愛していますのでご了承ください。/ Atelier秀樹

 

普天間基地跡地をIRとして開発する

 

 普天間基地返還後の土地をどうするか? ここの将来ビジョンを沖縄県民の皆さんに早く見せることが重要です。結論から言いましょう。僕は、この普天間基地の跡地には、IR施設を大々的に展開することが、沖縄の経済を大きく飛躍させることに繋がると考えています。実際、牧港地区の米軍基地(キャンプ・キンザー)返還跡地にIR誘致を行うような話も持ち上がったようです。それでも僕は、普天間基地の跡地にこそIR誘致を柱にした将来ビジョン、すなわち沖縄ビジョンXが必要だと思っています。

 

 しかし辺野古移設については県民の強い反対があり、今回は移設反対の玉城デニー氏が県知事選挙で当選しました。単純な辺野古移設プランでは県民は納得しません。やはり辺野古に移設した後の普天間基地の跡地に、沖縄県民の多くが早くそれを実現したい!という思うほどの沖縄ビジョンXが必要なんです。沖縄ビジョンを実現したいから、普天間基地辺野古に早く移設するんだという県民意識の流れを作ることが必要であり重要です。

 

 しかし、カジノというと、それが設置される地域の住民のみなさんの中には拒否反応を示される人も多いんですね。もう一度説明しますが、日本で認められるカジノとは、カジノ単体の施設ではありません。名称としては統合型リゾート(IR)と言って、カジノ施設に高級ホテル、国際会議場、国際展示場、高級ブランドなどを扱うショッピングモール、映画館、コンサートホール、劇じょ、アミューズメントパーク、美術館などを併せた巨大なリゾート施設のことです。面積的には、リゾート施設全体の3%ほどだけがカジノの部分です。

 

 この統合型リゾート誘致の話と併せて、沖縄県のみの大型減税特区も実行すべきです。それもちょっとしたショボい減税ではなく、沖縄のみの大胆な減税を実行すべきです。中国も特定地域のみを減税する特区制度をフルに活用して、その地域の経済活性化を実現しています。そして消費税の増税対策として、キャッシュレス化と抱き合わせた5%の還元システムが構築されたそうです。全国的には2020年までの期限つきの政策のようですが、沖縄は無期限にしたり還元率を5%以上にするだけで、沖縄だけの減税・免税が簡単に実現します。あとは政治のやる気だけ。(略、略)

 

 沖縄が東洋一の観光リゾートになることは、日本にとっても本当によいことです。沖縄が元気になることが日本の元気の源になるんです。僕も今まで以上に沖縄に遊びに来ると思います。今も日本のギャンブル好きな富裕層は、わざわざ韓国やマカオに遊びに行って、大金を落としている。どうせお金を落とすなら、沖縄で落としてもらったらいいんです。それに中国の大金持ち! 彼ら彼女らからお金を巻き上げたらいいんです!(笑)

 

  沖縄南北鉄道の敷設費用を国に負担させる

 

 普天間基地跡ないしは牧港地区(キャンプ・キンざー)に、仮に統合型リゾート施設が来るとしましょう。ここに観光客がわんさかやって来るとしたら、その観光客を沖縄中に巡らせるような交通インフラが絶対必要になります。経済の活性化とは、人・モノ・カネが動き回って熱を発することですから。特に人が移動することによって、お金も動きます。大量の人を沖縄に集めて、次は沖縄中を回ってもらい、沖縄県内の各地各地でお金を落としてもらう。これが沖縄ビジョンXの柱になると思います。

 

 今の沖縄に足りない決定的な交通インフラは、沖縄の南北を結ぶ鉄道ですよ。今、沖縄に南北を貫く高速道路はありますね。しかし大量、定時、安価、安心を満たす輸送に鉄道は必要不可欠です。特に都市部の南部とリゾート部の中・北部を結び、その間のIRへアクセスできる鉄道は、沖縄を東洋一の観光リゾートにするためには必須のアイデアです。もう少し具体的に言えば、那覇空港、都市部の那覇、IR、リゾート部の中・北部を結ぶ鉄道。欲を言えば、那覇より南部の糸満までつながる鉄であれば最高ですね。

 

 沖縄はいまも観光客が増え続けていますが、沖縄ビジョンXの実行によて東洋一の観光リゾートになり、IRが設置されたら、観光客は爆発的に増えるでしょう。その上での南北鉄道です。利用者を増やす政策と鉄道整備計画のワンセットこそがビジョンXの真骨頂です。厳密に計算したわけではありませんあが、沖縄南北鉄道の敷設費用は、1000億円か2000億円、多くても3000億円ぐらいの予算があればいけるんじゃないでしょうかね。いまある南北高速道路の敷地を利用して、モノレール方式にすればいいんです。

 

 沖縄だけの減税ないしは消費税0(ゼロ)も、沖縄南北鉄道も、国会議員が気合を入れればできることなんです。官僚が猛反対してきても、最後は政治の力、国民の支えでできるんです。法律をつくればいいし、予算を組めばいい。あとは沖縄だけをえこひいきすることの全国民の理解、納得だけですが、反対する国民はほとんどいませんよ。本土の国民はみな沖縄県民斯ク戦ヘリ県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」の気持ちです。この気持ちが足りないのは、頭でっかちになって理屈を振りかざし、大胆な沖縄特例制度を作ることすらできない国会議員や国の役人たちくらいです。

 

『秀樹杉松』104巻2803号 2019.2.4/ hideki-sansho.hatenablog.com #443