アンズ(杏/杏子)? (写真撮影:Atelier秀樹)
歌声喫茶では、お客さんのリクエスト曲が中心となります。自分の好きな曲・歌いたい曲に加えて、(季節の変わり目などには特に)「春の小川」「夏の思い出」「里の秋」「冬景色」など、四季折々の美しさを謳った歌もリクエストされます。
....................................
さて、先日私が「夏は来ぬ」をリクエストし、司会者が「夏が来ましたね」と取り上げてくれました。その時近くの席から「梅雨に入ったばかりで、夏は未だでしょう」との囁き・野次?がはっきり聞こえました。この方は「いまは梅雨で、夏ではない」と言いたかったのでしょう。
「そうとも言えるし、そうでないとも言える」が、私の率直な感想でした。
............................................
実は、私は1週間前の6月7日に「梅雨入りしました」のタイトルで、ブログを書いたばかりなので、この呟き・野次?に注目しました。6月7日のブログで私は、日本には春夏秋冬の四季があるだけだと思っていたが、梅雨季と秋雨(秋霖)季を加えて「六季」とする見方もある、ことを知って驚いたという内容でした。
.............................................
そこで今回「梅雨」についてのネット情報(wikipedia)を、もう一度徹底的に調べてみました。
その結果を、私なりに整理要約すると、次のようになりました。
1)梅雨 (つゆ) は、東アジアの広範囲において特有の気象現象で、5月から7月にかけて来る曇りや雨の多い期間のこと。
2)気候学的な季節変化を世界と比較したとき、東アジアでは春夏秋冬に梅雨を加えた五季、また日本に限るとさらに秋雨(秋霖)を加えた六季の変化がはっきりと表れる。
3)天候の推移や気温の高低などによって季節に分ける場合、日本では西から低気圧と高気圧が交互に通過し、雨天と晴天を繰り返す「春」、梅雨前線が停滞して雨天が続く「梅雨季」、高温多湿で晴天が続く「夏」、秋雨前線によって雨天が多い「秋霖季」、春と似て雨天と晴天が繰り返される「秋」、北西からの季節風によって寒気が流れ込む「冬」の六季に分けることが多い。
4)日本の気象庁は、季節を表す用語として、春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~11月、冬は12~2月と公式に定めている。(春夏秋冬の「四季」で、梅雨、秋雨はこれに含める)
5)梅雨の時期が始まることを梅雨入りや入梅といい、社会通念上・気象学上は春の終わりであるとともに夏の始まり(初夏)とされる。
6)このため、6月は梅雨入りまでは実質的には春の終わり(晩春)であり、12月も上旬頃は実質、秋の終わり(晩秋)であることも多い。」
7)梅雨が終わることを梅雨明けや出梅といい、これをもって本格的な夏(盛夏)の到来とすることが多い。
……………………………
つまりは、6月は夏であり、梅雨は春の終わり・夏の始まり(初夏)であり、梅雨が終わると盛夏となる。したがって今は夏である。
しかし、四季と梅雨季と秋雨季(秋霖季)の「六季」とする考え方を強調すれば、梅雨の現在は6月なので夏(初夏)ではあるが、これを敢えて夏とせずに梅雨季とし、梅雨明け後の盛夏を夏とする考えも、ありうるということでしょう。
...........................................
一般的に、世間の常識的に、いまの時期(梅雨6月)を夏(初夏)と見るのは普通ではないでしょうか? あの場で誰にも聞こえるような野次?を飛ばすほどの意味があったでしょうか? 私ならいたしませんが。
...................................................
<結局>
件の呟き・野次?「梅雨に入ったばかりで、夏は未だでしょう」は、
梅雨を独立させて夏から切り離し、梅雨明け後を夏とする考えでしょう。その意味では「そうとも言えなくはない」。しかし、6月を夏とする気象庁の考えにそえば、「すでに初夏ですよ」、もっとも「盛夏は梅雨明け後ですが」、が正解でしょう。
「秋雨(秋霖)」は名称からして「秋」に含まれる感じですので、「梅雨」も「夏雨」と呼べば、こういう混乱は起きず、夏には梅雨の時期も含まれる、に抵抗感がなくなるかもしれません。梅雨は夏ではあるが、夏といえば暑い晴天のイメージが強いので、雨や曇りの梅雨は夏ではない、夏は梅雨明けだ、とする考えも、確かに首肯けるわけです。
……………………………………………………
『秀樹杉松』107巻2880号 2019.6.15/hideki-sansho.hatenablog.com #520