秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を読みました。空想力豊かな賢治にはついていけません。やはり「名作」なんですね!。ほかに、「双子の星」「よだかの星」「セロ弾きのゴーシェ」「飢餓陣営」「ビジテリアン大祭」、、、、。

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宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫
 

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宮沢賢治石川啄木と並び称される、岩手県が産んだ天才と言われます。私は二人とは同郷・同窓(旧制中学と新制高校)なので、とりわけ関心が高いはずですが、その割には不勉強です。啄木の歌の「不来方のお城の草に寝転びて空に吸はれし十五の心」に肖って、授業を抜け出して公園(城跡)に出かけ、寝転がって空を見ることをしたほど。また、「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたわむる」が大好きです。

 

それに比べると賢治については、「雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ」や「風の又三郎」ぐらいしか知らないのです。昨年から始めた「歌声」と「合唱」が縁で、今年の七夕に宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と「星めぐりの歌を知り、本ブログの7月7日号と7月11日号に「七夕」と「銀河鉄道の夜」「星めぐりの歌」を書きました

 

ブログで取り上げたのを機会に、「銀河鉄道の夜」が収録されている

『新編 銀河鉄道の夜(新潮文庫)を買って読みました。ちょっと難しかったので、繰り返して2回読みました。それでも“理解”しきれない感じです。作品が高尚な上に、私の理解力の不足だと思います。

 

ちなみに、件の新潮文庫版の解説収録作品について」(天沢退二郎には、こう書かれています。(p.413)

 

→「貧しい孤独な少年が夢の中で親友と汽車の旅をする、と一言で要約するにはあまりにも深く悲しく、謎や魅惑に満ちた物語。」

「少年の貧しさと孤独の背後には、(略)存在自体に根ざす苦悩や、<詩人>の本質的苦悩がひそんでいる」

「夢の旅というと簡単だが、それは死者たちの乗る汽車、その線路といえば夜の大空を、銀河の流れに沿ってどこまでもどこまでもめぐっていくのであり、同行する親友は級友を救おうとして溺れたすえの、死出の旅路にある……主人公はやがて『みんなの本当の幸福』を求める決意を獲得して夢と決別する。」

いくつものテーマやモチーフ、イメージの一一(いちいち)が様々な象徴や解釈を呼び起こしては再び闇へ突き戻す。」

賢治は第一次稿からほぼ十年かけて、第四次稿に至るまで、三度の大幅な改稿を試みた。」

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専門の研究者がこう書くほどですから、私がお手上げなのは致し方がないのです。ご理解ください。ただ、私は「天文少年」だったので、作品に出てくる星や星座はよく知っています。それでいて「難しい」が本音です。未読の方はどうぞ手に取って見てくださることを、お奨めいたします。

なお、『新編 銀河鉄道の夜』には、銀河鉄道の夜のほか、「双子の星」「よだかの星」「カイロ団長」「黄いろのトマト」「ひのきとひなげし」「シグナルとシグナレス」「マリヴロンと少女」「オツベルと象」「猫の事務所」「北守将軍と三人兄弟の医者」「セロ弾きのゴーシェ」「飢餓陣営」「ビジタリアン大祭」が収録されています。私は全部読みました。

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『秀樹杉松』108巻2900号 2019.7.12 / hideki-sansho.hatenablog.com #540