秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

読書

岸田文雄『岸田ビジョン』を読み、岸田さんの ”総理への階段”を作ってみました。

岸田文雄『岸田ビジョン』(2021年10月講談社+α新書刊)を読みました。岸田さんは、久々に登場した信頼できる本格政治家ですね。期待しています。 ……………………………… 本書の構成は以下のように、<はじめに>と1章~6章からなっています。 → <はじめに> 対話の…

津田左右吉『古事記及び日本書紀の研究[完全版] 〜 ”不敬罪"で発禁処分、”皇室の尊厳冒涜”"出版法違反"で禁固刑 〜 を読みました。

人間誰しも「必ず読みたい本」がいくつかあるでしょう。私においては津田左右吉『古事記及び日本書紀の研究』でした。先日新聞広告でこの本を発見し、繰り返し読んで理解しました。まさに、歴史的な歴史書ですね! ………………………… 津田左右吉(つだそうきち)先…

鈴木忠平著『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』を読みました。落合さんに親近感を覚える私は、鈴木さんの労作を興味深く読みました。本書は読みがいのある「労作」いや、間違いなく「大作」「名著」です!

<編注> 小説(特に推理小説)の場合は、読んだ本の内容には原則立ち入らないようにしていますが、今回の本はプロ野球の「落合博満監督」、しかも私が親近感を持っている落合さんに関することなので、ほんの少しばかり触れたいと思います。 ………………………………… …

森村誠一『老いる意味』を読み、安心したり、共感したり、、、。

「畑違いの文学部へ入学」してまで?芥川賞、直木賞などの文学論稿を書きました。一段落したので、昨日久しぶりで書店に寄ったら、森村誠一さんの新刊本が見つかりました。最近は新聞広告や書店で森村さんの新刊本を見かけないので、「どうしたんだろう?」…

川口松太郎=『鶴八鶴次郎・風流深川唄』で第1回直木賞受賞 / 三益愛子=川口松太郎の妻。映画「母三人」で育ての母を熱演

芥川賞と直木賞をブログ『秀樹杉松』で取り上げようと、”文学部に急遽入学” して、前々号と前号に書きました。「3号止まり」が無難でしょうから、この ”企て” は本号で終わりとします。ご愛読ありがとうございます。 …………………… ◉川口松太郎(1899 -1985)(ウ…

70年以上前の小学生の頃に読んで、さっぱり分からなかった 菊池寛『第二の接吻』と久米正雄『破船』

○いい歳をして ”文学部に入学” したら、なんだかリフレッシュした感じで、”入学論文” をまた書きました。よろしかったら、お読みください。 ............................................................... ○私の小学校 (低学年) 時代は、戦時中の田舎で…

芥川龍之介と芥川賞、直木三十五と直木賞、菊池寛と菊池寛賞 〜 "文学部入学"?の試み

本ブログ『秀樹杉松』の前々号(10/16)で、『昭和文学全集11』収録の石川達三『蒼氓』(そうぼう)を取り上げました。『蒼氓』は第1回「芥川賞」(1936年上期) 受賞に輝いた名作でした。 政治学を専攻した私は、一般的には文学にはほど遠い立場でしょうが、本が…

石川達三「流れゆく日々」と「死を前にしての日記」を読む

『秀樹杉松』前号に続き、『小学館版 昭和文学全集 11』に収録の、石川達三の作品を取り上げます。前回は「蒼氓」(そうぼう)ほかの4小説に限りましたので、本号では日記の一部を紹介します。 昭和文学全集11には、尾崎一雄、丹羽文雄、石川達三、伊藤整の4…

昭和文学全集(小学館)11 所収 = 石川達三「蒼氓」(そうぼう。第1回芥川賞受賞作品)、「日蔭の村」、「生きている兵隊」、「神坂四郎の犯罪」を読みました。

もともとの本好きに加え「コロナ」のせいで、どうしても読書が生活の軸となっています。時あたかも岸田自民党総裁の誕生と第100代首相への就任がありました。こうした情勢を反映し、『秀樹杉松』最近10号のカテゴリーは、読書=5、政治(岸田文雄)=4、プ…

佐伯泰英著『照降町四季』(全4冊) を、夢中で読み切りました。

本ブログ前々号(10/6)に続き、 佐伯泰英さんの『照降町四季』(てりふりちょうのしき)を取り上げます。全4巻(初詣で・己丑の大火・梅花下駄・一夜の夢)を読了しました。小説の内容紹介は省略し、巻末の<あとがき>に注目しました。 ………………………………… 表紙カバ…

佐伯泰英さんの『照降町 四季』(てりふりちょうのしき:全4冊) を読んでいます。~  (一)初詣で、(二)己丑の大火、(三)梅花下駄、(四)一夜の夢

何年前になるかな、佐伯泰英さんの文庫小説を夢中で読みました。 → 『居眠り磐音 江戸双紙』『酔どれ小藤次』『密命』『吉原裏同心』『夏目影二郎始末旅』『鎌倉河岸捕物控』『古着屋総兵衛』など。いずれも長編で、『居眠り磐音』などは51巻(冊)の大長編…

東野圭吾の小説『白夜行』と『流星の絆』を読む

東野圭吾さんの『白鳥とコウモリ』を読んで感動した(本ブログ9/24号)ので、『白夜行』と『流星の絆』も読みました。 ………………………… ①『白夜行』(びゃくやこう) / (集英社文庫 2002) 『白夜行』は860ページの長編で、時間をかけてやっと読み切りましたが、正直…

東野圭吾『白鳥とコウモリ』(幻冬社 2021)を読む ~ 作家生活35周年 記念作品 !

『白鳥とコウモリ』(東野圭吾著)を読みました。 東野(ひがしの)作品を読んだのは、『クスノキの番人』に次いで2冊目ですが、522ペーの分厚い単行本を一気に読了しました。 ................................... 書名の『白鳥とコウモリ』を見て、”鳥物語…

①阿部智里さんの小説<八咫烏シリーズ>、②カラス国での”ポスト助さん” 争い、③東京パラリンピック閉会式

①阿部智里さんの小説<八咫烏シリーズ>は、以下の6篇で第一部が完結しました。 1 烏に単は似合わない 2 烏は主を選ばない 3 黄金の烏 4 空棺の烏 5 玉依姫 6 弥栄の烏 そして、「楽園の烏」で第二部が始まりました。 今「弥栄の烏」を読んでますが、終わ…

カミュ『異邦人』とヘミングウェイ『老人と海』を読む

「普段と違う本を読んでみようか」と書店の文庫本コーナーを覗いたら、知らない人はいないぐら有名な、外国小説がいっぱい置いてある。その中にあった、 カミュの『異邦人』とヘミングウェイの『老人と海』に目が行った。これまで読んだかどうか思い出せない…

内田樹 / 姜尚中『新世界秩序と日本の未来  米中の狭間でどう生きるか』を読む。タイムリーな書名と豊富な内容!

タイムリーな書名の新刊書を新聞広告で知り、直ぐ書店に駆けつけて購入して読み始めました。書名に恥じない高度な内容でしたが、なんとか読み切り、随分と勉強になりました。私は政治学が専攻なので、久しぶりに胸のときめきを覚えました。読んで良かったで…

斎藤幸平『人新世の「資本論」』を読む。感動と驚嘆!

斎藤幸平『人新世の「資本論」』(集英社新書) ◉新聞広告だったかな?この本に気づき、「変な書名だな」と思った。書店でこの『人新世の「資本論」』(斎藤幸平)を見つけた。今さら『資本論』もないかなとも思ったが、”2021新書大賞第1位”と、著者のプロフ…

浅田次郎『五郎治殿御始末』を読む ~珠玉の名著に酔いしれ、漢字の”余録”も楽しむ

代表的な現代作家の一人の作品集浅田次郎『五郎治殿御始末』(新装版、中公文庫)を読み、大いなる感動を覚えました。 ………………………………………… この文庫本には「椿寺まで」「函館証文」「西を向く侍」「遠い砲音」「柘榴坂の仇討」「五郎治殿御始末」の6編が収録さ…

浅田次郎『長く高い壁 The Great Wall』(角川文庫) を読む。~昭和13年(1938)の中国大陸、万里の長城・張飛嶺が舞台。浅田次郎初の戦場ミステリー!

浅田次郎は私の大好きな作家で、これまで『蒼穹の昴』『壬生義士伝』『鉄道員』『流人道中記』『神座す山の物語』を読んだ。浅田次郎は直木賞、吉川英治文学新人賞、柴田錬三郎賞、中央公論文芸賞、司馬遼太郎賞、吉川英治文学賞、大佛次郎賞、菊池寛賞など…

『鎮魂と再生』東日本大震災・東北からの声100(赤坂憲雄【編】)を読みました。大震災の被災者の生々しい声を知り、改めて鎮魂と再生の気持ちを強くしました。

本ブログ『秀樹杉松』の前号(5/3)で、真山仁『それでも、陽は登る』(震災三部作完結編)を取り上げ、遅まきながら、神戸と東北の被災地の復興活動の一端に触れることができました。そして、何年か前に買い求めて途中まで読んでいた本を思い出して、今回読み…

真山 仁『それでも、陽は登る』~神戸と東北 ー 二つの被災地をつなぐ震災三部作(完結編)~を読みました。

真山 仁『それでも、陽は登る』(震災三部作 完結編)/ 祥伝社 本書表紙カバー....................................................................................... 1.17阪神淡路大震災(1955)、3.11東日本大震災(2011)には大きな衝撃を受けました…

馳星周『帰らずの海』を読みました。「警察小説」というジャンルの小説、とは知らずに。でも、読んでよかったです。

馳星周『帰らずの海』(徳間文庫) 本書カバー 本書カバー <警察小説> 本書カバーのキャッチコピーは「警察小説の傑作」。松本清張とか森村誠一の「推理小説」は愛読しましたが、「警察小説」なるものは読んだことがありませんでした。そもそもこう言う呼…

バラク・オバマ『約束の地 大統領回顧録』を読み、アメリカのこと、オバマ大統領のことが勉強になりました。

バラク・オバマ『約束の地 大統領回顧録』上巻 を読みました。 正直言って、日本人でこの回顧録を読む人は、多くはないでしょう。私も普通なら読まないのですが、①アメリカの大統領 ②オバマ大統領の回顧録だから、読んでみようと挑戦したのです。 (amazon.c…

朝井まかて著『眩 くらら』を読む。浮世絵師:葛飾北斎「オーイ、オーイ」/ 娘:応為「オーイ、オーイ親父どの 」。

今日から「コロナ蔓延防止等重点措置」が東京にも適用されました。これについては、《秀樹杉松》前号(4/10)に私の考えを投稿し、小池都知事の<3つの徹底策>訴えに呼応して、「都民一丸となって蔓延を防ぎましょう!」と呼びかけました。 ………………………………… …

朝井まかて『恋歌』を読み、感動を覚え勉強になりました〜樋口一葉の師・中島歌子を描く〜大矢博子氏の「解説」も立派!

本ブログ《秀樹杉松》3 月13日号に、<葉室麟『天翔ける』を読む>を投稿しました。その中で、巻末掲載の朝井まかて氏の「解説」に注目し、以下のように書きました。 → 朝井まかて(直木賞作家)さんの解説は、分かりやすく、しかも本質をついているように思…

葉室麟『天翔ける』(あまかける)を読む~松平春嶽(越前国福井藩主)/横井小楠/橋本左内/中根靱負(雪江)/由利公正(三岡八郎)/坂本龍馬/島津斉彬/山内容堂/伊達宗城/一橋慶喜/徳川斉昭/井伊直弼/勝海舟/西郷隆盛/大久保利通/松平容保、、、。解説=朝井まかて(直木賞作家)

幕末から明治維新にかけては、多くの歴史上の人物が登場する。「四賢侯」として知られる松平春嶽・島津斉彬・山内容堂・伊達宗城。「維新三傑」と称される西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允(桂小五郎)。他にももちろん、坂本龍馬・勝海舟(麟太郎)・徳川斉昭…

半藤一利さんの遺作『歴史探偵 忘れ残りの記』を読みました。

私は<秀樹杉松>2/4号で、「半藤一利さんを追悼し、名著『日本のいちばん長い日』を読みました」、を書きました。1週間後の2/11新聞広告で、半藤一利『歴史探偵 忘れ残りの記』の発刊を知り、書店に駆けつけて購入しました。奥付を見たら、発効日は前日の2…

『眠れないほど面白い「古事記」』(由良弥生、三笠書房)を読みました ~ ブログ<秀樹杉松>777号記念特集

<編注> 本号は<秀樹杉松>の通算3737号に当たります。37ー37と語呂もいいですが、2013年創刊から8年が経過し、いつの間にかこんな号に達したのに感慨を覚えます。また、紙印刷をやめてブログ投稿に切り替え(2017年)から4年で、本号がブログ777号に当たり…

津本陽『生を踏んで恐れず 高橋是清の生涯』(幻冬舎文庫)を読む

書店を覗いたら、津本陽さんの小説『生を踏んで恐れず高橋是清の生涯』と『小説渋沢栄一』とが並べ置かれていた。普通なら今年のNHK大河ドラマの主人公の後者だろうが、私は前者を選んで購入した。渋沢栄一より高橋是清に関心があったから。 二・二六事件の…

半藤一利さんを追悼し、名著『日本のいちばん長い日』決定版(文春文庫)を読みました。

歴史物が好きな私は、半藤一利・保阪正康両氏の本を読みます。私は両氏と同じ1930年代生まれの同世代なので、歴史の共有感を覚えるからです。そして何よりも、昭和史関係では群を抜いた著作があるからです。 半藤一利さんの訃報に接し、書店に出かけて『日本…