管弦楽曲は交響曲ほどの重量感はないので、気楽にエンジョイでき、心の安らぎを覚える。かと思えば、魂が揺さぶられる。序曲、劇音楽、バレエ、交響詩、ワルツ、セレナード、ディヴェルティメントなど、いろいろな分類や名称がある。小生の好きな管弦楽曲を中心に、作曲家別(古い順)に挙げる。
アルビノーニ(アダージョ)、バッハ(管弦楽組曲3番:G線上のアリア)、ヘンデル(水上の音楽)、モーツァルト(セレナード「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「後宮からの誘拐」序曲)、ベートーヴェン(「エグモント」「フィデリオ」序曲)、ウェーバー(舞踏への勧誘、「魔弾の射手」序曲)、ロッシーニ(「セビリャの理髪師」序曲)
ヨハン・シュトラウス一世(ラデツキー行進曲)、メンデルスゾーン((真)夏の夜の夢)、リスト(ハンガリー狂詩曲)ワーグナー(ジークフリート牧歌、「タホイザー」序曲と大行進曲、ワルキューレの騎行、ジークフリートの葬送行進曲、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲)、ヴェルディ(「椿姫」序曲)、オッフェンバック(パリの喜び)、スメタナ(わが祖国)
ヨハン・シュトラウス二世(美しく青きドナウ、ウイーンの森の物語、皇帝円舞曲)、ブラームス(大学祝典序曲、ハンガリー舞曲集)、サン=サーンス(動物の謝肉祭)、ムソルグスキー(展覧会の絵、禿げ山の一夜)、チャイコフスキー(白鳥の湖、眠りの森の美女、くるみ割り人形、弦楽セレナード)、ドヴォジャーク(スラヴ舞曲集、セレナード)、マスネ(タイスの瞑想曲)
グリーグ(ペール・ギュント)、リムスキー=コルサコフ(シェラザード)、スーザ(行進曲「星条旗よ、永遠なれ」)、エルガー(行進曲「威風堂々」)ドビュッシー(牧神の午後への前奏曲)、R.シュトラウス(ツァラトゥーストラはかく語りき、英雄の生涯)、シベリウス(フィンランディア、レンミンカイネン)、ストラヴィンスキー(火の鳥、春の祭典)、バーバー(弦楽のためのアダージョ)
上記の中で、演奏時間は短いが深い感銘を覚えるのは、次の名曲である。
アダージョ(アルビノーニ)、G線上のアリア(バッハ)、アイネ・クライネ・ナハトムジーク(モーツァルト)、舞踏への勧誘(ウェーバー)、タンホイザー序曲(ワーグナー)、タイスの瞑想曲(マスネ)、牧神の午後への前奏曲(ドビュッシー)、美しく青きドナウ(ヨハン・シュトラウス二世)、弦楽セレナード(チャイコフスキー)、フィンランディア(シベリウス)、弦楽のためのアダージョ(バーバー)、など。
協奏曲
交響曲、管弦楽に次いで、「協奏曲」が好きだ。弦楽器との協奏(ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲)、管楽器との協奏(クラリネット協奏曲、フルート協奏曲)、そしてピアノ協奏曲などがあり、独奏楽器とオーケストラの協奏が醸し出す音の魅力がたまらない。
ピアノ協奏曲
中でも一番好きなのは「ピアノ協奏曲」。
先ず、全部で30曲も作曲したモーツァルト(1756)は26番「戴冠式」などの名曲を生んだ。また、卓越したピアニストとしてのベートーヴェン(1770)は5番「皇帝」など5曲を残し、4曲は自身の独奏で初演したという。“ピアノの詩人”と敬愛される天才ショパン(1810)の作曲は二つだけだが、“瑞々しい情感と新鮮な感覚”“甘美にすぎるほどの旋律”と解説される。
ブラームス(1833)は第1番など重厚な2作を書き、チャイコフスキー(1840)は有名な第1番で知られる。ノルウェーの国民主義を確立したグリーグ(1843)のピアノ協奏曲イ短調、そして甘美な叙情性溢れるラフマニノフ(1873)の2番は魅力的である。
ピアノと管弦楽の協奏は絶妙で、聴く者に深い感銘を与えずにはおかない。ウィキペディアによれば、世界の“三大ピアノ協奏曲”に、①グリーグ(イ短調)、②ベートーヴェン(5番<皇帝>)、③チャイコフスキー(第1番)を挙げている。もう一つとなれば、文句なくラフマニノフ(第2番)だろう。
ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲にも優れた作品が多い。ベートーヴェン(1770)の「ニ短調」、メンデルスゾーン(1809)の「ホ短調」、ブラームス(1833)の「ニ長調」、チャイコフスキー(1840)の「ニ長調」が有名だ。“悪魔に魂を売ってヴァイオリンの演奏技法を身につけた”パガニーニ(1782)の「第1番ニ長調」
ベルギーの名ヴァイオリニスト・ヴュータン(1820)の「4番ニ短調」、ポーランド出身の大ヴァイオリニスト・ヴィエニアフスキー(1835)の「2番ニ短調」、ヴァイオリニストになる夢を断念したシベリウス(1865)の「ニ短調」、などだ。
世界“三大ヴァイオリン協奏曲”には、①ブラームス(ニ長調)、②ベートーヴェン(ニ短調)、③メンデルスゾーン(ニ短調)が挙げられる。
書きながら今気付いたが、列挙した8つのヴァイオリン協奏曲のうち、半数の4曲がニ短調で、3曲がニ長調であり、残る1曲はホ短調である。ヴァイオリンの奏でる音色には「ニ調」が合うのだろう。因みに、短調5:長調3である (「クラシック音楽への憧れ」)
(秀樹杉松 82-2369)