秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

泣くなシューベルト

作曲家の生年覚書 (3)

泣くなシューベルト / シューベルト(1797)

 いよいよ本題“ドイツ歌曲王”、“ロマン派の開拓者シューベルト登場だ。三大交響曲の一つ「未完成」、歌曲集「白鳥の歌」「冬の旅」、歌曲「野ばら」「魔王」アヴェ・マリア」(「エレンの歌」3)、「あこがれ「ただ憧れを知る者だけが」」、などの名曲をいっぱい残した。

 

 早くから才能を現し、魔王」が1821年(24歳)に作品番号1として出版される前に、既に700曲に達する曲が作られてあったそうだ。定職に就けず、貧困生活を余儀なくされ、しかも生前に認められることも少なく、31歳の若さで無念の死を遂げた。死の1・2年前に名歌曲集「冬の旅」(「菩提樹」含む)と「白鳥の歌」を作曲している。

 27年先輩のベートーヴェン(1770)は、シューベルトの尊敬してやまない大目標であった。1827年3月に病床のベートーヴェンを見舞い、同月29日の葬儀に出席、葬列に参加した。ベートーヴェン葬儀の翌年1828年11月に、あたかも敬愛するベートーベンの後を追うが如く、短かくも儚い生涯を閉じた。村の墓地に埋葬されたが、同日中に、ベートーヴェンが眠るヴェーリング墓地に移葬された。(ヴェーリング墓地は、今は「シューベルト公園」になっているそうだ)。

 生活苦と闘い、不運の裡に短い31歳の生涯を閉じたシューベルト悲しい思いに泣いているのではないか“泣くなシューベルト(1797)”は、小生の心からの贈物だ。

 

OZ=オズ=オス=03 / ベルリオーズ(Berlioz)(1803

 「幻想交響曲」「葬送と勝利の交響曲」「死者のための大ミサ(レクイエム)」「ファウストの劫罰」などを作曲したベルリオーズは、大好きな作曲家の1人だ。どうしても生年を覚えたいので努力した。その結果、名前Berliozの末尾「OZ」に着目した。Zは数字の「2」の形をしているが、乱視・老眼の小生には2も3も同じように見える。

 そこで、「Z」を強引に「3」と見立てることにした。そう決めてしまえば、BERLIOZの「OZは03」となる。執念がもたらした、まさに数字の魔術だ。なお、後になって、Z=ズ=ス=スリー=3となり、何のことはない、「OZ=03」であることに気が付いた。従って、Berliozの生年は1803年ということにした。

 

一番奥深い(奥床しい) / メンデルスゾーン(1809)

 ドイツロマン派のメンデルスゾーン(Mendelssohn)は、モーツァルト(Mozart)・マーラー(Mahler)と並ぶ“三大M作曲家”の1人であり、交響曲スコットランド><イタリア>、結婚行進曲、“三大V協奏曲”に入るヴァイオリン協奏曲、三大オラトリオの一つ「エリア」が素晴らしい。モーツァルトマーラーを融合したような音楽で、奥深い名曲が多い。末尾の二ケタ「09」を「奥(09)深い・奥床しい」と読ませる

 

ショパン才。シューマンも / ショパンシューマン(1810

 “ピアノの詩人”ともいわれるショパンは、Pソナタ「葬送」、夜想曲前奏曲・練習曲・マズルカポロネーズ・バラード・スケルツォ・ワルツ・即興曲・幻想曲・・・数え切れない名作を作曲した天才。文字どおり下2けたの10(テン)から、天(10)才を思いついた

 同年生まれのシューマンも、「ライン」「トロイメライ」「詩人の恋」「流浪の民」などの名曲を産んだ天才だ。横文字はChopinとSchumannだが、日本語ではショとシュで近いので、一緒に扱いやすい。そこで“ショパンは天才。シューマン”と覚えた。

 

Liszt = l i = 11  / リスト(1811 

 ハンガリー生まれのリストは、19世紀最大のピアニストで、作曲家としては交響詩のジャンルを創始し、交響詩ピアノ曲、合唱曲などを作曲し、75歳まで長生きした。名前はLisztと綴られる。最初の二文字に注目、Lは小文字で書くと「l」で数字のイチと殆ど変わらないなので、Li=li=11。だから、リストは1811年生まれ、とこじつけた。それに、リストも天才だが、悪いけど天才の称号は1年先輩の10(天)年生まれ(シューベルトシューマン)に譲って貰うことにした。つまり「1年遅れでやって来た天才」で許して欲しい。これで、Lisztは“Li=11=1811”と決まった。

 

一番意味深 / ワーグナーヴェルディ1813

 聴く者、観る者を感動させずにはおかない“楽劇王”と“歌劇王”。小生は、ワーグナーの歌劇・楽劇は「さまよえるオランダ人」「ローエングリン」「タンホイザー」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「ニーベルングの指輪(ラインの黄金ヴァルキューレジークフリート+神々の黄昏)」「パルジファル」「トリスタンとイゾルデ」のCDを持っている。

 また、ヴェルディの歌劇「ナブッコ」「第1回十字軍のロンバルディア人」「エルナーニ」「ジョヴァンナ・ダルコ(ジャンヌ・ダルク)」「アッティラ」「マクベス」「ルイザ・ミラー」「リゴレット」「トロヴァトーレ」「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」「シチーリアの晩鐘」「シモン・ボッカネグラ」「仮面舞踏会」「運命の力」「ドン・カルロ」「アイーダ」のCDもある。

 この二人の音楽を誉める言葉はいろいろ考えられるが、生年(1813)との関わりで言えば、“一番意味深(1813)”でいいだろう。単なる語呂合わせではない、意味合いもこめて。(「クラシック音楽への憧れ」)

                                            (秀樹杉松  82-2373)