秀樹杉松

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左近川 ・新左近川

   

 親川記:東京の川歩き(10)             / Atelier秀樹

 左近川新左近川  (2013年4月25日)

 

 好天の今日4月25日(木)は、江戸川区葛西地域を東西に荒川と旧江戸川を結んで流れる水路「左近川」(新しくできた荒川側は「新左近川」)に行ってきた。行く前にネットで調べたら、この川にも歴史がいっぱいあった。

 <左近川の歴史>

 もともとは旧江戸川から臨海町の海岸水門まで、直接に東京湾に流れ込む一級河川だったそうだ。農業用水だけでなく河港としても利用され、先日歩いた「新川」の水が(現在では埋め立てられた川を通じて)左近川に注ぎ込んでいたそうだ。明治時代は東京湾の漁業が活発化し、1951年頃は「葛西漁港」は漁業根拠地といわれた。しかしその後工場重油流出・江戸川漁業被害・葛西海岸堤防建設などにより、漁業不適の海になる。ついに1964年、漁業権放棄、葛西漁港廃止に追い込まれた。

 

 更に、地下水くみ上げによる地盤沈下、産業廃棄物の不法投棄などで、葛西地区の環境破壊が進んだため、1970年江戸川区は海岸水門で道路を封鎖、産業廃棄物業者を閉め出した。1972年東京都は葛西沖開発事業に着手、清新町・臨海町の埋立地が造成され、荒川と旧江戸川を結ぶようになった。1977年からは、「河川」ではなく「水路」(人工溝渠)として扱われているそうだ。

 以上の次第なので、新しく埋立地に造られた海岸水門から荒川までの人工水路は「新左近川」と呼び、流域は新左近川親水公園として整備されている。なお、現地に行ってみると、左近川の川辺の道は「左近川親水緑道」(健康の道2010m)の道標がたてられていた。

 <歩きメモ>

 さて、朝8時過ぎに自宅出発。地下鉄東西線西葛西駅からバスで新左近川水門に近い東京臨海病院で下車。早速水門に向かう。ところが、方向音痴らしく?逆方向に歩き、つばさ橋、新左近橋過ぎてやっと気づき I ターンする。約20分の時間ロス。

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 10時半頃から改めて水門を目指す。その前に、新左近川が合流する荒川を見ようと思ったが、土手を越すのに時間がかかった。何とも不便だが、荒川のスケールの大きさを見たら気持ちもスッキリ。

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 いよいよスタート。先ずは「蜆橋」。通行人に聞いたらやはりシジミが獲れたそうである。新左近川には船がたくさん停泊している。漁業用か?方向間違えてさっき通ったばかりのつばさ橋、新左近橋に戻る。新左近川マリーナ葛西マリンクラブがある。歩行者用の新左近橋と並ぶように、車道の葛西かもめ橋。ボート乗り場があり、ヒルの形をした可愛らしいボートが備え付けられている。ついパチリ、パチリ。

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ここから「新左近川親水公園」。→中左近橋。広い水面が急にコンクリートの壁で堰き止められており、「海岸水門」と彫り込まれている。後で地元民に教えてもらったが、前項の歴史で書いた、元もとの左近川は直接海に流れ込んでいた、というその場所がこの「海岸水門」であった。だから此処から東が本来の「左近川」ということになる。細い左近川から海に流れ込んでいる水門を夢中で撮影。左近川と新左近川の関連と区別がやっと判った。

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此処からは川幅も狭くなり、「以前は河川であったが今は水路」が実感される。実は近くで地元民からの懇切な説明のおかげで、得心がいった。やはり対話は重要だ。「環七を渡ると情緒がある」と教えていただいたが、その通り。「左近川親水緑道」=「健康の道」(2010メートル)の道標が現れる。

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面白い形の小さな木橋、石橋。亀や鴨?が泳ぎ、川辺には綺麗な草花、ツツジなどが咲いており、彫刻オブジェも配置されている。

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 川の置き石が目立つ。コンビニで仕入れた弁当を食べたいが、椅子が見当たらないので、川岸の置き石に腰掛けて昼食。ついでに、その石を撮ってきた。

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バス通り渡ったら「南葛西二小」。水源(左近川水門)はもう直ぐだ。

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 ゴールの模様を写そうとしたが、ここで思わぬハップニング。「メモリカードの残量がありません」の警告メッセージが出て、これ以上の撮影不能となった。あと数枚という所で、しかも締めくくりの写真を撮れなかったのは、残念至極。しかし、これも旅(川歩き)には付き物かもしれない。

 土手を登り川辺に出て「左近川水門」と旧江戸川を見る。さっきの南葛西二小前に戻り、バスで葛西駅へ。そこから帰宅。

                     (秀樹杉松 83巻/2396号)