秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

シルバー人材

   定年後の高齢者の就業   /  Atelier秀樹

 初めて聞く方もおられるでしょうが、「シルバー人材センター」の会員となって、比較的軽い仕事をパートでやっている高齢のことです。現役の若い働き手を燦然と光り輝く「」に見立てれば、定年後の高齢者は色あせた「」でしょう。オリンピックで、「金」はスゴーイ!が「銀」はソウカ、みたいなもの。私のような「木材」や「石材」もいるが、総じて「シルバー人材」と呼ばれると悪い気はしない。ありがたい呼称だ

  ほとんどの区や市町村には「シルバー人材センター」(熟年人材の呼称も)がある。国や自治体が“人減らし”の意図も込めて、業務の一部を民間に委託するのが大きな流れになっている。例えば、公立学校の「警備」や「交通案内指導」などである。10何年前は警備主事が泊まり込んだが、現在では夜間が機械警備となり、泊まり込まない「学校施設管理」の仕事として、シルバー会員が就業している。(尤も、警備の機械化が未実施で、警備主事が泊まり込みで人的警備を続けている学校も若干あり)

 シルバー就業の特徴は、早朝(6時過ぎから8時過ぎまで)や夜間(16時から22時まで)の勤務で、しかも土日休の休みはない。若い人なら見向きしないような仕事だが、シルバー人材は結構楽しく元気に働いています。現役を終えた“一丁あがり”のシルバー人材なのだから、これでいいのだと割り切っている。誰かがやらねばならない「重要な仕事」だとの使命感も含めて。

 苦労して働いた現役が終わったのだから、定年退職後はのんびり暮らしたい、と思う向きがあり、実際そうしている人もいる。だが少なくない(多くの?)人はそうも言っておられない。では、何故シルバー人材が働くのか。次の三つが指摘され、シルバー就業する我々の共通認識でもある。

 

 1)現役時代の経験や知識を活かして、少しでも社会のお役に立ちたい

 2)仕事することで少しは頭や体を使うので、高齢者の健康に良い

 3)小遣い程度の少ない額だが、少しはお金をいただける。 

 

 4月から5月にかけての大型連休を「ゴールデンウィーク」という。みんながレジャーを楽しむ。しかし、この期間はシルバー人材の出番(活躍の場)です。普段は早朝や夜間だけの就業だが、学校が休みの時は早朝から夜間までの終日「施設管理」をシルバーが受け持つからです。いわばシルバー大活躍のウイークなので、私は勝手に「シルバーウィーク」と名付けております。仕事を休む人がおれば、必ず働く(働かねばならない)人がいる。世の中、それでもっているのです。

 やはり、シルバー人材は大切な存在(影の存在)なのです。

        

                                                     (秀樹杉松 85巻/2428号) 2017年9月19日