秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

道には平坦な道と坂道あり。人生の道も亦同じ? ~第1回「坂めぐり」を終えて〜

  坂めぐり」は楽しくて勉強にもなります  /  Atelier秀樹

 

 <家康の人生訓>

 徳川家康は「人生とは重き荷物を背負って坂道を登るようもの。急ぐべからず」と言ったそうです。確かに人生は平坦とは言えないでしょう。今回港区内の坂めぐりを考えついたのは、どんな処なのか行って歩いてみたい気持ちだけでなく、「人と坂」の関わりにも関心があったからです。

 

 <坂と平>

 「」の反対は「」ですが、漢字の違いを探ってみました。漢和辞典によると、坂の字の斜めの意味を持つことから、斜めに上り下りする道が「坂」なそうです。予想通りズバリです。ところが、「平」を調べても、期待通りの記述が出てこない。そこで私が勝手に解釈することにしました。

 の字を分解すると「一八十」、すなわち「百八十」となります。180度は角度ゼロ(ー)で平べったいので、坂の無い「平」だ、とこじつけました。道路に平坦な道と坂道があるように、人生にも亦平坦と坂が共存する。・・・そんな気持ちも込めて、坂の巡り歩きを始めました。

  <3時間以上かけて>

 第1回は14の坂めぐりをしました。2回に分けることも考えたが、天気も好いし比較的まとまった箇所にあるので、1回で済ませるすことにしました。歩き始めたのが10時ごろで、終わったのは1時半ごろでした。昼食は後回しにして3時間以上歩いた(写真撮りながら)のですが、すごく楽しくて空腹を感じませんでした。14もの坂を巡ったので、坂歩きで遭遇しそうな問題を大体掴むことができ、そういう意味でも第1回は有益でした。

 <坂に関する文献と地図>

 ネットで調べると「坂」に関する文献はたくさんあります。前回紹介した「港区坂図鑑」だけでなく、「東京の坂」(wikipedia)「東京23区の坂」(tokyosaka-sakura)「全国・坂のプロフィール」(sakagakkai.org) …などです。私が長年愛用している昭文社の「東京23区 便利情報地図」と「でか字まっぷ 東京23区」には坂名が記載されているので、非常に便利で助かります。ネットの坂情報と地図に基づいて、2日ばかり“勉強と準備”に専念しました。そして実行に移しました。

 <現地へ行っての楽しみ>

 十分に地図を確認したつもりでも、現地に行くと目当ての坂道が簡単に見つからない場合があります。通行人を見つけて尋ねても、ここの住人ではない、引っ越してきたばかり、坂には関心がない、などの回答にも出くわす。反対に小学生なのに、すらすら答えて教えてくれる児童もいる。

 それと、地図には載っているが、その後区画整理や建物ができたりで、道路そのものが消滅しているところもある。標識柱があるはずなのに見つからないこともある。これらは決して苦労ではなく、全て「坂めぐり」の大いなる楽しみに属します。いろんな事があるから、面白いのです。正直“変わったところがある?”からでしょう。どんな人にも他人から見れば「変わっている?」ところがあるといわれます。人それぞれの趣味や生き甲斐があるんですね。あなたは?

 <麻布地区は昔の「麻布区」>

 初回の坂めぐりは、港区の元麻布、南麻布、西麻布方面でした。現在の地名でわかるように、昔は麻布区でした。明治11年東京府麻布区」、明治22年東京府東京市麻布区」、昭和22年に芝区・赤坂区と3区合併して今の「東京都港区」になりました。今回坂歩きしていたら、道路のあちこちに警官が立っているのでビックリ。まさか「挙動不審な変な男が歩いている」と110番でも入ったので、俺を出迎えているのでは?、まさか」と思って、警備に当たっている警官に訊ねたら「近くに中国大使館があるから」「何かあったんですか?」「何も起こらないように警備しているのです」・・・なるほど。

  <麻布地区は外国大使館街>

 確かに今回歩いた麻布一帯には、外国大使館が多いオーストリアリベリアスロバキア・アルゼンチン・パキスタンフィンランド・イラン・ノルウェー・スイス・ボスニアへルツェコビナ・ラオスルーマニアギリシャウクライナ・ドイツ・フランス・プルキナファソ・カタール・マダカスカル・シンガポール。ざっとあげても20カ国ばかりの大使館が集中しているので、「大使館街」といってもいいでしょう。特にビックリしたのは、ドイツとフランスの大使館が膨大な敷地内にあることでした。

  <車に気をつけないと>

 前回の「坂めぐり」を読んでくださった方から、「坂道シリーズいいですね!楽しみです。ただくれぐれも車の往来には細心の注意を払ってください……」というメールを頂戴しました。ご心配ありがとうございます。確かに坂や坂名標識柱の写真を撮るには道路の端はもとより、場合によって道路中央に出ることもあります。車が通らない細い道だけでなく、車通行の激しい場所もあります。これからの坂歩き・写真撮影には、車に十分な注意を払うもりです

 <次回からをお楽しみに>

 一昨日の初回の歩きを参考にして、次回も「坂めぐり」へ行ってきます。文献と地図を基に計画が出来上がり、あと9回で港区内は“完歩”できそうです。港区内には坂名標識柱付きの坂が80以上あり、区役所ホームページに「港区坂図鑑」を載せているくらいですから、次回以降も楽しみにしています。よろしかったら、ちょっとでも覗いていただければ幸いです

                                                       (秀樹杉松 88巻2494号)2017.11.23  #blog134