坂めぐり | 第13回=2017.12.13 | のぞき坂、富士見坂、日無坂、胸突坂、薬缶坂/夜寒坂、目白坂、etc.
すごい急坂いっぱいなのに、坂道標識ないのはどうして? / Atelier秀樹
今日は新宿区の3坂、豊島区の5坂、文京区の5坂、の計13の坂道を巡って来ました。地図帳で見る限り、豊島区には坂名の記載が殆どないので、今回の坂めぐりの予定に入れていなかった。先日息子から「中学生の頃自転車でたまたま通りかかって衝撃を受けた、のぞき坂に行ってみたらどうか、富士見坂とか日無坂とか非常に趣のある坂も多いので是非」とのメールをもらった。
<坂標識が見当たらない>
調べたら件の「のぞき坂」などは豊島区なので、予定していた新宿区と文京区の坂道に合わせて、今日早速行って来た次第。確かにメールに書かれていた坂道は、これまで歩いたどの坂よりも(と言えるほど)、本格的な急坂揃いでした。ところが、これまで歩いてきた港区や新宿区なら当然あって然るべき坂道標識が全くないのに驚きました。地図帳を見て豊島区内には坂がないだろうと思ったのですが、もしかしてそうではなく、坂標識がないから地図にも坂名が載っていない、だけかもと考えたりします。
<急坂グループ>
今日のハイライトは、豊島区高田にある名だたる急坂グループでした。ぜひお読みください。そして写真も!
<親切な皆様に感謝いたします>
今日も地元の方には随分とお世話になりました。みなさん全員が真摯に、私の問いかけに対応してくださいました。何しろ坂標識がないので、地元の方でも正確な坂名を知らなかったり、思い出せなかったり・・・。坂の名前は間違いなくあるが、自分はどうしても思い出せないので、大家さんなら知ってるかもしれないと、わざわざ案内してくれた方。また、坂標識の有無をお尋ねした別の方は、私が坂めぐりをした結果をネットのブログに投稿していると話したら、ブログ名を聞かせて下さいませんか、という有り難いお言葉。素敵な女性でした。嬉しくなってブログ名(hideki-sansho=秀樹杉松)を教えました。お読みいただいていますか?
<坂標識>
もちろん区内の坂道に区役所が坂標識を立てなければならない、という決まりはないでしょうが、立派な坂道があるのに、またネット情報では流れているのに、現地の坂には標識がないということは、何か寂しい気持ちになりました。ぜひ「坂標識設置」の方向で、豊島区役所の関係者が動いてくださることを期待します。同時に地元の皆さんも、誇れる坂道に着目されることを期待したいと思います。
ただし、「富士見坂」については「高田富士見会」設置の埋込標識がありました。流石だと、高田富士見会に敬意を表したくなりました。
<のぞき坂>についての、解説記事を見てみよう。
東京都内で自動車通行が可能な道路としては、傾斜・延長距離ともに最急の一つに数えられる坂。別名は胸突坂。胸突坂は別にあるので、本来の通称・のぞき坂で扱う。勾配は最大13度(23%)であり、自動車・原動機付自転車でも変速機の対応によってはエンジンストールに陥る。
tokyosaka.sakura
東京一急な坂ともいわれています。
別名「胸突坂」「急坂」「眼鏡坂」。標識なし。
由来 他 坂上から坂の途中・坂下にかけて急に角度を変えているので、坂上からの見通しができない。まさかとは思うが崖になっているように途中までいかないと坂下が見通せないので、「のぞき坂」となった。(「東京の坂風情」より)
豊島区の坂(1)~高田方面
文京区目白台に隣接する地域で、東西に走る神田川沿いからその北にある目白台へと登る急な坂道が並んでいます。西から、のぞき坂、宿坂、稲荷坂、富士見坂(以上豊島区)、日無坂(豊島区と文京区の境界)
<富士見坂>
目白通りに面した酒屋さんと、写真館の間から高田方面に下る坂で、石碑があります。
<日無坂>
江戸時代からの歴史ある坂で、豊島区と文京区の境にあり、階段坂もあります。別名は東坂。
◉以上のように今日の坂歩きは、豊島区高田の急坂グループがハイライトでした。情報を提供してくれた息子に感謝するとともに、本当に行ってよかった。写真を載せますが、何せ素人撮影です。それでもそれなりの「急坂」「胸突坂」の感じは伝わるかと思いますのでご覧ください。
<挿話>
坂めぐりの途中にあった、おとめ山公園、豊坂稲荷、学習院大、目白駅、金乗院目白不動、日本女子大、などの写真も挿入しました。なお、「おとめ山公園」は「乙女山公園」ではなく「御留山公園」です。写真の標識写真をお読みください。また、「久七坂」は「急な坂」とも読めます。それと「七曲坂」は「鼻曲がり坂」とも聞こえて、面白いですね。さらに、日無坂の別名が東坂とありますが、なんとなく発音が似ていませんか?
<薬缶坂 / 夜寒坂>
*夜寒坂を「よざむ坂」と読みました
もっと面白かったのは、地図にある「夜寒坂」を見て、私が「よざむ坂はどこでしょうか」と歩行者に尋ねたことです。ところがその方はご存知なかったのか、「知りません」。「やかん坂」と正しく訊けば、あるいは「ああその坂ならあっちの方です」と教えて下さったかも。すみませんでした。坂標識には地図の「夜寒坂」ではなく「薬罐坂」と出ており、夜寒坂ともいうとありました。
*薬缶坂/夜寒坂 の由来
写真に撮った文字ががよく見えません。内容が面白いので、ここにも引用します。
→ やかん坂のやかんは野かん(豸+干)、射干とも書く。犬や狐のことをいう。野犬や狐の出るような淋しい坂道であったのであろう。またヤカンのような化け物が転がり出た、との噂から「やかん坂」と呼んだ。
夜寒坂の起こりは、この地が「夜さむの里道」と、風雅な呼び方をされたことにある。
<註>私が「よざむ坂」と読んだのは、中らずと雖も遠からずでした。
<坂めぐりコース>
(西武新宿線下落合駅)~久七坂~七曲坂~相馬坂~豊坂~のぞき坂〜宿坂〜富士見坂~日無坂~薬罐坂(夜寒坂)~三丁目坂~胸突坂~目白坂~大日坂~(地下鉄茗荷谷駅)
<写真編>
久七坂
七曲坂
相馬坂
豊坂(とよさか)
のぞき坂
宿坂(しゅくざか)
富士見坂
左手が日無坂、右手が富士見坂 ↑
地元「富士見坂会」設置の「富士見坂」石碑。石碑もそうですが、何より志が立派ですね! ↑
日無坂
薬罐坂(夜寒坂)
三丁目坂
胸突坂
目白坂
大日坂
(秀樹杉松 89巻/2512号)2017.12.13 #blog<hideki-sansho>152