秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

老人と風呂

 『老人と海』という書名が頭に浮かんだ。誰の著作だっかすぐに出てこないので、あわててウィキペディア調べたらアーネスト・ヘミングウェイの短編小説(The Old Man and the Sea)。世界的なベストセラーで、1954年のノーベル文学賞受賞とある。この種の作品(ノーベル文学賞とか芥川賞。ただし、直木賞は別)は大体読まないので、読んでないと思います。         /Aelier秀樹

 

   ヘミングウェイには他に、武器よさらば誰がために鐘は鳴る陽はまた昇る、などがある。いずれも有名小説で、日本語書名は魅力的ですね! この3作はもしかして読んだかもしれません。今はやりの表現なら「読んだ記憶も記録もない」でしょうが、私の場合は正直に「明確には覚えていないが、読んだような気がする」。 

 『老人と海』の老人Old Manである。因みに、今ならなんと翻訳するでしょうか。『高齢者と海』なら、味もそっけもないように思いますが。年寄・老人(老女)は、完全に死語化したのでしょうか。それはともかく、高齢者後期高齢者の呼び名はかなり定着してきているようですが、そのうちに「超高齢者」も出現するでしょうか? 

 閑話休題。私は若いつもりですが、一般的な意味の「老人」に入るでしょう。そこで本号は「老人と海」にちなんで?「老人と風呂」と題しました。ただし小説にはあらず。

 10年ほど前に長兄がお風呂で急死しました。風呂から出てくるのが遅いので、心配した長男が発見したそうです。最も尊敬し、心を通わせていた長兄の死は衝撃そのものでした。それ以来、私自身も風呂については注意し、家族の動向にも神経を配るようにしています。風呂場(浴槽外)で転んでケガする話は聞くのですが、今回私は風呂桶から外に出ようとした際に、浴槽内で足が滑って風呂の縁においかぶさり、胸を強打しました。

 肋骨を激しく強打したらしく、それはそれは物凄く痛かった。すぐに救急車をと思ったが、世の中ままならず、翌日(日曜日)近くの救急病院に自分でやっと歩いて行き、休日診療を受けました。救急車搬送でなくても、救急病院なら(休診日・時間外でも)診療を受けられるのを知りました。

 不運は重なるのでしょうか。整形外科医が(日曜なので)不在につき、他の先生に診てもらうことになりました。専門医でないと画像診断がちゃんとできないが、それでもいいかと問われたので、アバラボネが痛くてたまらない自分は、藁にもすがる思いで「お願いします」。結論だけ書けば、肋骨骨折は確認できない、それ以外は画像が読みきれないとの診断でした。暗に専門医(整形外科医)の診断を促す感じでした。

 「骨折なし」との診断でホッとした気持ちで帰宅し、痛み止めの薬を飲んだが、痛みは増すばかり。1日置いて様子を見たが、時間経過に従い痛みが加速。「やはり骨折しているのでは」と思い、いつもお世話になっている虎の門病院整形外科へ、火曜日に行きました。予約なしだったので、随分待たされましたが、それは当然の話。

 「肋骨骨折、全治1ヶ月」の診断をいただきました。骨折と知って嬉しがるのもおかしいですが、「やはり骨折だった」「俺が救急車呼んでくれと言ったのは、決してオーバーアクションではない。それほど痛く、すぐ病院に行かねばならないと判断したのは真実の叫びだった」のです!。

 骨折が明らかになり、それにふさわしい治療を始めたので、1ヶ月ぐらいは我慢する以外にはない。今回知ったことですが、画像診断は、特に肋骨に関しては難しいことがわかりました。それと、レントゲン写真の撮り方の良し悪しが絡むようです。例えば、最初の病院では胸部の背後から1枚だけ撮りました。次の病院では、痛みの箇所をくわしく聞いて確かめ、そこに焦点を当てて斜めに撮り、しかも背後からだけでなく正面からも撮影しました。素人の患者ですが、「写真の出来」が全く異なるのを知見しました。しかも画像診断に当たるのが整形専門医とそうでない医師の違い。

 

 最後にもう一度。風呂場の洗い場での転倒事故はよく聞きますが、今回の私のように、風呂から出ようとして浴槽内で足が滑って風呂の縁に被さるように落下して、肋骨を強打することもありますので、これをお読みの方もどうぞご注意ください。そして、肋骨の的確な写真撮影・整形外科専門医による画像診断にご留意ください。そのために、本号を投稿しました。それでは。

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    『秀樹杉松』95巻2625号 2018-6-27 / hideki-sansho.hatenablog.com #265

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