坂学会(sakagakkai.org) によれば、豊島区内には19の坂がある。20坂未満は23区でも6区しかないので極めて少ない方に属する。確かまだ1回しか行っていないので、今日は豊島区駒込の坂めぐりをしました。台風一過・日曜日の東京、最高気温は31度の予報なので、5日ぶりに63回目の坂めぐりに出かけました。今日の4坂で累計坂数は581となりました。
駒込といえば、染井吉野(ソメイヨシノ)発祥の地として有名。真夏なので花見とはいかなかったが、さすがに染井坂、染井坂通、染井よしの桜の里公園(染井吉野桜記念公園 )がありました。メインは坂めぐりですが、こうした周辺の風物を楽しむのも、この坂めぐりの特徴です。
駒込駅を降りたら「駒込橋」という幅が広く長い橋がありました。「あれ?川がないはずなのに」と思ったら、山手線をまたぐ陸橋でした。すぐ近くに「六義園」もありました。
JR駒込駅のある本郷通り(旧鎌倉街道)は「妙義坂」でした。坂名の由来となったすぐ近くの「妙義神社」は、日本武尊を祭神とする由緒ある神社なそうです。
今日歩いた坂数は4つだけですが、どうぞご覧ください。(“落穂拾い”的なので、以前のような2桁の坂数はなくなり、コンパクト坂めぐりが多くなります) / Atelier秀樹
JR駒込駅 (スタート)
駒込橋(山手線に架かる陸橋)
①木戸坂(きどざか)(#578)
豊島区駒込1丁目。駒込東公園の東端から東方向に下る。標識なし。坂上にある駒込東公園の向い側一帯は,幕末 長州出身の木戸孝允の屋敷であった。(「今昔東京の坂」による)
参考文献:「今昔東京の坂」岡崎清記 日本交通公社刊 昭和56年
駒込東公園
駒込1丁目。(今月分のアップ容量尽きたので、写真は割愛)
玄関先でくつろいでいるおばあさんに公園への道を尋ねた(確認のため)ら、喜んで教えてくれた。さらにその先へ行くと、木戸孝允の旧邸跡があり、明治天皇行幸の石碑が建っている、とも。
駒込東公園で飼い犬と一緒に休息していた年配の男の方に、明治天皇がいらしたという石碑はどこかときいたら、犬を連れたまま現地に案内してくれた。犬はどういうわけか、始終私に吠えかかったが。その方が途中で「あのマンションは木戸旧邸跡に建てられたものだと教えてくれ、さらに歩いて件の石碑まで連れて行ってくれた。まことにありがたかった。単なる親切にとどまらず、木戸孝允のことを知ってもらいたいとの気持ちも込められていたのではないか。
いずれにせよ、早朝から年配の男女(それと吠え続けるワンちゃん)に親切にしていただき、頭がさがる思いであった。<坂めぐり>にはこうした心の交流が付いて回る。
この辺りの広範な一帯は木戸孝允の旧邸だったそうです。明治天皇行幸の記念碑が立っている。少し離れたところには、跡地に建てられた大きなマンションが望まれた。
駒込3丁目。(今月分のアップ容量尽きたので、写真は割愛)
②妙義坂(みょうぎざか)(#579)
豊島区駒込3丁目と2丁目の間。本郷通り(旧鎌倉街道)。JR駒込駅前から女子栄養大学の入口付近まで。坂上の駒込駅前(駒込駅を出て本郷通りを挟んで向かい側)に,東京都が設置した標識が建っている。
→ 妙義坂 みょうぎざか 坂の西方 駒込3丁目にある妙義神社が坂名の由来であり,「大日本名所図会」に「妙義神社は駒込妙義坂下にあり,道路の西に,『これよりみょうぎみち,やしろまで半丁』と記せし石標を建つ。(中略) 当社の祭神は日本武尊にして,左に高産土神,右に神功皇后,応仁天皇を奉祀す。社伝に『日本武尊東征の際 此地その陣営となりたれば後に一社を建て白鳥社と号す』」と記されている。昭和五十八年三月 東京都
主祭神 日本武尊(ヤマトタケルノミコト)。妙義神社の御祭神である日本武尊(やまとたけるのみこと)は、12代景行天皇の皇子であり、勇敢で利発な人物であったと言われています。日本武尊の力を恐れていた景行天皇は、自らから遠ざけるために九州の熊曾建(くまそたける)兄弟の討伐を命じました。平定の旅に出た日本武尊にとっては苦難の連続でしたが、伊勢神宮の斎宮であり日本武尊の叔母でもある倭姫命(やまとひめのみこと)から与えられた着物で女装をし、敵を油断させることで見事に勝利し、平定を成し遂げました。(東京駒込神社myogi.tokyo)
(今月分のアップ容量尽きたので、写真は割愛)
③染井坂(そめいざか)(#580)
豊島区駒込3丁目と6丁目の間。駒込小学校と 西福寺墓地の間の道。「染井坂 そめいざか」と刻まれた標識(石板)が,西福寺墓地のブロック塀に埋め込まれている。坂名は この付近の旧地名「染井村」にちなむ。(「豊島区観光案内」による)
染井坂通り
駒込小学校
駒込3丁目。(今月分のアップ容量尽きたので、写真は割愛)
西福寺(さいふくじ)
(西福寺の塀にこんな広告が出てました)
染井稲荷神社
駒込3丁目。ソメイヨシノ発祥の地・染井村鎮守のお稲荷様。村全体が花園だった染井村。浮世絵や双六の題材にもされ花見や遊覧の場として人気を博す。(jinnjamemo.com)
染井よしの桜の里公園(染井吉野桜記念公園)
駒込6丁目。いっせいに咲きそろい散り際が見事なことから、日本中に植えられているソメイヨシノは、駒込のこの地域でつくりだされました。駒込の駅前広場を地下駐輪場とともに公園として整備した時に、このことを記念して園名がつけられ、「桜の里」の碑が建てられました。(「桜の里」の碑 図版「絵本江戸桜」は江戸東京博物館所蔵)
園内はソメイヨシノの原種と言われるエドヒガンザクラとオオシマザクラが植えられ、サクラ同士比較ができます。都会的な舗装の広場で、駅前にふさわしい魅力的な空間になっています。(豊島区HP)
門と蔵のある公園
④有松坂(ありまつざか)(#581)
豊島区駒込6丁目と7丁目の間。法成寺の西側から 染井霊園に向かう坂。標識なし。かつて坂上に“有松”という人が住んでいたため,この坂名で呼ばれるようになったといわれる。
参考文献:「東京の坂」中村雅夫 晶文社 1994
法成寺
(今月分のアップ容量尽きたので、写真は割愛)
駒込駅(ゴール)
<編註>
1) 坂名と坂説明は「坂学会sakagakkai.org」に依拠。 2) 写真はAtelier秀樹の撮影。 3) 坂名の後の(#〇〇)は 『秀樹杉松』坂めぐりの累計坂数。
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『秀樹杉松』95巻2640号 2018-7- 27 / hideki-sansho.hatenablog.com #280 ………………………………………………………………………………………………………