本来ならアタリマエのことでしょうが、今場所の序盤戦は、横綱の鶴竜・白鵬・稀勢の里、大関の高安、関脇の御嶽海の5力士が、揃って序盤戦を5戦全勝した。正直言って、場所前の私の予想が完全に覆えりました。 / Atelier秀樹
4日目のテレビ解説者が、うまい表現をしていました。今場所は大関を目指す関脇、初優勝を狙う大関、久々の優勝を狙う横綱、横綱の地位を守ろうとする横綱、などで緊迫感が漂い、熱戦が繰り広げられているという趣旨でした。率直ではあるがともすれば “軽い発言”が気になっていたが、今紹介した解説は的を射たもので、見直した感じです。
とりわけ、「大関を狙う」御嶽海、「横綱の地位を守ろうとする」稀勢の里、「初優勝を狙う」大関高安の大奮戦は、序盤戦を盛り上げた華でした。「いつもの通りにやる」とケロッとしている御嶽海、散々追い詰められて「負けるかも」と思わせながら、逆襲や土俵際の魔術などで「負けない」「相撲に負けても勝負に勝つ」稀勢の里は、まさに粘りと辛抱で無敗を守り続けた。正直いえば、私は序盤戦で最低1敗、下手すると3敗を覚悟していたからです。
まだこれから中盤・終盤戦が待ち構えているので、序盤戦だけで評価はできないが、ともかく今日までの5勝無敗は褒めていいだろう。長期の欠場を乗り越えての成果、これは素直に評価すべきものでしょう。緊張と疲労感で今にも倒れそうなのに、よく頑張っていると褒めてやろうではないですか。
そんな訳ですので、中盤戦で大きくつまずくかもしれませんし、このまま勝ち続けるかもしれません。勝負の世界ですから、何が起こるか分からないのです。
『秀樹杉松』97巻2677号 2018-9-13 / hideki-sansho.hatenablog.com #317