秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

秀樹杉松<坂めぐり>を終えて(3)~再会のよろこび~

 

「お久しぶり、またお会いしましたね」

 

 坂めぐりで以前行った坂を通りかかったり、近くを辿ることもありました。というのは、最初は地図に坂名が載っている坂中心の坂めぐりでした。その後、日本坂道学会の「東京23区の坂道」に拠って範囲を拡大し、最後には坂学会の「東京23区の坂」への依拠に切り替えて、坂数が大幅に増えました。こうした過程を踏んだので、一度行った地域にもう一度足を運ぶことが多くなりました。 / Atelier秀樹

 

 2回目に行った時に、以前歩いた坂と再会するのは、なんか照れくさいような、嬉しいような感じでした。「あら、またいらしたんですね。ようこそ!」と笑顔で迎えられると、幸せいっぱいです。「再会のよろこび」をお互いに噛み締めました。「二度歩き」は好結果をもたらしたと思います。因みに、2回目に通りかかった坂は、当然のことながら、<坂めぐり>の数にはカウントしていません。

 

「相生坂」との出会いと再会 

 こういうハプニングもありました。地図に名前の出ている「相生坂」(あいおいざか) は一つしかなかったので、そこにしか行かなかったのですが、何ヶ月か後に坂学会の坂リストに当たったら、すぐ隣にもう一つの「相生坂」があることがわかりました。よく考えれば、地図上に「相生坂」という坂が一つしかなくても、相生坂」という名前から判断して、二つ坂が仲良く並んでいるだろう、と気づくのが当然だったかもしれません。しかし、私はそこまで配慮できず、結果として、すぐ隣のもう一つの坂まで足を運びませんでした。 

 何ヶ月か後にもう片方の「相生坂」に会いに行ったわけですが、「私に合わずに帰られたことを知って、寂しく思っていたが、よくぞ気がついてくれました。ありがとうございます」と歓待されました。坂巡りでのハプニングなどはいっぱいありますが、この時の感動は忘れることができません。もちろん以前に来た片方の「相生坂」にも立ち寄って再会を祝し、改めて写真に収め、その時の<坂めぐり>に、両方の「相生坂」をアップしました。 

 私はその日の坂めぐりが終わると、ゴールの駅近くで昼飯を食べたり茶店に入りました。お茶を飲んで休憩する意味もありますが、目的があるからです。それは、撮ってきた写真を点検し、整理するためです。帰宅後なるべくスムーズに、間違いなく、写真をアップできるようにするためです。

 

「蝉坂」との再会と「かふぇ蝉坂」との出会い

 11月15日の106回坂めぐりの最後が「モチ坂」でしたが、ゴールの最寄駅は京浜東北線の「上中里」でした。いつものようにラーメンでも食った後、喫茶店に入ろうとしましたが、ラーメン屋が混んでいたので、喫茶店で食事とコーヒーの両方を片付けようと茶店に入りました。その店の名前は「かふぇ蝉坂」でした。よく見たら、店の前の道路に「蝉坂」の標識が大きく出ていました。

 確か半年ぐらい前に歩いた坂だったと思い出しました。(帰宅後調べたら、3月13日の第33回坂めぐりでした)。その時は北区の坂めぐりだったので、その一つとして写真を撮ったのでした。「蝉坂」という素敵な名前は、8ヶ月前のことでも記憶に鮮明に残っていたのです。

 その坂にある喫茶店に偶然寄ったことになり、しかも店名が「かふぇ蝉坂」となっているのに、驚きと喜びを覚えました。「蝉坂」との再会と「かふぇ蝉坂」との出会いは奇跡的でした。こうした一種ハプニングこそ、坂めぐりの楽しさ、奥行きの深さでもあると考えます。

 

「川歩き」の川・橋との再会

 もう一つの「再会」は、何年か前の

「川歩き」で訪れた川や橋です。最終回(111回)の「和田の坂」では、石神井川蛍橋と再会しました。「川歩き」と称していますが、正確にいえば「川と橋歩き」です。都内の川歩きでしたが、その川のすべての橋の写真も収めています。『親川記』のタイトル(カテゴリーでも)で、このブログにアップしておりますので、ぜひご覧ください。 

 概して、川は低地を流れ、坂は山手に多いわけですけれども、今回の坂めぐりのあちこちで、以前歩いた川や橋に出会いました。此処でも「再会のよろこび」にひたりましたが、川(&橋)歩きも坂めぐりも、アウトスポーツとして楽しめるものです。坂は文字通り坂になっていますが、川はほぼ平坦とはいえ、「水は高きより低きに流る」で、その意味では非常に緩い坂には違いありません。どちらも、誰にでも直ぐできるアクションです。あなたも、如何ですか

 

『秀樹杉松』100巻2736号 2018-11-24 / 

hideki-sansho.hatenablog.com #376