<坂研究>まねごと~『江戸の坂 東京の坂』(横関英一著)を読む~(21)鼠坂(ねずみざか)と鼠穴
今日は鼠坂(ねずみざか)です。坂の形状だけでなく、実際にネズミが出てきそうですね。 / Atelier秀樹
江戸のは鼠坂(ねずみざか) という名の坂があった。それから、鼠穴と呼ぶ地名もあった。これらは、細くて狭く長い坂を言ったのである。『改選江戸志』は、「鼠坂は、至ってほそき坂なれば、鼠穴などという地名の類にて、かくいふなるべし」と解説している。とにかく、鼠坂も鼠穴も、ともに細長い道を意味していることは確かなようだが、鼠穴の方は行き止まりの袋町といったようなところもある。
現在、東京の鼠坂は、次の3箇所である
(1) 鼠坂
文京区音羽一丁目から小日向二、三丁目境を東へ上る細くて長い坂。
↑ 第95回秀樹杉松坂めぐり(2018.10.19 / 写真:Atelier秀樹)
(2) 鼠坂
港区麻布永坂町と麻布狸穴町との間を、北の方麻布飯倉片町(現、麻布台)まで上る坂。
<編注>すぐ近くに「いたち坂」「狸穴坂」(まみあなざか)もあります。
↑ 第3回秀樹杉松坂めぐり(2017.11.25 / 写真:Atelier秀樹)
(3) 鼠坂
新宿納戸町と鷹匠町との境を、北のほうへ上る狭い坂。
↑ 第88回秀樹杉松坂めぐり(2018.10.5 / 写真:Atelier秀樹)
また、鼠穴は次の4箇所である。
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『秀樹杉松』102巻2775号 2019-1-9/hideki-sansho.hatenablog.com #415