秀樹杉松

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橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ!』を読む(7) 「今こそ、政治的ケンカをする時だ!」

 

 この本は4章293ページから成っていますが、今日の (7)「今こそ、政治的ケンカをする時だ」第1章「沖縄問題に取りくむための心得」最終節です。第1章は40ページだけで、本書(293ページ)の14%にすぎません。文字通り「序章/序論」で、この先250ページも残っています。因みに、第2章は「こんな重要な沖縄だからケンカに勝てる」、第3章は「沖縄ビジョンX」、第4章は「沖縄ビジョンXを実現するためのケンカ道」です。

 この調子だと何ヶ月もかかるので、今後どういう運びにするか、頭の痛いところです。せっかく書き始めたので、注目すべき著者と著書であるだけに、工夫しながらの展開になると思います。何しろ、「大阪でのケンカ」と、大阪改革の実績を踏まえた提言ですので、できるだけ多くの方に、橋下氏の著作の内容を知ってほしいと願っています。 / Atelier秀樹

 

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⚫︎今こそ、政治的ケンカをする時だ

 武力行使はやってはいけない、という現在の民主主義のルールに基づいて沖縄の主張を、本土にある日本政府や国会議員に飲ませるには、武力行使に匹敵するぐらいの激しい政治的ケンカが必要なんです。

 

 本来は、大田實司令官の「県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」のメッセージを受けて、本土側が自発的に沖縄県民の納得度をさらに上げる努力をしなければならないところ、それが不十分だということであれば、沖縄は政治的ケンカを仕掛けるしかない。そしてそのようなことをやって、多少本土に迷惑をかけたとしても、大田實司令官の「県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」という言葉によって許されるでしょう。だから沖縄問題のスタートは、この大田實司令官の言葉を、日本国民全体で理解することだと先ほど述べたのです。

 

 いま、自分の地元に米軍基地を設置してもいいですよ、と積極的にいう本土の首長や国会議員は皆無です。それは本土の日本国民が、自分の地域に米軍基地が来ることに反対するからです。しかし日本の安全保障のためには、米軍基地が必要だと日本国民の多く感じている。そして。自分のところに米軍基地が来ることは嫌なので、結局のところ日本国民の多くは、沖縄に基地がとどまってくれる方がいいと本心では思っているんです。他方でそんなことを表立って口にすることはできないので、建前上、沖縄の基地負担を軽減しなければならないとキレイごとを言う。

 沖縄の基地負担を本気で軽減するなら、本土で基地を引き受けなければならないんですよ。

 

 全国知事会でも、いつも「沖縄の基地負担軽減を図らなければならない!」と政府に対する提言書をまとめるんですが、どの知事も自分のところで一部でも引き受けますは絶対に言わない全国知事会の「提言書」なんて知事たちに何の責任も発生しないので、キレイごとだけを好き勝手に述べています。TVコメンテータと一緒ですね。……沖縄の基地負担の軽減を提案するのであれば、その解決策まで示さなければならないのですが、全国知事会の提言書は、解決策を示すことなく、ただ「沖縄の基地負担を軽減せよ!」と口で言うばかり。これじゃ。ダメですね。

 

 この無責任な口だけの沖縄想いの姿勢は、本土の国会議員も同じです。本土の国会議員も、地元に米軍基地を引き受けますよと本気で考えているものは誰もいません。こんな政治の状況で沖縄はどうなるのでしょう? 少し想像してみてください。絶望的な状況になる……確かにそうかもしれません。

 

 だからこそ沖縄は、本土の日本政府や自治体の首長、そして国会議員に完全に頼り切ることなく、むしろ彼ら彼女らを相手に、政治的なケンカを仕掛けて、自らの力で沖縄の意思を通すしかないんです。米軍基地の負担から派生する、米軍・米兵絡みの様々な社会問題を抱えているというだけで、すでに最悪な状態とも言える沖縄の皆さんに、さらには本土の政治に対し沖縄問題を本気で解決しようという意気込みを感じず絶望している沖縄の皆さんに、こうした不幸で最悪な状況を沖縄自ら打破すべく、僕なりにひとつの実践的な提言をしてみたい

 

 沖縄問題と安易に比較することはできないと思っていますが、大阪にも大阪問題が山積していました。それらの多くは、日本政府や国会議員に単純にお願いするやり方では、なかなか解決に向かって進まなかった。このような場合に、日本政府や国会議員と政治的にケンカして解決させたことが少なからずありました。これは後章「4 沖縄ビジョンXを実現するためのケンカ道」のところで話します。

 

 この僕の経験を基に、沖縄が日本政府や本土の国会議員相手に、東京の政治舞台においてケンカをする方法の一案を、沖縄の皆さんにこれからお伝えしたいと思います。もし納得してくだされば、この方法を参考に、皆さんが玉木知事や沖縄の政治家をガンガン突き上げ、彼らを日本政府や本土の国会議員と激しくケンカさせてください(笑)。

 

『秀樹杉松』103巻2795号 2019.1.30/ hideki-sansho.hatenablog.com #435