秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

「令和」改元。坂学会「坂研究会」に備え、大田南畝『改元紀行』、ドナルド・キーン『百代の過客』を読む。「享和改元」(1801年3月19日)と「令和改元」(2019年5月1日)、118年後に「和」で一致しました!

 

 間もなく、新天皇が即位し、令和時代が始まります。

10日後の5月1日には、皇太子様が天皇に即位され、雅子さまが皇后になられ、新しい「令和時代」がはじまります。待ち遠しいですね。

 

さて、私は昨年の暮れに「坂学会」に入会し、学会の諸先輩と坂歩きや坂勉強会に参加していますが、来月の「坂学会研究会」は次のような内容です。

○テーマ:大田南畝改元紀行』と東海道の坂・峠

○講師:松本崇男 坂学会「坂研究会」座長(坂学会理事長) 

○内容(松本座長からのメール)

改元紀行』と他の文献との比較をしながら、南畝が歩いた東海道の坂について検証します。改元紀行』は、支配勘定役だった大田南畝が享和元年(1801)二月に、一年間の予定で大坂銅座詰となって赴任した際の東海道旅紀行です。

南畝はこの旅の準備に『東海道名所記』『東海道名所図会』『東海道分見絵図』などを読んでいたようで、東海道の坂について多くの記述が見られます。(名前のある坂 43坂+2)

改元紀行』に記載された坂のみを扱うため、『改元紀行』の読み方としては偏っています。本文に興味のある方は、以下を参考にしてください。

1、『改元紀行』は、大田南畝全集第八巻(1986年岩波書店刊)に掲載されています。

2、ドナルド・キーン著『百代の過客』(日記に見る日本人)(講談社学術文庫所収)でも『改元紀行』を取り上げています。短い文章ですので一読をお勧めします。(松本座長からの坂学会会員宛メール)

 

このほかメールには『東海道の坂一覧』が添付されています。これらの予備知識を踏まえた予習が促されています。松本座長の「研究会」は、このように充実したものになっています。早速に私も予習を始めているところです。

 

大田南畝改元紀行』 

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大田南畝

本号の目的は、次回の坂研究会で取り上げる大田南畝改元紀行』についてです。10日後には「令和改元」となりますが、大田南畝蜀山人)の著書にいう改元「享和改元のことで、今回の「令和改元と漢字が似ているので、私(Atelier秀樹)の注目を引きました。もう一つは、当時は辛酉革命に当たると改元しており、寛政13年2月5日(グレゴリオ暦 1801年3月19日)に享和と改元されたようです。改元された享和元年に任地の大坂へ旅立つ紀行なので、改元紀行』と名付けたのでしょう。

奇しくも2世紀を隔てて、同じ「和」のつく元号になりました。

 

ドナルド・キーン『百代の過客』(はくたいのかかく) 

松本先生からのメールにあった、ドナルド・キーン『百代の過客』(日記に見る日本人)を紀伊国屋で購入しました。講談社学術文庫で正・続2冊の文庫本で4千円でしたが、おかげさまで未読だった本書を読んでいます。坂研究はこのように、単なる坂研究にとどまらない勉強もできるので、坂学会に入ってよかったです。

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『百代の過客』ドナルド・キーン著)(講談社学術文庫

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『秀樹杉松』106巻2841号 2019.4.21/ hideki-sansho.hatenablog.com #481