

1ヶ月近く前の3月31日に新元号「令和」が発表されました。翌日の4月1日の本ブログで「令和」を聞いた最初の印象を「令息・令嬢・令夫人・令室・令閨などが頭をよぎり、そして、律令制と令外官も。」と書きました。
なにせ事前の報道は一切ない突然の発表だったので、その瞬間はどなたもいろんな感想を抱いたと思います。その日の夕刊に
「万葉集巻五・梅花の歌三十二種幷せ序」からの出典との詳細が報道されました。
→初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は背後の香を薫らす
そこで私は
「気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、、、」からの引用なので「淑和」(しゅくわ)とするのが自然でしょう。だが、「淑」は“読みやすく書きやすい漢字”という新元号の基準に適わないので?、候補から外された?(私見ですが)
と書きました。この種の報道は目にすることはなかったですが、私は今でもそう考えています。
政府の解説には「令月」はめでたいよい月だと強調されていましたが、初めて聞く国民は「そういうことですか、それはよかったですね」と思いました。確かにネットの諸情報ではそうなっています。
嘉辰令月(かしんれいげつ)=
めでたい月日のこと。「嘉辰」はめでたい日。「令月」はめでたい月。(四字熟語辞典)
嘉辰 / 佳辰=
めでたい日。よい日柄。よい日とよい月。(デジタル大辞泉)
嘉辰=
朗詠の曲名。「嘉辰令月歓無極…」という歌詞の歌い出しを曲名とする。古くは、「嘉辰令月」または「臨時客」とも題した。「和漢朗詠集」には、「祝(いわい)」と題するものの第1曲として収録されている。
因みに「れい」と読む漢字で私が好きなのは、「黎」と「嶺」です。
黎= 朝まだき。夜が開けようとしてなおまだ暗いこと。
黎明 =あけがた。夜明け。
嶺= 山のてっぺん。山の連なるもの。連山。
「令和」の幕開けが、新しい時代の「黎明」であるよう祈っています。
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『秀樹杉松』106巻2846号 2019.4.28/ hideki-sansho.hatenablog.com #486