駅ピアノ・空港ピアノ(NHKBSプレミアム)みる。そして<八十の手習い>を思う。
NHKテレビのニュースや報道番組は概ね視野の外ですが、さすがはNHK!と思われる他の番組は、しっかり視聴しています。最近は朝食時にNHKBSプレミアムで「おしん」(再放送)や「スカーレット」などをみます。「プレミアム」には他にもいい番組が目白押しで、“テレビみない私”もついつい取り込まれたりします。/ Atelier秀樹
たまに「駅ピアノ」とか「空港ピアノ」が出てきます。何だろうと思ってNHKオンライン(https://www.nhk.or.jp)で調べたら、次のように出てきました。
→ 空港・駅に置かれた1台のピアノ。世界中から訪れた人々が、思い思いに音を紡いでいく。どんな曲をどんな思いで弾いたのか。定点カメラで見つめる。
ピアノを全く弾けない私は、ピアニストを心から尊敬しています。新宿「うたごえ喫茶ともしび」や練馬「ふらっと b おんがくたいむ」へ時どき出かけて、歌(斉唱・合唱)を楽しんでいますが、主役の歌手・司会者だけでなく、ピアニストにも同等の注目と敬意を払っています。ピアニストの伴奏に導かれ、それに合わせて歌うのですから、お客とピアニストはいわば一身同体なのです。実際ステキな女性(失礼、男性もいますが)ばっかりですね!
さて、先日のNHKBSプレミアムの「駅ピアノ」だったか「空港ピアノ」で、ピアノ演奏を終えた年配の男性が「以前からピアノを弾けたらと思っていたので、定年を機にピアノを始めた」と語っていました。なるほど、誰もが「定年後何しようか?」と考えるようですね。
私もそうでした。自分は典型的な無趣味派。ゴルフや麻雀はできないし、旅行(金がかかる)にも縁がなさそうだから、定年後は何をするか真剣に?考えました。そこで頭に浮かんだのが歩くこと(ウォーキング)でした。金がかからない、自分一人でも、好きな時にいつでもできる。これなら間違いなくできる! そして実際に毎日歩き続けた結果、歩行距離が4万kmに達し、日本ウォーキング協会から「地球一周」の認定と表彰を受けました。
さて話は一転しますが、昔は<四十の手習い>とか<六十の手習い>とか言いました。上記の「定年を機にピアノを始めた」人の場合は、<六十の手習い>ですね。私の場合は<六十の歩き始め>でしょうか。
昔なら<還暦>で悠々自適の生活に入ったが、今は「何もしないわけにもいかない、何をしようか」の超高齢化社会。<六十の手習い>どころか、<七十の手習い>、いや<八十の手習い>時代を迎えたようです。
定年を過ぎると誰もが、ある意味自由を手にする。その自由を謳歌して「のんびり余生を送る」というのは昔の話。寿命が延びた現代では、70代は元気そのもので、“老いてますます盛ん”な人が多いのです。体力は多少落ち、足腰にトラブルも出てくるが、気力はまだまだの「後期高齢者」はゴマンと居ます。
65歳で高齢者の仲間入り(入門)、75歳になってやっと“一人前の高齢者”(後期高齢者)と見なされる社会になったのです。バスに乗ると高齢者が多いが、10年ぐらい前は「私80歳だよ」と自慢そうな声が聞こえたが、最近は元気な90歳前後と思われる女性も見受けます。
さて、斯く申す私は<後期高齢者>です。60歳で定年退職、古希で「子供の頃の想い出」に始まる、自分史を書き始めました。喜寿では、不定期刊の雑誌(のつもり)「Atelier秀樹ノート」を書き起こし、その後今の「秀樹杉松」に題名を変更しました。2360号までは紙印刷でしたが、傘寿の翌年の2361号(2017年8月11日)から、ブログ投稿に切り替え、ブログ「秀樹杉松」は今年1月9日号で600号に達しました。
全く意識してませんでしたが、八十路を越えてから新しいことに挑戦していたことに、最近気づきました。坂歩き(秀樹杉松坂めぐり)は、81歳(半寿)から82歳にかけてでした。坂学会に入会したのも、歌声と合唱を始めたのも82歳からでした。なおシルバー就業は15年前から続けています。
昨年は坂学会<坂巡検>で熊本へ。初めて飛行機に乗り、熊本に4連泊しました。田原坂と熊本市内の坂を歩き、熊本城、水前寺公園、阿蘇山、草千里ヶ浜、天草、などへも行きました。「ともしび」関係では、被災地支援活動に参加し、会津の只見線歌声列車に乗りました。いずれも初体験で、感動の連続でした。歌声列車乗客の最年少者は5歳、最高齢者は私でした。
「俺も少しは歳とったかな」と感じたりもする昨今ですが、大好きな「♪川の流れのように」の歌詞で、本稿を締めます。私が思うに、この歌はまさに「人生の讃歌」で、歌うときはいつも、感情を入れ、心を込め、高らかに、熱唱します。名曲そのものですね!
知らず知らず 歩いてきた
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷が 見える
でこぼこ道や 曲がりくねった道
地図さえない それもまた人生
ああ 川の流れのように
ゆるやかに
いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように
とめどなく
空が黄昏に 染まるだけ
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(写真撮影:Atelier秀樹)
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『秀樹杉松』112巻2962号 2020.1.20/ hideki-sansho.hatenablog.com #602