秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

門井慶喜著『自由は死せず』読みきりました。「明治の元勲・板垣退助、没後100年 その志を令和の世に問う長編歴史小説」(出版社の帯より)

 

 

私は一昨年(2018)、門井慶喜銀河鉄道の父』(158回直木賞受賞)を読み、本ブログ「秀樹杉松」(2018年4月1日号)に感想を投稿しました。その後『家康、江戸を建てる』も読みました。今回の門井慶喜『自由は死せず』は、門井さんの小説3回目ということになります。

慶喜は本名かどうか知りませんが、幕末と明治維新の時代に力を注いでいるように、私には見えますが、果たしてこの「慶喜」の名と関係あるのか、興味があります。

本書の表紙

f:id:hideki-sansho:20200131173112j:plain 

閑話休題。新刊書に接すると必ず、出版社によるカバー、帯に注目します。なぜなら、そこにはその本の内容などが、コンパクトに紹介されているからです。もちろん “売らんかな” のPRでしょうが、私はその本を買うときは必ず確かめています。それがオーバーな文章なのかどうかは、読んでみてわかるからです。

 

著者:門井慶喜さんのプロフィール(本書奥付より)

f:id:hideki-sansho:20200131173433j:plain

 

もとより、本項は出版社(双葉社)の宣伝では全くなく、一読者の感想の一端にすぎません。次に掲げるのは、本書の帯に印刷されているPR文です。読んでみた私の感想とピタリでした。ですから、本項のタイトルにも引用しました。(簡にして要を得た、さすが名案内文ですね)

「明治の元勲・板垣退助、没後100年 その志を令和の世に問う長編歴史小説

 

表紙の帯

f:id:hideki-sansho:20200131173642j:plain

さて、板垣退助といえば、「板垣死すとも自由は死せず」と、自由党結成などで有名です。しかしそれ以上となると、意外と知られていないのではないでしょうか。没後百年に『自由は死せず』を書いた著者:門井慶喜さんにまずは敬意を表します。

 

私は少しは高齢なので、いまの若い人たちよりは板垣退助のことは知っています。それと、専門が政治学なので、もしかしたら(専門が違う)同輩の皆さんよりは、いくらか詳しいかもしれません。

 

なにせ本書は、小説といっても、推理小説などではなく「長編政治小説なので、関心・興味がなければなかなか読み切れないかもしれません。かくいう私も(多忙が主たる理由ですが)読了に1ヶ月かかりました。そのかわり、幕末明治維新期の歴史の勉強にはなりました。

 

それと、「薩長」の人物中心ではなく、土佐藩高知県)が中心舞台なので、(歴史は常に勝者によって書かれる、と言われますが)勝者、すなわち薩長、特に長州側から見た歴史薩長史観)ではないので、落ち着いて読めました。

 

表紙の帯

f:id:hideki-sansho:20200131173316j:plain 

本書の内容にわたる感想は、省略して、表紙の写真と出版社のPR文の掲載にとどめます。正直いえば、読後感をまとめるのは容易ではなく(手に負えない?)、拙劣な私の文章より、現物に即した正確な LIVE情報 をお届けした方が懸命だと思ったからです。

 因みに、私は薩長の敵とされた東北出身者です。だからといって、偏見を持っているわけではありませんが、塩梅辛酸騒狸の言動を見ていると、なるほどなあ、あれが専制をほしいままにした長州の遺物かな、と思索を馳せたりする昨今です。

本稿に目を通され上で、現物(本書)をお読みいただければよろしいかと考えます。 

………………………………

<写真撮影=Atelier秀樹>

………………………………

『秀樹杉松』112巻2964号 2020.1.31/ hideki-sansho.hatenablog.com #604