『眠れないほど面白い「密教」の謎』(並木伸一郎著)を読む。~「空海 ー密教の超人の謎」、「本能寺の変 ー明智光秀の謀反に隠された謎」など、本当に面白い本です!
コロナ対策で強調された3蜜(密閉・密集・密接)で、2020年の漢字に選ばれた「蜜」。書店の新刊コーナーに<三笠文庫ベストフェア 雑学、、、>の本が、ズラリと陳列されていた。
その中の『眠れないほど面白い「密教」の謎』(並木伸一郎著)に目が行きました。
手に取って表紙を開けたら、「密教を日本に伝えた空海。超人伝説の真相とはーー?」と出てきた。二三日前のテレビで、空海の名が出ていたことを思い出した。これまで仏教関係の本はほとんど読んだことがなかったので、この際だから密教と空海を少し勉強してみようか、と思い立ちました。
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今回、密教とそれを日本に伝えた空海を読んで、知らないことばかりで、『眠れないほどおもしろい「密教」の謎』(書名) の通りでした。生徒や学生時代は、最澄(伝教大師/天台宗)と空海(弘法大師/真言宗)のことを学んだが、すっかり忘れかけていた。ひょんなキッカケから、空海と密教の両方を本で読むことになって、新年のスタートを飾った感じでよかった。
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小説の読書メモでは内容に言及しないことにしてますが、今回は研究書なので、ちょこっとだけ原文に触れます。
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「密教というのは、仏教の中で最も”謎めいた” 教えであるらしい。それもそのはずで、『秘密仏教』を省略したのが密教という言葉なのだ」(本書p.3)
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「密教がわからなければ、日本の歴史を真に理解したとは言えない」(p.4)
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「仏教にはオープンにできない”秘密の教え”があった」(p.18)
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「『顕教』とは、「秘密ではない教え」、「全てオープンにされている教え」を中心的な教義とする仏教ということだ。これに対して、「秘密の教え」というのが、すなわち ”密教” だ」(p.18~19)
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「歴史的に言えば、密教とは仏教の最新の教えであり、最終到達点の教えでもある」(p.20)
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「空海は今も瞑想したまま、高野山の奥の院で生き続けているのか?これは、日本密教の最大にして最秘奥の謎なのである」(p.114)
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「空海は自分の死をイエスになぞらえて演出し、日本に救世主の信仰システムを作り上げた、という見方も成り立ち得る」(p.116)
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「いろは歌(色は匂へど・・)の作者は、昔から空海だとされてきた」(p.119)
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「『本能寺の変』ー 明智光秀の謀反に隠された謎」(p.163~165)
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「明智光秀が実は生き延びていて、密教僧になったという説がある。それも、のちに徳川家康のブレーンとなった天海僧正こそが、光秀だったのではないかという説だ」(p.168)
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「もしも、天海僧正がほんとうに光秀だとしたら、真の戦国の覇者は明智光秀ということになるかもしれない。なにしろ、自分の俗世の姿を全て滅して、第六天魔王信長の野望を砕き、徳川を利用して、影の最高権力者たる”黒衣の宰相”となりおおせたのだから」(p.169〜170)
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「以後、260年以上にわたって江戸幕府を陰から支続けたのは、この天海による強靭な霊的防御システムだったのである」(p.170)
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写真:Atelier秀樹
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秀樹杉松』119巻3720号 2021.1.8/