秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

お化けの正体は?ー 花は草の?、化粧は女の?、化石は?、化身は?、訛(なまり)は?、囮(おとり)は?、貨は?、etc.

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花は素晴らしい

毎日散歩しているので、花を見つけるとスマホで撮影することが多い。花には以前から人並みの関心がありましたが、ただ見て「綺麗だな、なんという花だろう」の域を出ませんでした。写真を撮るようになってからは、花をよく観察し、同じ花でも日毎に(朝夕にもで)変化するのに、花に心を奪われるようになりました

 

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私は(もしかして人一倍)漢字に関心があり、漢和辞典はいつも3冊を手元に置いて、何かにつけて参照するようにしています。特に、その漢字の解字・原義に興味をもち、調べた結果は「なるほど、そういうことか」。

もちろんパソコンやスマホでも頻繁に調べますが、その字を本格的に知ったり確認したいときは、やはり漢和辞典」は最良の宝庫ですね!

 

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漢字「花」を調べる

という次第で、「花」という漢字を漢和辞典で調べることにしました。

漢字の「花」(くさかんむり)に化だから、「花は草が化けたもの」だという程度しか、理解説明できなかったからです。

 

「化ける」と言っても、「虎の仮面をかぶって虎に化ける」はわかるが、そもそも「化ける」とはなんなのか。「お化けが出る」と言われても、「お化け」の正体は、私にはまったくわからないのです。(園児に笑われるかな?)

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まず手始めに、漢字「花」について調べました。

 

(1)『学研漢和大字典

 

「花」の解字

 は、立った人が座った姿に変化したことをあらわす会意文字。(植物)+音符の会意兼形声文字で、つぼみが開き、咲いて散るというように、姿を著しく変える植物の部分

(交易によって何物にも変化するかね)などと同系の言葉。

 

「化」の解字

 金文の左は倒れた人、右は座った人。篆文の左は正常に立った人、右は、妙なポーズに体位を変えた人。いずれも両者を合わせて、姿をかえることを示した会意文字

 

「化」の音訓       化ける 化かす

「化」の意味   かわる姿をかえてもとと違った形になる

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!2)『角川漢和中辞典』

◉「の解字 人とさかさまになった人とから成る人がまったく変わるの意。ひいて、物が変わるの意。

◉「の字義 かわる・かえる ばける・ばかす

 

 

(3) 「化」を含む言葉(『学研漢和大字典』による)

 

 俗化、退化、消化、転化、変化、鈍化、強化、浄化、教化、軟化、硬化、酸化、権化、深化、進化、感化、風化、帰化、悪化、化合、化石、化者、化身、化粧、化物、化学、化工、化成、花、囮、訛、貨、訛、etc.

 

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(4) 用例(同上)

 

(おとり)=姿をかえて相手をだます 

(なまり)=本来の姿をかえて発音

=様々なものにかえることのできる金銭。貨幣

帰化=国籍をかえる

化石=枯死した動・植物が土の中に埋まって石となったもの

化者=死者、変化するもの  

化身(けしん)=神仏が姿をかえてこの世にあらわれる

化粧(けしょう)=紅や白粉などをつけて顔を美しく飾る

(注)

 化粧の「粧」の字がもう一つあり、その字は「片」という字を左右逆にした字の右側に「女」が入った字です。化粧は「女がするもの」が原義のようで、「女が化けるのが化粧」と言えるのです。

 

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写真:Atelier秀樹

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『秀樹杉松』122巻3765号 2021.4.8/ hideki-sansho.hatenablog.com #805