秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

本郷和人著『北条氏の時代』を、感動の裡に読み終えました。いい勉強になっただけでなく、NHK大河『鎌倉殿の13人』を楽しんでいます。

 

学校で鎌倉幕府を勉強し、源頼朝義経の名を叩き込まれ、実朝・公暁も辛うじて思い出します。北条氏も出てきたが、「執権」という名前以外はあまり覚えていません。

NHK大河ドラマで、その北条氏が取り上げられるので、ぜひ視聴したいと思っていたところ、新聞広告で本郷和人著『北条氏の時代』(文藝新書)を知り、すぐ入手して読みました。今年は大河ドラマ本郷和人『北条氏の時代』で、勉強しながら楽しみたいです。

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本書の「はじめに」で、著者の本郷和人は次のように書いています。

「二〇二二年一月から、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まります。この時代をテーマにした大河ドラマは二〇一二年の平清盛以来です。『平清盛』では、私も時代考証でお手伝いしましたが、やはり大河というと、戦国時代か幕末が強い。鎌倉時代はどうしてもマイナーなイメージがつきまといます(今回の大河で、そのイメージが少しでも改まることを期待したい」(p.3)

鎌倉時代を専門とする私としては声を大にして言いたい鎌倉時代こそ、日本史の大きな転換点であると同時に、ドラマティックな面白い時代でもあるのです。まずこの時代に、武士が日本史の新しい主役として登場します。朝廷を中心とした従来の支配体制に対して、彼らは軍事力によって、自分達の権利を認めさせていきました」(p.3)

「もう一つの特徴は、それが東国に基礎を置いていたことです。近世以前の日本の歴史は一貫して西高東低です。先進地域の西国が、遅れた関東・東北を従えるいう構図に対し、源頼朝は鎌倉を拠点とする政権をつくり上げました」(p.3)

「そして初めは関東ローカルの存在に過ぎなかった鎌倉幕府が、承久の乱元寇などを経て、全国的な政権へと成長していったのです。つまり、鎌倉時代は、日本史の舞台を大きく東へと拡大した時代でもあるのです」(p.3~p.4)

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鎌倉時代を中心とした日本中世史が専門」(プロフィール)の著者 ・本郷和人氏による、最高の本です。みんなで読んで、大河『鎌倉時代の13人』も楽しもうではありませんか。

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<写真> Atelier秀樹

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『秀樹杉松』127巻3879号 2022.1.16 hideki-sansho.hatenablog.com #919