↑ 村上春樹『女のいない男たち』(文春文庫)表紙帯
◉今朝(4/10)の『朝日新聞』の2面下段に、
村上春樹『女のいない男たち』の広告が大きく躍っている。アカデミー賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」の広告とペアで。
本の広告には「100万部突破!」「映画原作」とあり、映画の広告には「国際長編映画賞受賞!」「絶賛上映中」とある。
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◉実を申せば、私は2週間前の3月末に、村上春樹さんの『女のいない男たち』(文春文庫)と『ねじまき鳥クロニクル』(新潮文庫)を入手して、読んでいるところです。新聞広告を見た当日か翌日でした。今日の新聞広告を読んだ人も、おそらく書店に駆け込むことでしょう。
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◉本書カバー記載によれば、村上春樹氏の受賞歴は以下の通り。
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群像新人文学賞、野間文芸新人賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞、桑原武夫学芸賞、フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、朝日賞、坪内逍遥大賞、エルサレム賞、毎日出版文化賞。<註>芥川賞、直木賞を受賞していないのは、不思議ですね。
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「当館は、文学資料館であり、また文化交流施設です。
『村上春樹ライブラリー』の通称に示されるように、刊行された村上春樹作品をすべて―日本語・日本語以外のものを合わせて―所蔵しています。幅広い関連書と合わせて、ギャラリーなど閲覧スペースでご覧いただける蔵書が3000冊(2021年10月現在)あります」(以下略)
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◉ちなみに、『女のいない男たち』(文春文庫)には、以下の6作品が収録されています。
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○ドライブ・マイ・カー ○イエスタディ ○独立器官 ○シェラザード ○木野 ○女のいない男たち
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◉映画化もされ、第94回アカデミー賞の4部門(作品賞・監督賞・脚色賞・国際長編映画賞)にノミネートされた。作品賞は日本映画として初。
映画『ドライブ・マイ・カー』
○出演:
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◉村上春樹は優れた作家・文学者でしょう。だけど、私個人は、今ひとつ距離感を禁じ得ない。誤解のないようにいえば、その作品のテーマ、用語に親しめないからに過ぎず、作家そのものを指してはいません。しかし、作品は作家から生まれるのだから、作家とは無縁ではないでしょう。
◉本稿で取り上げている『女のいない男たち』が、ある意味象徴的です。文字通り「男と女」いや「女と男」がテーマです。人間は男と女(女と男)からなっているのだから、これは小説・文学の永遠の変わらざるテーマかもしれません。その意味では、村上さんは真正面から「人生」「人間社会」に取り組んでいるのでしょう。
◉そのことを前提としつつも、小説の表現があまりにも直截なのに、私(高齢者)はどうしても付いていけないのです。
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性欲 性的関係 性行為 性交 セックス、などの言葉が頻繁に出てきます。特に「セックス」が。驚いたことに「ペ x x」まで登場。
◉女性や若者のファンが多いそうですが、あるいはこれがためでしょうか?しかし私は、大きな違和感を覚えるのです。
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写真:Atelier秀樹
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『秀樹杉松』129巻3913号 2022.4.10/ hideki-sansho.hatenablog.com No.953