秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

学校の”留守番”の思い出~「施設管理だより」から (3)

 

 

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<編集註>

シルバー就業「学校施設管理」の思い出(3)をお届けします。ご高覧いただければ嬉しいです。

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『施設管理だより』第33号(2006.12.4)

 

ことしも、はや師走

 

 ○“もう師走か。辞書を引くと、「陰暦十二月の異称。極月(ゴクゲツ)」とある。本来は旧暦の12月なので、時期的には今の1月に相当するが、“極月”がいかにも年の終わりを指しているようだ。実際には、今の12月を一般に師走と言うので、『広辞苑』や『新潮国語辞典』では、その旨も書き添えている。

 

 ○『国語大辞典』(小学館)では、“語源未詳で「師走」は当て字”とある。だから、解釈や解説は一様ではない。通説の一つに従えば、師走るだ。I先生方も大いに走って下さい。小生は、普段通りの歩き(ウォーク)を続けるだけ。

 

近づく、駅伝大会

○走るといえば、「区中学校対抗駅伝大会」が12月10日(日)午前、和田堀公園で開催される。今朝善福寺川を散策したら、復路にあたる善福寺川沿いに、大会の幟が既に50数本立てられていた。小生はこれまで数回応援に駆けつけたが、顔見知りの生徒が懸命に走るのを見ると、ついつい大声をあげたくなる。

 

学校開放物語 (3)

 ○学校利用団体の年末懇親会があり、われわれ施設管理3人も参加した。自己紹介がてら何かあったら遠慮なくどうぞ、と言われたので、日頃感じていることの一端を話した。

 ①我々“警備”は、皆さんが気持ちよく利用できるよう、お手伝いする立場にある。同時に、みなさんが適切に使用しているかどうか、報告書の「利用状況」欄に、記入する立場にもある。「不良」とは書きたくないので、問題あれば注意を促すので、よろしくお願いしたい。

 

 ○地方から上京しているという一学生から、こんな話がありました。

→「東京では学校に警備がいるのでビックリした。地方の学校には居ないので、防犯のため職員が電気をつけたまま帰宅している。だから、光熱費が嵩んで困っている」。

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『施設管理だより』第34号(2006.12.18)  

 

I 中の未来は明るい

 ○『I中だより』に、S副校長の「試練をのりこえて大きくなろう」が載っている。君子蘭の栽培と生徒指導の共通性に触れながら、深みのある指導論。さすがベテラン副校長

→「教師が生徒一人一人をよく観察し、その生徒に適した指導の内容、方法を見つけ、手をさしのべ、支え、見守ってやることがとても大事であると考えます。」

 

"笑う鬼"には、福来たる

 ○子供の頃、何かと言えばすぐ「モーコが来るよ」「オニにつかまるよ」とか言われ、怖い思いをした。今の時代、蒙古が怖いのは、朝青龍に勝てない日本の力士ではないか。

 

 ○見るからに恐ろしい形相の鬼は、考えてみれば気の毒だ。笑った顔を見せてはいけないからだ。その鬼も一年に一度、年末には「笑っていいとも」と認められている。約束通り、笑わせることにしよう。題して、“笑う鬼には、福来たる”

 

“07年問題”の波紋

 ○来年の大きな話題は、団塊世代の定年がもたらす「07年問題」だ。もろに影響を受けるのが「シルバー人材センター」。大量に放出される団塊世代の、受け皿の一つに期待されているからだ。学校関係や自転車関係など、従来は無かった就業期限が定められ、受け入れ態勢がつくられた。

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『施設管理だより』第41号(2007.3.1)

 

いよいよ3月、“別れと巣立ち”の季節だ

 ○きょうから3月だ。2月が短いせいもあるが、3月が巡ってくるのは毎年早い。

3月を「弥生」ともいうが、厳密には「弥生」は旧暦の3月の称だ。きょう3月1日は、旧暦では1月12日に当たる。まだ「睦月」であり、「如月」にもなっていない。

 

 ○閑話休題。われわれ施設管理も、'07年問題への対応がらみで、今年度で大部分の人が「任期切れ」となる。円滑な業務態勢を崩さないため、一斉に辞めることはなく、多少のズレ込みは想定されるが、早ければ、3月一杯で辞める人が出る可能性もある。

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『施設管理だより』第42号(2007.3.15)

 

 防犯カメラ設置など、警備体制が強化

 ○校内数か所への防犯カメラ設置、インターフォン取り付けなど、本日3月15日から警備体制が整備された。中学校への「警備員」配置はないが、これで「機械警備」の体制が強化されたことになる。

 

 ○職員室や事務室、主事室などでの対応もさることながら、われわれ「施設管理」の仕事への影響も当然出てくるに違いない。何はともあれ、学校が安全・安心な場所になって欲しいものだ。

 

近づく、卒業式

 ○卒業式も数日後に迫った。「施設管理」マンも、都合のつく人は毎年卒業式に参列してきた。1年後の卒業式に出られる人は限られるので、“最後の卒業式”になるメンバーが多い。

 

 ○昔の卒業式とはがらりと様相が変わり、驚くこともあるが、いつの時代でも卒業式ほど感動を覚える儀式はない。教師でもなく、生徒との接点が少ない我々だが、それでも別れるのはさびしい限り.。高校生として、新しい世界に羽ばたいて欲しい。

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『施設管理だより』第43号(2007.3.22)

                                

第48回 卒業式 

 ○東京の桜開花宣言の3月20日、生徒59名がI中学校をめでたく卒業した。「進路状況」によれば、全員が高等学校へ進学する。実はこの日小生は体調を崩し、卒業式参列ができなかった。卒業生の晴れ姿を見られず、校門での見送りもできず残念でした。                  

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『施設管理だより』第45号(2007.522)

 

大型連休終わる

 ○5月初めの4連休が終わった。多くの人が連休をエンジョイしている時こそ、われわれ施設管理の“活躍の場”だ。現役を引退したシルバーにとっては、働けることは大いに幸せなことだ。

 

東京国際スリーデーマーチ(ウォーク)

 

 ○連休恒例の第12回「東京国際スリーデーマーチ」が小金井公園をスタート・ゴールに、5月3日~5日開催された。三日間とも好天で延べ59,836人(1日平均19,361人)が参加した。コースは5K,10K,20K,40Kの4つで、20Kコース参加者が圧倒的に多く、半数近くに及んだ。

 

 ○小生は初日は夜就業なので、20Kコースに参加し、帰宅後夕方の5時から本校に出勤した。二日目は空いていたので、40Kコースに参加して“完歩”した。小金井公園にゴールしてからの缶ビールと焼き鳥の味は格別だった。最終日は早朝から正午まで就業だったので、参加はあきらめ「仕事に専念」した。

 

宵のランデブー ~ 金星と三日月の大接近

    

 ○昨5月20日(日)午後8時半過ぎ。巡回で屋上に上がったら、神田川の方向(北西?)に金星(宵の明星)が輝いている。その直ぐ左上には三日月が見える。まさに“宵のランデブー”だ。月の上には「ふたご座」の双子兄弟“カストル”と“ポルックス”が仲良く光っている。何とも素晴らしい光景に出会った。だから、施設管理はやめられない!

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『施設管理だより』第48号(2007.9.23)

2007年、夏の思い出

 ○猛暑が続きました異常気象も極まった感じで、列島を震撼させた。「施設管理」にとっても、今夏は何とも悩ましい季節でした。エレベーター故障・停止、キューピクル工事・停電、シャッター降ろせない、セコムのシステムダウンなどが相次いだ。

 

出処進退

 ○参議員選挙が行われ、“出処進退の妙”と“一寸先は闇の政治”を痛感した。

 

続投

 ○参議員選挙の大敗にもかかわらず、安倍首相が民意を無視した無理な“続投”。その後の、当然の展開/政権投げだし。

年も年だし

 ○福田康夫氏は、1年前の“ポスト小泉”には立候補しなかった。その時のセリフは「年も年だし」だった。これに引っかけて、それから1年後に立候補するのはケシカランと言う人がいたが、言いがかりだろう。

 

 ○同じ派閥から戦後生まれの安倍氏が立候補するので、先輩の福田氏は「年も年だし」と、自分の高齢を理由に若い人に道を譲った。世の中によくある、微笑ましい風景だった。若い人が先輩をたてる時、「自分は若輩なので」とやはり年齢を理由にする。これもよくあることだ。トシを理由にすれば、誰を傷つけることもないからだ。

 

 ○もしも安倍晋三氏が、1年前のポスト小泉選挙の時に、「自分は年が若く、経験も不足なので、福田さんお先にどうぞ」と先輩をたてていたら、どうなっていたか。

 

福田康夫氏、総裁・総理に ~「夢」実現  ~

 

 ○今から2年半前、PTA広報誌の教職員紹介号で、小生は「福田赳夫氏は夢実現。康夫氏はポスト小泉の名前の最後にやっと出てくる」と書いた。その康夫氏も、いよいよ「夢」実現だ。

 

非常時/推されて立つ

 ○「非常時だから、受けて立つ」「推されたから、立候補する」~福田さんらしい言い方に、難癖をつける人がいる。「俺が、オレが!」と立候補したり、声高に叫び、みえみえのパーフォーマンスする人だけでなく、落ち着いた雰囲気の政治家が総理総裁になるのも、良いことではないでしょうか。

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『施設管理だより』第49号(2007.10.9)

 

「青春」とは?

 

 ○高校・大学・就職時代の55年間を対象に『青春の追憶』を執筆した。つまり小生にとっては、高校入学の年から定年退職の60歳までが“青春”だったからだ。“あとがき”において、その理由を「青春と青春時代は同じではない」と記した。

 

 ○ところが、ゲーテの名言に触れて、俺の言いたかったことはコレだ、と合点した。やはり天才は、考えること、そして表現する力が抜群だ。ゲーテの言葉に従えば、60歳どころか今なお、小生は“青春”の真っ直中にある。

 

さらば、白犬

 ○最近になって、隣家の倉庫が建てられた。問題の“猛犬”と一線が画されてホットしている。単なる模様替えか、我々の苦情が届いたからなのか、知らない。先日体育館ギャラリー巡回中に、開いている窓から隣家の方を見たら、それに目聡く気付いた白犬の眼と小生の眼が合った。さすが番犬だ。

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『施設管理だより』第50号(2007.10.23)

 

合唱コンクールと舞台発表

 

 ○10月19日(金)、三鷹芸術文化センターでの文化発表会(合唱コンクール/舞台発表の部)に行って来た。毎年のように足を運び、生徒たちの熱演に感動を覚えているが、今年は特に優秀だったような気がする。小生の“思い入れ”だろうか。

 

合唱の部

 ○校長先生のお話で、拉致被害者横田めぐみさんの中学生時代の合唱(「流浪の民」の独唱?)に触れられたが、小生もその放映を観たことがあるので、共感した。3年B組の『心の瞳』の合唱は、掉尾を飾る素晴らしいコーラスだった。「優勝」は当然の評価だろう。

 

 ○今年の合唱コンは、全体的に声が良く出ていたし、ちゃんとした「合唱」になっていた。生徒たちの堂々たる合唱に“聴き入ってしまった。服装も適当であったような気がする。「合唱」は、気持や服装がバラバラではうまく行かないような気がする。

 

舞台発表の部

 ○「PTA和太鼓」の演奏は、大変に素晴らしかった。今までの最高だったと言える。5人の合奏、各人の独奏、どれも高い水準に思えた。普段夜遅くまで練習されているのを知っているだけに、見事な演奏に感動した。

 

 ○「英語科オーラル」も、良かった。英語はやはり難しいですね。「PTAコーラス」はきれいにまとまっていた。先生方も参加した「混声コーラス」は、みなさんの声も良く出ていて、安心して聴けた。(失礼)

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『施設管理だより』第51号(2007.11.24)

 

書く- 読む

 ○この『だより』も、いつの間にか50号を超えた。I 中では毎月のように各種の広報紙(誌)が出されているが、どれも内容が良く、示唆に富んでいる。小生は毎号愛読している。

 

 伊豆大島の海

 「歩きたくなる道500選」の“伊豆大島ふるさと村コース”を歩いてきた。夜行日帰り、55年振りの船旅。大島の海は群青そのもので、広大な水平線はかすかな丸みをこえて“はっきりと分かる丸み”だった。初めての大島は、小生には感動の別世界に見えた。

 

かぐや姫は生きていた?

 ○「かぐや」から送られた地球の写真を見て、美しさと「円い地球」を実感した。“美しい地球”を守らねば。あの映像は「かぐや姫」が送ってくれた!?

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『施設管理だより』第52号(2007.12.3)

 

“師走”なのに、生徒が走る

 ○小学低学年の頃小生は、運動会の「徒競走」を“生徒の競争”だと思った。そのレヴェルでいうと、「師走」は“先生が走る”筈なのに、“生徒が走る”とは何となく面白い。...........................................................................

 

 

『施設管理だより』第54号(2007.12.11)

 

冬の夜空に酔う~元天文少年、心のときめき~ 

 ○空の魅力は「天文少年」時代も、シルバーの今も変わらない。学校施設管理の仕事は、早朝や夜の就業が多いので、小生には有り難い。学校への行き帰りだけでなく、巡回コースの屋上で、天体観測できるのも“役得”といえる。施設管理「至福の時」だ。

 

夜明け前の媾曵~金星(暁の明星)と月(下弦の三日月)~

 ○12月6日、朝6時。就業のため家を出たら、東の空に暁の明星と下弦の三日月(二十六夜月)が、近くに仲良く並んでいた。暁のランデブーだ。巡回で7時過ぎに屋上に出たら、昇りきった太陽の光に消されて見えなくなっていた。

太陽と月 

 ○上弦の三日月は日没後西の空に見えるが、間もなく太陽を追いかけるように沈んで姿を消す。対照的に下弦の三日月(正確には二十六夜月。三日月を裏返した形)は、日の出前東の空に太陽に先駆けて姿を現すが、間もなく旭日に消されて見えなくなる。太陽と三日月は、いわば、“主と従”の関係だ。

 

 ○同じ月でも満月は、太陽が西に没した後に対極の東の空に現れる。終夜太陽に代わって地球を照す。夜は満月の独壇場だ。太陽の代理なので、こちらは“正と副”の関係だ。

 

月の満ち欠け 

 ○月は神秘的だ。満ち欠けがある。満ち欠けといっても、地球からの見かけの区別に過ぎず、月自体は紛れもなく円球の天体だ。そこが面白い。もし、月に満ち欠けがなかったなら---。 月は自らは光らないが、太陽の光で輝く。人も斯くありたい?

 

金星と火星 

 ○12月10日、朝6時前、朝の就業に向かう。あたりは真っ暗。東(南寄り)の空に金星が白く輝いていた。反対の西方には、双子座のきょうだい星の近くに火星が赤々と光っていた。月がないので、二つの惑星が暁の空の主役を分かち合っている。

 

 ○帰宅後ネットでAstroArtsにアクセスしたら、目下火星が地球に大接近中で、「19日午前3時ごろ、最接近する」とある。成る程、今が火星を観測する絶好のタイミングだ。

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『施設管理だより』第57号(2008.1.28)               

 

冬、好きですか?  ~真冬の特集~

 ○四季それぞれの良さがあるが、寒い冬は一般には何となく、早く終わって欲しいシーズンに思われているようだ。7月生まれの小生は、やはり暑い夏が好きだ。しかし、冬が嫌いということではない。雪国で生まれ育ったせいもあり、都会では歓迎されない雪が好きで、“喜んで庭を駆け回る”犬と同じ。

 

半月/金星/北斗七星

 ○冬至を過ぎたが、朝5時台はまだ暗い。1月28日(月)6時少し前に家を出た。西の方には下弦の半月が淋しそうに光っている。上弦の半月とは見た感じが違う。東の地平線の上には“明けの明星”が、小さい太陽のような光彩を放っている。なかなか好対照だ。

 

 ○北を見やれば、北斗七星がちょうど斗(ひしゃく)の柄の部分を真下にした形で、月明かりに消されることなく、はっきりと確認できた。誰でもが覚えている星。北極星の周りを回るため、時の経過で向きが変わって見えるが、七つ星からなる斗形そのものは変わらない。だから、北極星を見つけて北の方角を探す上で、古来大きな役割を演じている。

 

朝焼け富士

 ○屋上に出たら、雪化粧した富士山がうっすらと赤みがかって遠望される。夕方も綺麗だが、朝焼けの富士山は何ともいえない。雲が少しあって、蛭ヶ岳から大山へ連なる左手の丹沢山塊は隠されているが、反対側の加入道山、大室山はしっかり見える。なお、高層ビルが建ち、屋上からでも丹沢方面が全部は見られなくなったのは淋しい限りだ。

 

スケートできる?屋上プール

 ○屋上のプールの水が氷結している。手で叩いてもビクともしない厚さだ。スケートができるかも知れないほどだ。面白いことに、グラウンドから飛んできたと思われる野球ボールが2個、上半分が覗いている。珍妙な光景だ。因みに、家庭科室裏の小池も氷が張っている。

 

書き初め展

 ○冬は正月でもある。校内には、生徒たちが精魂を込めて書き上げた書が展示されており、いずれも力作ばかりだ。区役所での区内書き初め展もみてきた。本校生徒の作品は良くできていた。

 

朝の挨拶

 ○正門で生徒の登校を迎える。「お早うございます」の挨拶交換は“交歓”でもある。寒いので、その都度吐く息が白い。やはり冬だ。朝日も当たらない。元気な挨拶で今日も始まる。寒さで心が引き締まる。だから、冬は好きだ。

 

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写真:Atelier秀樹

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『秀樹杉松』131巻3958号/2022.7.12/ hideki-sansho.hatenablog.com  No.998