<編集註>
ブログ『秀樹杉松』も号を重ね、本稿でNo.999を迎えることになりました。次号が大台の「千号」ということに、驚いています。
さて、999=三9=サンキュー=Than you ですね。
感謝の気持ちを込めてお届けする「施設管理だより」No.4(完結号)には、最終号の第58号が含まれており、小生の「ありがとう I 中 学 校 さようなら」で締めくくられています。御読みいただければ、望外の幸せです。
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『施設管理だより』第58号(2008.3.10)
◉時は春、そして、、、
【春の誘いと、冬の名残】
○「桃の節句を過ぎてなお、弥生の空は、春の誘いと、冬の名残に揺れているようだ。人の思いも、どこか似ている。例えばこの季節の旅。春を迎えに南へ行くか、冬を追って北へ向かうか。楽しくも心迷うものがある」(朝日新聞 ’08.3.9「天声人語」)。
○久しぶりで、名文に接した思いだ。今の季節感、実に言い得て妙。これに続く文章も素晴らしい。大学入試の問題に最適?
【仰げば尊し 我が師の恩】
○春三月は卒業、巣立ちの月でもある。間もなく卒業式だ。
♪仰げば 尊し 我が師の恩 / 教えの庭にも 早や幾年
思えば いと疾し この年月 / 今こそ 別れめ いざさらば
○これまでも書いたが、こんな感動的な名曲を、なぜ卒業式に歌えない(聴けない)のか。本当に残念だ。
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『施設管理だより』第59号(2008.3.24)
◉未来信じて飛び立った52名
○ I 中の第49回卒業式が、3月19日に行われた。厳かで感動的な式典であった。
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♪「勇気を翼にこめて希望の風にのり」「いま、別れのとき 飛び立とう未来信じて」(『旅立ちの日に』)、52名が元気に巣立った。♪「育て 明るく すこやかに」(『 I 中校歌』)と祈るばかりだ。
○卒業証書授与の場面は、最も感動的だった。卒業生は♪「過ぎし日思い出して涙があふれてきた」のだろう。そして、♪「いくつもの場面が心をかけめぐる」(『流れゆく雲を見つめて』)を噛みしめたに違いない。
○その感動がひしひしと伝わってくる。先生方も涙ぐんでおられる。卒業式場のあちこちから、すすり泣きも聞こえてくる。小生も、年甲斐もなく?涙が止まらず、ハンカチがぐしょ濡れになった。
○『仰げば尊し』は歌えなかったが、『蛍の光』を万感の思いを込めて歌った。I中は生徒の読書に力を入れており、卒業文集にも3年間の読書冊数が記載されている。「書読む月日、 重ねつつ」「明けてぞ今朝は 、別れゆく」は、卒業生の実感だったと確信する。
◉高校入学、おめでとう!
○「学事報告」によれば、卒業した52名は、全員高校等に進学するそうだ。生徒会や部活で活躍していた2名に「高校はどこですか」ときいたら、一人は豊多摩、一人は富士との返事。旧制府立の名門校だ。おめでとう。両校は息子、娘の母校でもあるので、殊更嬉しかった。
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『施設管理だより』第61号(2008.4.8)
◉始業式(4月7日)
W校長先生の「ことば」(要旨)
○三つの教育目標(知の泉・和の泉・力の泉)の「和の泉」のように、他の人に思いを寄せ、やさしい心の豊かな人になって欲しい。一生に一度の中学生活、チャンスを生かして成長し、ハートの熱い人になって下さい。一緒にやっていきましょう・・・。
*分かりやすく説得力があり、生徒に親しく語りかける、初陣を飾るに相応しい立派な「ことば」であった。何よりも、明るさと優しさを感じた。学校の雰囲気も変わるかも。
◉入学式(4月8日)
校長式辞 / W校長先生
○本校は創立49周年を迎えた伝統ある学校。校章には、教育目標(知・和・力の泉)、あるべき理想の姿、将来立派な社会人となってほしいとの願いが込められている。校章とともに、誇り高き生活を送ってほしい。
○中学入学は人生の大きな節目、自分を成長させるチャンス。義務教育の最後、大人への第一歩だ。学校行事、委員会・部活動などで、自分を鍛え、磨き、成長してほしい。
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『施設管理だより』第62号(2008.4.24)
◉おいしい ” I 中ブレンド”(知+和)
○職員歓送迎会に出席する機会を与えられたので、喜んで参加した。役所や会社のそれとは少し雰囲気が違い、学校教職員らしい“知的レヴェル”を感じた。
○歓送・歓迎のセレモニーも事務的ではなく、心のこもった和やかなものだった。アンネの薔薇の取りもつ縁も、聞いていて気持ちがよかった。何よりも「知」と「和」がブレンドされた “ I 中学校のコーヒー” が、一番のご馳走であった。忘年会も出たいなア。
◉間も無く“シルバー・ウィーク”
○4月の終わりと5月の始めは、ゴールデン・ウィークだ。今から楽しみにしている人も多いだろう。われわれ施設管理にとっては、年に一度の心の躍る時期だ。なぜなら、この期間は思いっきり就業し「働ける喜び」を実感できるからだ。(やせ我慢ではない)
○若い人や現職のサラリーマンなどがゴールデン・ウィークを楽しんでいる間、われわれは留守を預かって働く。そこに喜び・生き甲斐を見つけると言ったら不思議に思われるかも知れないが、シルバーとはそういうものだ。ゴールデン・ウィークのような輝きはないが、燻し銀のようなシルバー・ウィーク。
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『施設管理だより』第63号(2008.5.13)
◉頼もしい生徒会
○ I 中の生徒会は、歴代よい活動をしている。登校時に玄関で「お早う」とみんなを迎える“あいさつ運動”や“朝清掃”など。“朝清掃”にはボランティアの参加が多く、ゴミの中ではタバコの吸い殻が多いそうだ。ポイ捨てには、困りましたネ。
◉「夜スペ」の波紋
<編註>「夜スペ」は、都立の進学重点校や私立の中上位校を目指す生徒を対象とした、1年間の特別授業(benesse.jp)
○W中での「夜スペ」が始まった。おそらく賛否両論があるだろうが、事実は進行しているようだ。5月11日の『朝日』朝刊の第1面の記事に驚いた。
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「夜スペ」個別補習も W中 希望者全員に指導
○これでは、宣伝効果が大きい。ますます、W中に殺到するかも。因みに、シルバー仲間からの情報だと、「夜スペ」の終了時刻が遅いため、当該日(夜は週3回)の夜の就業時刻が30分延長され、夜10時半までの勤務となったそうだ。
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『施設管理だより』第64号(2008.5.19)
◉<緊急警報> カラスに注意!
~施設管理員、相次いで襲われる〜
○カラスの子育ての季節だろうか。屋上巡回の施設管理員がカラスに襲われている。以前は、隣の小学校から本校へ通じる道路で襲われたものだが、今年は屋上に造巣でもしているのだろうか。
○先ず、小生の体験を記そう。5月17日(土)午後の巡回で教室棟の屋上に出たら、硬式テニスのボールが1個落ちていた(校庭から飛んできた?)ので、拾おうと思って校庭側に近づいていった。その時、屋上にとまっていた一羽のカラスが、何か意味ありげな啼き声(「外敵が来たぞ!」?、または「威嚇」?)を発した。
○先日同僚がカラスに襲われたと聞いていたので、「ははーん、敵現るの合図かな」と思って注意したが、ボールを手にして出口の方に引き返すやいなや、突然背後から頭すれすれにカラスに急襲された。
○おそらく、どこかに隠れていたもう1羽が、仲間(配偶者?)の合図の啼き声を受けて、小生を急襲威嚇したに違いない。帽子を被っていたからよかったが、恐い思いをした。
○これには、第二幕がある。校舎の巡回を終えて、いつものように校庭を見回わり「今日も異常無し」と校庭を出ようとしたら、いきなり先刻のカラス(カラスの“人相”までは分からないが、間違いない)が、小生の帽子をかすめて急襲した。「さっきの屋上の爺のヤツ、威嚇に懲りず今度は校庭を歩いて居やがる。やっつけてやれ!」とねらい打ちしたのだろう。
○屋上のプールに浮いていたボールを取ろうとした、Sさんもカラスに襲われたそうだ。両者とも、ボールを取って威嚇されているので、カラスは「それは俺たちのボールだ!」と言おうとしているのか?将又「屋上は俺たちのテリトリーだ、近づくな!」かな? 普段ヒト気がない屋上に、時々現れる施設管理を“侵入敵”と見なしているのだろ。
○Mさん、Uさんも屋上で難に遭っている。Mさんは、自衛手段に傘をさして屋上に出たら、傘の上から襲われたそうだ。どうやら、「カラス襲撃」は本校だけではないらししい。業者に頼んで、2個の巣を取り除いた学校もあるそうだ。巣作りの時期らしく、産卵は未だだったとか。本校でも、屋上を調べてみる必要があるかも。
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『施設管理だより』第65号(2008.6.6)
◉カラス(ひな)発見!ー ひと安心
~見事な学校と行政の連携。公園付近で捕獲~
○前号で「カラス注意」を緊急警報した。施設管理5人全員がカラスに襲われたので、しばらく警戒して近づかなかったが、ごく最近、副校長先生も公園近くで襲われたと聞いた。我々にとっての問題だけでなく、それ以上に、生徒にまで被害が及ぶのは何とか防ぎたい。これが根本だ。
○カラスに襲撃されたことのない人には分からないかも知れないが、恐怖感は絶大だ。幸い、副校長先生が取り上げて下さり、区役所に連絡、連係プレーで雛の発見捕獲に成功した。今回の適切な処置は、さすが行政マンだと感心すると同時に、施設管理として心からお礼を申し上げたい。何よりも、生徒に被害が及ぶ恐れが無くなったことを慶びたい。
○我々は屋上で、副校長先生は公園で襲われたそうだ。未だ警戒を完全に解くわけにもいかないが、これで“万事めでたし”となることを祈る。因みに、今朝の巡回で屋上を覗いたら、一羽の烏が、何となく淋しそうに?とまっていた。一方では、異変を感じたらしい?烏の派手な動きも見られた。
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『施設管理だより』第69号(2008.7.18)
◉おかしな夏
○梅雨明け前から30度を超え、光化学スモッグ注意報も発令されている。去年以上に「猛暑日」が続くかも。致し方ないが、トイレ全面改修工事で、“水無校”になるとか。
◉”地球一周”(4万キロ歩行)しました
~外国に行ったことはないのに~
○平成12年12月12日から7年7ヶ月間歩き通し、2008年7月7日の「平塚七夕ウォーク」でついに4万キロ(地球一周)歩行を達成し、日本ウォーキング協会から認定、表彰されました。
○最初は「地球一周」が目標ではなかったが、途中から意識し始めました。地球を一周してわが家に帰り着いた?自らの快挙を自分で誉めたい心境です。斯く申す小生、今日は福田康夫氏から二日遅れの同年の72歳誕生日。
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『施設管理だより』第72号(2008.9.20)
◉酔芙蓉(すいふよう)物語
○学校正門入って直ぐの花壇に、酔芙蓉が咲き誇っている。この花の名前を知ったのは、本校に来てからだ。それまでは、白と紅の二色の花が咲く、変わった植物だと思っていた。朝は白、昼にはピンク、夕方には紅色に花が変色する。お酒を飲んで段々に赤くなるのに似ているから「酔芙蓉」と呼ぶそうだ。
○去る日曜日朝10時、「カチャ!」という正門通用扉を開ける音が聞こえた。「今日午前は校庭の利団協もキャンセルされており、職員や業者の来校予定もない。生徒の忘れ物取りかな」と思った。正門入った人が昇降口にたどりつくまでは、通常はせいぜい20何秒しかかからない。ところが、「カチャ!」音から30秒以上過ぎても誰も現れない。
○「おかしい?!」。主事室から外は見えないので、立ち上がって主事室の受付小窓から覗いたら、いつものオッサンが背伸びして酔芙蓉の花をもぎ取っている最中だった。「今日もか。困ったものだ」。慣れた手つきで盗った花を、両手一杯に抱えて外に出たと思ったら、停めてあったチャリンコに飛び乗り、いつもの方角に猛スピードで消え去った。
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『施設管理だより』第73号(2008.10.4)
◉秋 ー あき。とき。autumn / fall
【さびしい辞任・引退の秋】
福田康夫氏は、突然の辞任表明で批判を浴びたが、「消費者重視の政治」は歴史的な功績と見なされよう。記者会見での「私は自分を客観的に見れるんです。あなたとは違んです」は蓋し名言。
◉「仲秋」と「中秋」(読みは共にチュウシュウ)
「中秋」と「仲秋」は(字の違いだけでなく)厳密には意味が違う。
○陰暦(旧暦)では、7月~9月が秋。秋は初秋(7月)・仲秋(8月)・晩秋(9月)の三つに区分される。「仲秋」(チュウジュウとも)は、秋の三個月の「中」の意で、旧暦8月全体を指す。したがって、仲秋は陰暦8月の別称。「なかの秋」。
○これに対し「中秋」は「秋の中日」、すなわち旧暦の8月15日のみを指す。 「八月十五日」と書いて「なかあき」と読ます苗字もあるそうだ。
◉「満月」と「名月」
○「中秋」(秋の真ん中)は、陰暦の8月15日をさし、陰暦8月15日の月(十五夜)を「中秋の名月」と呼ぶ。この場合は、満月=名月。ところが、「中秋の名月」と「満月」が同じ日とは限らない。今年を例にとると、陰暦の8月15日は9月14日に当たったので、9月14日が「中秋の名月」で、「満月」は一日遅れの9月15日だった。
◉もう一つの秋
○『施設管理だより』も歳月を閲し、号を重ねた。「擱筆の秋(とき)」かも知れない。
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『施設管理だより』第74号(2008.10.20)
◉ホール一杯に響いた、努力の歌声
~ 文化発表会 (合唱コンクール / 舞台発表 )~
○本校の「合唱コン」に出かけるのは、手帳で調べたら今回で6回目だ。杉並公会堂の時代もあった。足繁く通ったのは、音楽/合唱が大好きだからだが、直前ぎりぎりまで練習に打ち込んだ生徒たちの「本番」での発表を見てみたいからでもある。
○特に今年は、小生にとって大切なイベント(もしかして最後の?)だったので、最初から緊張して出かけた。井の頭線の「三鷹台」駅から歩いて会場に着くまでの約50分、過去5回の合唱コンに想いを馳せながら、今日の感動の予感で胸がときめいた。
○生徒たちの合唱は期待通り、いや、(小生の感傷も手伝ってか)予想以上に素晴らしかった。「ホールへ響け 努力の歌声」が発表会のスローガンだが、子どもたちの歌声は、三鷹芸術文化センター「風のホール」一杯に響き渡った。終了後、感動の余韻に浸りながらJR「三鷹」駅まで歩いたが、満足した足どりは軽快そのものだった。(以下、割愛)
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『施設管理だより』第75号(最終号)(2008.10.31)
◉ありがとう! I 中 学 校 さようなら!
○区非常勤職員として3年、シルバー人材センター会員として5年7ヶ月、 I 中学校施設管理を勤めました。この9年間は楽しく、働き甲斐もありました。
○この間、生徒や先生方との接点を持とうと努め、入学式・卒業式だけでなく、運動会・合唱コン・中学駅伝・書道展などへも足を運びました。生徒たちの発表や活躍に直接ふれて、感動と感激に浸るのを至福としたからでした。
○ I 中への愛校心も培われました。校歌が好きになり、I 中の生徒をかわいく思いました。朝正門で生徒たちを迎え、「お早うございます」の挨拶交歓も行いました。学校開放への関わりも重要な仕事でした。団体開放・個人開放とは辛抱強く付き合い、苦労もしたが楽しくもあった。
○PTAや和太鼓同好会などとの接点も忘れられません。『施設管理だより』を発行し、施設管理からの情報発信と教職員とのコミュニケーションを視野に、春夏秋冬・朝夕の学校風景や働く我々の情感などを綴ってきました。
○名残を惜しみつつ、今まさに I 中を去ります。感謝の気持ちで、そして様々な思いを胸に。来年は創立50年。
幸あれ 栄あれ I 中学校!(2008年10月31日 Atelier秀樹)
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『施設管理だより』終刊のお知らせ
・・・いよいよ擱筆です。“後期高齢”に達した第75号(最終号)をお届けしました。長い間のご愛読。本当に有難うございました。
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写真:Atelier秀樹
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『秀樹杉松』131巻3959号/2022.7.14/hideki-sansho.hatenablog.com No.999