秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

蝉(セミ)は歌っている、詩歌を口ずさんでいる 〜 蝉吟(せんぎん=蝉の鳴き声)に聞き惚れる

 

IMG_8029.jpeg

 

前号の「暑中」に続き、夏のシンボル「蝉」を取り上げます。子供の頃はただただ蝉が大好きでしたが、70余年を閲した今回は、久しぶりに「蝉」のことを調べてみました。”蝉のことはなんでも知っている”と思っていましたが、知らなかったこともあり、いい勉強になりました。

..........................................

 なく

「なく」には普通・鳴・啼」の三つの漢字を充てるが、辞典を調べるといろいろ出てきて途端にややこしくなる。鳥がついている「鳴」は分かりやすいが)

ちょっと調べただけでも、以下の通りです。]

............................

◉ 泣 

しゃくりあげてなく. 声を立てずに涙を流してなくコク(大声を上げてなく)に対することば(日本では、ふつう泣と哭の区別をしない。(『学研漢和大字典』

○目から出る涙が原義。のちに涕ができて、主として泣く意に用いられるようになった。泣く。涕。(『角川漢和中辞典』

.............................

◉ 

涙を流し声をあげてなく。(角川漢和中辞典』)

○また、鳥や虫が鳴くこと。(角川漢和中辞典』)。

○ 次々と声を出し・あとからあとからと続けてなく(『学研漢和大字典』)

鳥獣が鳴くときにも人が鳴くときにも用いる(『学研漢和大字典』)

.....................................................

鳴  鳥がなく。

.............................................

コク  大声でなく。

.........................................................................

◉ テン  囀 (さえず)るようになく。

(以上、『学研漢和大字典』

.....................................................

◉  

うたう。詩歌を口ずさむ『角川漢和中辞典』)

いちいち文句をはっきり発音せず、低い含み声で口ずさむ。(『学研漢和大字典』

....................................................

蝉吟 (せんぎん)

せみが鳴くこと。また、その鳴き声(『学研漢和大字典』)

せみが鳴くこと。蝉語。(角川漢和中辞典』

................................................................................................

鳴く・啼く」のどちらか。「蝉がなく」は?と辞書を調べたら、蝉吟(せんぎん)と出てきた。詩吟は知っているが、蝉吟は初めて。ちなみに「吟」は「うた(う)・詩歌を口ずさむ」。

(鳴いているというより)蝉は歌っている・詩歌を口ずさんでいる、ということですね!

.............................................................

 

猛暑の「暑中」にあって、聞こえてくるのは蝉(セミ)の鳴き声。子供の頃の思い出と重なる。山村に生まれ育った小生は、7月生まれだったこともあり、暑い夏が大好きで、夏のシンボルとも言える蝉が大好きだった。

 

山村なので、蝉の幼虫も成虫も身近にあった。兄貴に「あの木の高い枝で鳴いている蝉を捕まえられるか」と挑発され、負けず嫌いの小生は高木をよじ登った。泣き続ける蝉に近づいて、手を伸ばした瞬間小枝が折れて、小生は地上に落下して脛(スネ)を骨折した。それほどに、蝉が大好きだったのです。

………………………………………………

以下は、ウィキペディアja.m.wikipedia.org)に依って、いくつか書きます。

 

◉○カメムシ目(半翔目)・頚吻亜目・セミ上科。「鳴く昆虫」の一つ。卵→幼虫→成虫という完全変態をする虫。

………………………………………………

鳴き声(時間が大別される)

 

ニイニイゼミ=一日中

クマゼミ午前中

ミンミンゼミ午前中

アブラゼミ午後

ツクツクボウシ午後

ヒグラシ=朝夕

エゾゼミ=明るい夜でもなくことがある。

 

 *録音されている蝉の鳴き声を、スマホで聴くことができました。今の時代はスゴイですね。8種類の蝉の鳴き声を別々に何回も聞いて、辛うじて「なるほど」と思いましたが、聞き分けは思いのほか難しい

…………………………………

寿命

長年にわたり成虫として生きる期間は1-2週間ほどといわれてきたが、2000年代ごろから研究が進み、1か月程度と考えられるようになってきている。(初めて知りました)

幼虫として地下生活する期間は、3~17年アブラゼミは6年)にも達し、昆虫としては寿命が長い。

…………………………………

◉晴れた日の夕方、目の黒い終齢幼虫は、羽化を行うべく地上に出てきて周囲の樹などに登っていく。

夕方地上に現れて日没後に羽化を始めるのは、夜の間に羽を伸ばし、敵の現れる朝までには飛翔できる状態にするためである。翌朝には外骨格が固まり体色がついた成虫となるが、羽化後の成虫の性成熟には雌雄ともに日数を必要とする。オスはすぐに泣けるわけではなく、数日間は小さな音しか出すことができない

 

 ~性成熟」のことは今回初めて知りました。そういえば、子供の頃に小さな音しか出さない蝉がいることに気づいたが、「老齢?のため声が掠れた」のだろう、と思っていました。

……………………………

人間との関係

 

中国では地中から出て飛び立つセミは、生き返り、復活、再生の象徴と考えられていた。

日本では、種毎に独特の鳴き声を発し、地上に出ると短期間で死んでいくセミは、古来より感動と無常感を呼び起こさせ、「もののあはれ」の代表だった。

 

蝉の終齢幼虫が羽化した際に残す抜け殻を空蝉(うつせみ)と呼んで、現身(うつしみ)と連して考えた。

古代ギリシャにおいては、アリストテレスが『動物誌』において、セミを「再生と不死の象徴」として扱っている。

..............................................................

 (〜 以上、ウィキペディアja.m.wikipedia.org)に依る。)   

..........................................................................................................................................................................................

写真:Atelier秀樹

...................................

『秀樹杉松』132巻3967号 2022.7.31/ hideki-sansho.hatenablog.com #1007