これまでは本を読み切った後で、「○○を読む」とか「読みました」と紹介してきましたが、今回は「読みかけ」で『秀樹杉松』に投稿します。
朝刊の広告欄に『月の満ち欠け』(佐藤正午)という本の広告が載っており、”天文少年”の私は書名に強く惹かれました。しかも、157回「直木賞」受賞作品で、映画化されて12月2日に公開されるとカバー帯に書かれています。ここまで分かったら「読まないわけにはいかない!」。さっそく岩波文庫版を読み始めました。
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読み出して驚いた。書き出し(序章?)の「午前十一時」(p.9~19)からして、頭脳明晰ではない私にはよく理解できない。予備知識の全くない自分は「一体どういう小説なんだろう?」と思わずにはいられない。
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ところが、「1」に入ったら以下のような文章が連なり、途端に親近感が湧いてきた。
◉「小山内堅(主人公?)は青森県八戸市に生まれた」、「東京の私大へ進学して、杉並区阿佐ヶ谷のアパートで、きっちり四年間、大学生活を送った」
◉「大学で所属していたサークルに、『南部班』と部員自らジョークで呼ぶ内々のグループがあり、その例会で二人は初めて出会った」。「南部班」は「南部藩」の語呂合わせで、南部藩とは現在の岩手県から青森県東部を領していた江戸時代の南部藩のことだ」
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○八戸市は私の生まれ故郷(岩手県)の隣で、阿佐ヶ谷は私が住んでいる杉並区である。
○私の出身地の岩手県北部は、旧「南部藩」のど真ん中に位置している。
○自分の現住所や出身地、あるいはその周辺が出てくれば、おそらく誰でも親近感を覚え、読みたくなるでしょう。まして直木賞受賞作品であり、映画化もされたとなれば。
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という次第で読み出したが、途中で頓挫しました。
(いずれは読み切ることになるでしょうが)この小説は、”頭の悪い私” には ”難しい” ようです。賢明な読者なら「さすが直木賞」、佐藤正午ファンなら「さすが佐藤正午さん!」と感心されることでしょうが、、、。
<追伸>
一応読み切りましたが、特に「感動」はありません。文学の素養がないからでしょうか、この小説がなぜ直木賞なのか、映画化されるのか、私にはよく理解できません。読む資格のない「元天文少年」が、書名の「月の満ち欠け」に惑わされて読んだ、当然の結果でしょう。
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写真 / Atelier秀樹
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『秀樹杉松』134巻4012号 2022.10.30/ hideki-sansho.hatenablog.com #1052