旧南部藩の岩手県出身なので、子供の頃はリンゴを食べて育ちました。今でも、リンゴと南部煎餅(なんぶせんべい)は大好物です。
岩手の弟から ”いわて純情りんご” の「サンふじ」と「シナノゴールド」が贈られてきました。有難いことで、美味しく頂戴しています。
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↓ 故郷から届いた 「サンふじ」「シナノゴールド」
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美味しいリンゴを食べながら、リンゴについて少し調べてみようと発心(ほっしん)。さっそく PC・スマホ・辞書・百科事典を総動員して”勉強”を開始。次第に加熱し「リンゴの研究」になりました。
”たかがリンゴ”と思いきや、面白くて奥が深い。”研究”結果をブログ『秀樹杉松』に投稿することにしました。
本格的に調べた結果です。冗長な駄文かと恐れますが、参考になることもあるかと思います。お目通しいただければ幸甚の至りです。ウィキペディア(ja.m.wikipedia.org)引用中心の編集ですが、多岐にわたる調査だったので、いちいちの出典名は省略させていただきました。
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◉リンゴの主な種類
▼ふじ
○農研機構で1930年代後半に育成され、1962年に品種登録されたリンゴの品種で、デリシャスと国光の2種類のリンゴを交配したものである。(母親「国光」、父親「デリシャス」)
○1962年に青森県藤崎町で誕生し、日本で最も一般的に栽培され、世界においても最も生産高の高い品種。日本で誕生した「ふじ」が世界各国で栽培されるようになり、2001年には世界のリンゴ生産量のトップになっていたことが明らかになりました。
○名前の由来
候補段階では「ラッキー」案も出たが、最終的には ①日本一の富士山、②生まれ育った藤崎町、③女優山本富士子さん などにちなみ「ふじ」と命名することになりました。
○日本一の「ふじ」のようにとの願いが込められた命名ですが、やがて「ふじ」は世界の主力品種として圧倒的な存在となり、今では日本一を飛び越えて「世界一」になっています。
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▼サンふじ
秋田県で生産されるリンゴの約6割を占めるサンふじ。無袋(袋をかけない)で日光を十分に浴びさせて栽培したものは「サンふじ」の名で出荷される。(「サンふじ」は、JA長野の登録商標)
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▼紅玉(こうぎょく)
アメリカ原産のジョナサンが明治時代の初めに日本に入ってきた。伝来したばかりの頃は、地域ごとに呼称が多様(満紅、千也、チ印)だったので、1900年(明治33年)に「紅玉」に統一した。戦後は甘みの強いりんごに押されて生産量を大きく減らしたが、アップルパイなどの製菓用に根強い需要があるため再び生産量が増えている。
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▼国光(こっこう)
アメリカ原産。日本では明治・大正・昭和の約100年間にわたって、リンゴ生産の基幹品種として、紅玉とともに広く栽培された。
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▼レッドデリシャス(日本では単に「デリシャス」とも)
栽培用のリンゴのクローン(コピー)の一つ。1968年から2018年まで、米国で最も生産量の多い品種だった。
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▼ゴールデンデリシャス
黄色いリンゴの品種。レッドデリシャスとは関係ない。
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▼シナノゴールド
ゴールデンデリシャスと千秋の組み合わせから選抜・育成したリンゴ。(黄リンゴ系)
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▼陸奥(むつ)
ゴールデンデリシャスとインドの交配。名称の由来は原産地青森県の旧国名陸奥国。
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▼王林(おうりん)
黄緑色リンゴの代表格。「リンゴの中の王様」という意味を込めて命名された、黄緑色の品種。
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▼つがる
青森生まれの早生リンゴ。「ふじ」に次ぐ2番目の生産量。
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▼印度(いんど)
青森県弘前市で生まれた日本最初の品種。品種名「印度」には様々な説あり。弘前市東奥義塾教師ジョン・イング氏の名前からという説。ジョン・イング氏がインディアナ州出身だったからという説、インディアナから種子が送られてきたからという説、など。
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◉林檎(リンゴ)とは?
○バラ科リンゴ属の落葉高木、またはその果実。植物学上はセイヨウリンゴと呼ぶ。春、白または薄紅の花が咲く。
和名 セイヨウリンゴ(西洋林檎)
○日本語においては漢字で主に「林檎」と書くが、この語は本来、同族別種の野生種ワリンゴの漢名である。また、「檎」を「ご」と読むのは慣用語で、本来の読みは「ごん」(呉音)、「きん」(漢音)である。古く中国から日本に伝わったワリンゴを「林檎」といい、日本でリンゴと呼ばれるようになった。(なるほど、だから「林檎」ではなく「西洋林檎」と呼ぶんですね)
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◉リンゴの名前
○平安時代中期に作られた辞書『和名類聚抄』に「利宇古宇(リウコウ、リウゴウ)」と記述されており、これが転訛したとも言われている。
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◉リンゴの栽培史
○リンゴの栽培はヨーロッパでは4000年以前のスイスの湖上民族時代から始まり、多くの神話伝説の中で取り上げられ、リンゴの呼び名は果実類を代表する名とされた。これは、日本でモモが果実の代表的呼び名であったことと似ている。
○欧米のリンゴは、文久年間の福井藩主松平春嶽の江戸巣鴨別邸に、アメリカ種が見られるのが初めてと言われる。本格的な導入は明治初期。その後、導入品種の適応性が判明し、北海道、青森県や長野県など、適地において栽培が進んできた。
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◉リンゴに関する諺(ことわざ)
▼「毎日のリンゴ一個は医者を遠ざける」
An apple a day keeps the doctor away.
ウェールズ由来の英語の諺で、リンゴ(あるいは果物や野菜一般)を食べることが健康によい効果をもたらすという民衆の知恵を示したもの。
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▼「毎日のリンゴ一個は、医者の費用を節約できる」(スペイン)
▼「一日一個のリンゴで医者いらず」
一日一個のリンゴで医者がいらなくなるほど、りんごは健康にとって良い食べ物だ。
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▼「寝る前のリンゴで医者がやせ細り」
▼「腹八分目に医者いらず」
▼「薬より養生」
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▼「りんご医者いらず」
昔アメリカの小学校の間で、先生に気に入ってもらうために、ピカピカに磨いたリンゴをプレゼントするのが流行ったことからきている。
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▼「りんごが赤くなると医者が青くなる」
赤くなったリンゴを食べたら病気知らずで医者にかからずに済む。
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▼「朝のりんご(果物)は金、昼は銀、夜は銅もしくは鉄」
イギリスで古くから伝わることわざ。同じリンゴでも食べる時間帯が重要だということ。
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▼「赤いリンゴは虫食いリンゴ」(ブルガリア)
真っ赤に蒸れているように見えるリンゴは、逆に中が虫に食われて、腐っている事がある。美しい女性でも、心が腐っていることがある。日本の「綺麗なバラにはトゲがある」と同じ意味でしょうね。
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▼「赤いリンゴと敵の友情を信じるな」(タジキスタン)
外見だけで判断するな。「バラトゲ」とも同じ意味でしょうね。
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▼「赤いリンゴだが、芯は虫食い」(ウクライナ)
▼「綺麗なリンゴ、中に虫」(エストニア)
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▼「赤きリンゴに投石する者あとを絶たず」(トルコ)
投石するのはリンゴを落とすため。赤く熟しているからこそ石を投げられる。「出る杭は打たれる」という意味と同じですね。
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▼「リンゴの木は根に虫がいると萎える」(ラトヴィア)
夫と妻の間にわだかまりがあると、家庭は崩壊する。カエルにこの虫を食べてもらえば良いですね。
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▼「リンゴは木から遠くへは落ちず」(フィンランド)
親より飛び抜けた上出来の子供はいない。「蛙の子は蛙」ということですね。
▼「リンゴの木から遠くへリンゴは落ちない」(モルドビン)
部分は全体の枠を出ない。「蛙」
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▼「リンゴの実はリンゴの木から遠くへは落ちない」(ラトヴィア、チェコスロヴァキア)
子供は親に似るものだ。血統は争えない。また「カエル」
▼「リンゴはリンゴの木の近くに落ちる」(ロシア)
子供に親の欠点が現れる。子供を見れば親がわかる。ロシアでは非難の言葉。
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▼「リンゴの実はリンゴの木から遠くへは転がらない」(リトアニア)
子供たちは多くの点で両親によく似ている。こちらも「カエルの子はカエル」
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▼「こういうリンゴの木でこういうリンゴ」(タタール)
親に似た子である。はい「カエル」
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▼「アダムが野生リンゴを食い、わしらの歯が浮く」(ウクライナ)
他人のせいでとばっちりを受ける。責任転嫁。
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▼「まるいものすべてがリンゴというわけではない」(ジプシーのことわざ)
食えないもの、食えない奴もいる。深い原理原則を諭す場合に使えそうですね。
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▼良いリンゴはよく糞の上に落ちる(ナイジェリア)
いい人は早死にするものだ。お悔やみの言葉。赤く熟したリンゴでも、クソの上に落ちては誰も食べてくれない。それと同じようにどんなにいい人でも、早く死んで仕舞えば残念であるということらしい。
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▼アイザック・ニュートンは、木から落ちるリンゴを見て万有引力の法則のアイデアを得たという逸話がある」
▼リンゴが木から落ちたと言う人は大勢いても、なぜ、と考えたのはニュートンただ一人だった。
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▼旧約聖書に登場するアダムとイヴが、蛇にそそのかされて食べた「善悪を知る果実」(禁断の果実)はリンゴだとされる」
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▼ウィリアム・テルはヘルマン・ゲスラーの帽子に頭を下げなかったために逮捕され、息子の頭の上のリンゴを矢で射るか、それとも死ぬかを選択することになり、一発で見事にリンゴを射抜いた、という逸話がある。
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▼ルター名言「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える」
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▼リンゴの産地である青森県の弘前実業高校藤崎校舎は、「りんご科」という学科を設置している。
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◎リンゴの花言葉 「優先」「好み」「選択」
◎リンゴの実の花言葉 「誘惑」「後悔」
◎リンゴの木の花言葉 「名誉」
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◉花名の由来
リンゴ属の学名「Malus マルス」は、リンゴの木を意味するラテン語に由来。
◉リンゴの名前は、平安時代中期に作られた辞書『和名類聚抄』に「利宇古宇(リウコウ、リウゴウ)」と記述されており、これが転訛したとも言われている。
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以上で「りんごの研究」終わります。お読みいただき、有難うございました。
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文と写真=Atelier秀樹
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『秀樹杉松』136巻4047号 2022.12.17/ hideki-sansho.hatenablog.com #1087