秀樹杉松

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ベートーヴェン「三大ピアノ・ソナタ」を聴く~「悲愴」「月光」「熱情」

 

ベートーヴェンは大好きな作曲家で、いろんな曲を聴いていますが、昨日は有名な”三大ピアノソナタ”を聴きました。”有名=大好き”な曲なので、何回も聴いている曲です。

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*曲の解説は「クラシック名曲ガイド6 ピアノ曲」(音楽之友社)による。

悲愴> ~ピアノ・ソナタ第八番 ハ短調 

 

 ○前期の頂点を成す傑作であるこの作品にベートーヴェンは自ら「グランド・ソナタ・パテティー」と題をつけている。従来のピアノ・ソナタには見られなかった荘重な序奏部が大きな特徴となっている。

 ○緩徐楽章の美しい主題、終楽章の明快なロンド、そしてまず冒頭楽章の情熱と悲壮感に満ちた圧倒的なエネルギー等は、この作品が親しまれる大きな原因となっている。

 ○音楽内容の高さ、表情の豊かさの割にピアノのテクニックをあまり要せずに弾けるというのも、この作品の最大の長所になっている。

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<月光> ~ピアノ・ソナタ第一四番 嬰ハ短調 

  

 ○俗称の「月光ソナタ」という名が世界的に定着しているが、ベートーヴェン自身による命名は「ソナタ・クアジ・ウナ・ファンタジア」である。

 ○<月光>という俗称は「スイスのルツェルン湖の月夜にさざ波に揺らぐ小舟のようである」と詩人ルートヴイッシュ(1779-1860)が形容したのに由来するらしいが、詩人の生年をみればわかるようにヴェートーヴェンの作品成立とは一切の関係を持っていない。

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<熱情> ~ピアノ・ソナタ 第二三番 ヘ短調 

 

 ○<熱情>というタイトルも残念ながらベートーヴェン自身による命名ではない。この名称は1838年ハンブルクの出版社クランツから出版された「四手用ソナタ編曲版」に<アパッショナータ>というタイトル名がつけられたのに由来している。

 

 ○しかし、この命名は<月光>や<テンペスト>とは異なり、特に詩的内容とか劇的内容といった特定の情調に直結しない分だけ救われている。

 ○それはともかくも、ベートーヴェンにとってヘ短調」という調性が激情的なもの、情熱的な音楽表現と深い関連を持っているのも確かである。

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*以下のピアノ曲もあります。

◉ピアノ・ソナタ第12番[葬送

  ~第3楽章が「ある英雄の死を悼む葬送行進曲

◉ピアノ・ソナタ第15番<田園

◉ピアノ・ソナタ第17番<テンペスト

◉ピアノ・ソナタ第21番<ワルトシュタイン

◉ピアノ・ソナタ第26番<告別

◉ピアノ・ソナタ第29番<ハンマークラヴィーア

◉ピアノ・ソナタ第30番

◉ピアノ・ソナタ第31番

◉ピアノ・ソナタ第32番

◉<エロイカ>の主題による15の変奏曲とフーガ (エロイカ変奏曲

◉デアベリの主題による33の変奏曲

◉<エリーゼのために

 

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<写真=Atelier 秀樹>

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140巻4121号2023.4.11/hideki-sansho.hatenablog.com.1161