◉以下の写真は,「NAXOS」CD解説書 より
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リストは、かなりの年月を費やしてこの曲を完成している。ベルリオーズの「ファウストの劫罰」に多大の感銘を受け、この作曲に因縁を深めた結果であろう。これはいわゆる交響曲ではなく、三つの楽章をもつ交響詩で、詩的素材が一つの音楽的形式を創造したのである。
リストの最初の交響詩で、ビクトル・ユーゴの詩によっている。詩人が高い山の上で聞いたことをうたったもので、自然と人間の闘いを描いたもの。
リストは、幾多のピアノ曲と同時に、交響曲と交響詩曲にもすげれた作品を遺している。この「前奏曲」は、交響曲中の第三番に数えられるもので、1848年に完成され、1856年出版された。
◉ピアノと管弦楽のための「 死の舞踏」
リストは、1838年から九年間イタリアに旅行したが、その途中ピサのカンポ・サント教会堂の「死の勝利」を描いた壁画を見て感激し、この曲を作ったと言われている。
◉ピアノ協奏曲第一番
ピアノにおけるパガニーニと呼ばれたリストは、近世ピアノ演奏界の不世出な巨人であった。また、作曲の方面にも、神技と妙想を披瀝して、幾多の名曲を遺したが、その第一番と第二番の「ピアノ協奏曲」は、彼の作品の中でも、ことさら傑出したものに属し、リストの壮大な楽想、非凡な技巧をよく語り尽くしている。
◉ピアノ協奏曲第二番
この協奏曲には「交響的協奏曲」の但し書きがつけられているが、表題の与えられていない交響詩的性格を持ったものである。リストはこれを1839年に作ったが、のち、4回書き改めている。三つに分けられた楽章をもたず、六つの違った形から構成されている。
◉ハンガリー狂詩曲
リストはピアノ独奏用の20の「ハンガリー狂詩曲集」を書いた。そして、その中の6曲が管弦楽曲に編曲された。また14番がピアノと管弦楽のための曲に編曲され、「ハンガリー狂詩曲」と呼ばれている。ハンガリーの山谷に住むジプシー、マジャール人にある舞踏調チャルダシを基調としたもので、ブラームスの「ハンガリー舞曲」とともに人口に膾炙している名曲である。
◉メフィスト - ワルツ
これは、レナウの「ファウスト」より二つの話の後半に属するもので、管弦楽曲をピアノ曲に編曲していっそう有名になった。ファウストの恋愛やメフィストの気味の悪い嘲笑を織り込んだ名作である。「村の酒場の踊り」が今日、メフィストのワルツとして名高くなっている。
ドイツ人はどんな老人でもリストの「愛の夢」で若返ると笑った人がある。カフェの一隅から誰とも知らず奏でられるこの名曲を耳にすると、新聞を読み耽っていた腰の曲がった老人が、急に生き生きとした目をしだすが、たぶん古い昔の恋を思い出すのであろうか。まして、若き春を喜ぶ男女は、リストのこの名曲にどれだけ胸を轟かせるかわからない。
◉ピアノ小曲「巡礼の年報」
リストが1835年から79年の間に、旅行中の風景や出来事、その地に関係ある文学作品などをもとに作曲した。全4巻26曲のピアノ小曲集。1835年からスイスに恋の逃避をしていたリストが、愛の法悦と、美しい自然、かしましい社交界を離れ、平静な心境の中で創作した作品である。
この時代のリストは、マリー・ダグー伯爵夫人とスイスのレマン湖に居を移し、愛の生活を営み、次々と作品を書いていたわけだが、各巻の内容は次のとおり。
第一年 スイス
第二年 イタリア
第二年 補遺
第三年
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<写真=Atelier 秀樹>
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140巻4129号2023.4.23
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