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稀勢の里・日馬富士、初日に土 ~ 4横綱の1勝2敗1休 に思う ~

「波乱」「番狂せ」「不覚」ではない?   /  Atelier秀樹

 大相撲九州場所初日鶴竜が休場し、白鵬稀勢の里日馬富士横綱の優勝争いが注目されたが、初日に早くも前場所優勝の日馬富士と、3場所連続休場した稀勢の里が敗れ、波乱の幕開けとなった。勝ったのは休場明けの白鵬一人だけ、の寂しさであった。

 

 初日だけの成績で一喜一憂するのはどうかと思うが、逆に初日だからこそ勝敗が注目される。私は今日の結果を初日の「波乱」「番狂せ」「横綱の不覚」と片付けたくない。因みに不覚は辞書によると「油断して失敗すること。しくじり」とある。

 

 <日馬富士

 先ず、日馬富士前場所は辛うじて優勝しただけで、今の体調・実力から見て、また相手の新鋭・阿武咲の好調ぶりから見て、今日の結果は予想できた。決して「波乱」などではないだろう。

 

 <稀勢の里

 次に、稀勢の里である。3場所連続休場のツケは大きかったようである。確かにケガが治らないうちに無理して出場するのは褒められないが、稀勢の里については、日本出身の横綱歓迎論、何場所もかけて横綱になり、思わぬケガをした同情論などがある。こうした背景も手伝ったのか、或るテレビ解説者の「3場所でも4場所・5場所でもゆっくり休んで、ケガを直して万全の体調で出場して欲しい」との発言には、私は正直驚いていた。

 度を越した稀勢の里応援団」に思えたが、この擁護論に乗っかるかのように?3場所連続して休場した。その結果が、このザマである。相手が一度も負けていない玉鷲なのに、3度もあった今日の立会い不成立「立てない」のでなければいいが、3場所の空白は小さくないようである。

 新聞報道によると場所直前の稀勢の里は、3場所連続休場中だが不安は一切ない。「しっかり集中してやるしかない」「身が引き締まる思い。平常心で明日を迎えられれば」と語っている。自分にそう言い聞かせていたのだろうが、私はこれを知って、「本当に不安はないだろうか」「3場所連続休場の影響は、そんなに小さくないのでは?」と考えていたが、残念なことに初日の結果は心配が現実となってしまった。

 

白鵬

 その点、白鵬は大横綱ですね。40回目の優勝を期待したい

 

 <3場所連続休場の歴代横綱

    今日の「ニッカン」によれば、3場所以上連続で休場した横綱は過去18人おり、休場明け後に出場した場所で優勝した横綱は4人大鵬柏戸北勝海朝青龍)だけ。柏戸は全勝で、他3人は14勝1敗での優勝。稀勢の里も、万全の出場での優勝が期待されるが、果たしてそうなるか、不安を隠せない。

  

 ◉あす二日目目の3横綱の相撲を見なければ何とも言えないが、横綱戦線は非常に厳しいことは否定できないだろう。期待しつつ、明日を注目しよう。

 

                      (秀樹杉松 88巻/2483号) #blog123