読書
第168回直木賞受賞作 千早茜 著『しろがねの葉』(新潮社) .......................................................................................................................................................................................…
一週間前に「小川哲『地図と春』を読む」を書きました。もう1冊の第168回直木賞「千早茜『しろがねの葉』も読んでみました。『地図と春』は625ページの大作のため、読み切るのに”苦労”しましたが、『しろがねの葉』はちょうど半分の314ページ。 表紙帯には、…
600ページを超す、4.5cmの分厚い長編。スケールの大きさに圧倒されましたが、「直木賞受賞作品」なので読み切りました。 東大卒の小川 哲さんの『地図と拳』、出版広告によれば「日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説」。 2022年6月 第一刷発行、2023年1…
○われわれの学生時代は、マルクスの『資本論』を読んだり語る者が多かったが、彼らの目は輝いていた。一方で当時は、学生運動の混乱期でもあり、いい思い出ばかりではない。また、いわゆる「ノン・ポリ」学生もいた。 ○最近の学生や若者で、『資本論』を読む…
新聞広告の「阿刀田 高」(アトウダ タカシ) 氏の名前を見てビックリ。「元気で書いてるんだ!」と早速書店へ。5、60年ぐらい前でしょうか、10年近く同じ職場で働いていた者として親近感を覚えます。作家・文化人として目覚ましい活躍を見せる、阿刀田氏…
私の書評の一つに「面白くてタメになる本」がありますが、 本書『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』はその典型でしょう。 著者は、毎週日曜日のNHKBSプレミアム(0:00〜0:45)「英雄たちの選択」で、お目にかかる 磯田道史さんです。 ↑ 磯田道史著『…
○私が読むのは、大体は”面白くて為になる本”ですが、時には ”難しくて為になる本” にも挑みます。3日ぐらい前でしたか、新聞の広告欄に載っていた新刊本 『ウクライナ戦争』(小泉 悠著、ちくま新書) に気づき、早速購入。 ................................…
書店の新刊コーナーで見つけた 『天路の旅人』(沢木耕太郎/著:新潮社)。 11月5日に読み始め、昨夜(11/14)読みきりました。10日間かけてやっと読了にこぎつけたのですが、何せ574ページの分厚い本(原稿は四百字詰めで千枚近い由)なので、「我ながらよく…
これまでは本を読み切った後で、「○○を読む」とか「読みました」と紹介してきましたが、今回は「読みかけ」で『秀樹杉松』に投稿します。 朝刊の広告欄に『月の満ち欠け』(佐藤正午)という本の広告が載っており、”天文少年”の私は書名に強く惹かれました。し…
私は「直木賞」受賞作品はなるべく読むようにしています。第166回は二名受賞なので、日数をかけて読みました。作品内容はいうに及ばず「さすが直木賞!です。 同時に今回は、お二人とも若い作家(38歳今村翔吾さん、44歳米澤穂信さん)だったことに注目しま…
松本清張などの”社会派推理小説”は大好きだが、最近の”ミステリ小説”には関心が薄い。書店を除いたら「読みたい」新刊が見当たらない。 『ハヤブサ消防団』(池井戸潤著、集英社)を見つけ、「タマにはこういう本もいいか」と読んでみることにした。 表紙カバ…
遠藤良介『プーチンとロシア革命:百年の蹉跌』(河出書房新社) ....................................................................................................... 前号「『プーチンとロシア革命』(遠藤良介著)を読む」に続いて、同書の中の 「…
遠藤良介著『プーチンとロシア革命』〜百年の蹉跌 〜河出書房新社・2022年増補版 ....................................................................................................... ○書店で『プーチンとロシア革命』という本を見つけた。書名から…
『さよならドビュッシー』は、中山七里さんの「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です。受賞作を含む ”音楽ミステリー”(岬洋介シリーズ)6冊を読みました。書名に有名なクラシック作曲家の名があるので、クラシック音楽ファンの私はすぐに飛びつきまし…
↑ 窪美澄『夜に星を放つ』〜167回直木賞受賞作(文藝春秋 2022) .......................................................................................................... 直木賞受賞(第167回~2022年上半期)作の、 窪 美澄 (くぼみすみ)さんの『…
宮部みゆきさんの『三島屋変調百物語』。”怪談もの”シリーズなので、敬遠していましたが、八乃続(第8巻)の書名『よって件の如し』につられて読みました。 小説の主題にはあまり興味ないが、さすが読ませる内容です。特に(いつもながら)古い用語や表現が…
................................................................................................................... 前号の「今村翔吾さん(直木賞受賞)って、凄い作家ですね!」に続いて、 直木賞受賞作品『塞王の楯』に挑みます。「読む」というより…
.................................................................................................................................................................................................. ○「直木賞」受賞作家はいつも注目している。今…
和田秀樹『80歳の壁』(幻冬舎新書 2022年刊) ................................................................ ◉NHKテレビでの紹介を知り、『80歳の壁』(和田秀樹著)を読みました。すごい本が出たもんですね! 著者の「和田秀樹」さんは有名人ですが、…
斉東野人『残照はるかに 阿弖流為別伝』(海象社 2013年刊) .......................................................................................... ○戦時中は日本の歴史(国史)が重視され、国民学校(小学校)の3年間は”叩き込まれ”ました。中でも…
<はじめに> ”東京の桜開花”がきょう発表されたので、近くの神田川と善福寺川を散歩して確認してきました。本稿は長文のstudyとなりましたが、よろしかったらご覧ください。何かの参考になるかもしれません。 ………………………… 近くの書店で、司馬遼太郎著『義経…
本ブログ『秀樹杉松』2/19号の「峠の研究」において、司馬遼太郎の小説『峠』も紹介しました。これが縁で今回、 司馬さんの『峠』(新潮文庫3巻)を読み始めました。どうやら大作のようで、映画化もされています(コロナ等で公開は延期されて、2022年公開予定…
今日は「仏滅」のようですが、実は歴史に残るめでたい日です。「2022年2月22日」で、数字の2だけが6つ揃うからです。この次に同じ数字だけが並ぶのは、2だけ6つが揃う200年後の2222年2月2日と、2だけが7つ揃う同年の2222年2月22日となります。 閑話休題…
◉半藤一利さんの著作で、これまで読んで『秀樹杉松』に読書記を書いたのは、次の3点です。 → ○『学びなおし 太平洋戦争』1、2 ○『歴史探偵 忘れ残りの記』 ○『日本のいちばん長い日』決定版 ◉今年の冒頭、一周忌にあたりNHKから出版されたばかりの新書を、一…
新聞広告で浅田次郎 著『母の待つ里』(新潮社2022年1月25日刊)を見つけ、すぐに書店に駆けつけた。「東北・岩手出身の都民」の自分としては、この書名と著者から、すぐにも読みたいと思ったからです。日頃から生まれ故郷「ふるさと」に関心が高いので、「俺…
◉澤田瞳子『落花』読み、深い感動に包まれました。 第1章 行旅、第2章 管弦、第3章 交友、第4章 無情、第5章 将軍、終章 白、ですが、私は「行旅」と「将軍」を中心に目を通し、特に「第5章 将軍」の平将門を注意深く閲しました。最大の関心は将門と「将門の…
学校で鎌倉幕府を勉強し、源頼朝と義経の名を叩き込まれ、実朝・公暁も辛うじて思い出します。北条氏も出てきたが、「執権」という名前以外はあまり覚えていません。 NHK大河ドラマで、その北条氏が取り上げられるので、ぜひ視聴したいと思っていたところ、…
直木賞受賞の澤田瞳子『星落ちて、なお』(2021文藝春秋刊) を読みました。 ....................................... 流石は直木賞!他の作品も読みたくなり、『孤鷹の天』(デビュー作。中山義秀文学賞受賞)、『火定』(天平のパンデミックを舞台)、『輝山』…
.......................................... このブログ『秀樹杉松』は、900号に垂(なんなん)としています。これまでは、何をどう書くかは ”自然体”で決まり、PCに向かうと躊躇することなく”筆”が運びました。 ところが、今回の『女帝 小池百合子』を読む…
このところ「政治」と「歴史」が多かったですが、この号の「明治維新」で締めます。 明治維新といえば知らない人がいないほど、日本歴史上の画期的な時代でしょう。視点・観点などでいろんな見方があると思います。その中でも関心が高い「明治維新の煌めく群…