書店を覗いたら、津本陽さんの小説『生を踏んで恐れず高橋是清の生涯』と『小説渋沢栄一』とが並べ置かれていた。普通なら今年のNHK大河ドラマの主人公の後者だろうが、私は前者を選んで購入した。渋沢栄一より高橋是清に関心があったから。
二・二六事件のことが頭をよぎったからです。陸軍皇道派の青年将校らによって、高橋是清蔵相(元総理)、斎藤実内相(元総理)、渡辺錠太郎教育総監が殺害された年は、私の生まれた昭和11年。そして、斎藤実は郷土の誇る元内閣総理大臣。いろんな意味で、二・二六事件は私の中で大きな比重を占めているのです。
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ちなみに、著者の津本陽さん(3年前の2018年没)は好きで、いくつか読んでいます。89歳まで長生きし、以下のような歴史上の人物を描いています。
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宮本武蔵 虎狼は空に小説新選組、柳生兵庫助 清水次郎長 下天は夢か 織田信長 武田信玄、前田利家 独眼竜政宗 項羽と劉邦 新釈水滸伝 武蔵と五輪書 異形の将軍田中角栄 勝海舟私に帰せず 巨眼の男西郷隆盛 大久保彦左衛門不遇の時こそ 柳生十兵衛七番勝負 国定忠治 松風の人吉田松陰 無量の光親鸞聖人の生涯 坂本龍馬と陸奥宗光の青春 加藤清正虎の夢見し etc.
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受賞歴は、直木賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞。もっと多くていいと思うが、この人の小説は、もしかして、少し難しいのかな? その意味でも、『小説渋沢栄一』で取り上げた渋沢栄一が大河ドラマの主人公となったことは、喜ばしいと思います。
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本書の内容には触れませんが、大河ドラマ主人公の『小説渋沢栄一』だけでなく、同じ津本陽『生を踏んで恐れず高橋是清の生涯」(やはり書名が難しいかな)のことも、お忘れなく!
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写真:Atelier秀樹
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『秀樹杉松』120巻3735号 2021.2.14/ hideki-sansho.hatenablog.com #775