「リトグリ」と「欅坂46」
人気上昇中のグループに関する、親子のメールを紹介します。親は音楽オンチの私、息子はミュージシャンです。メールの交信ですが、私からの発信は省略し、受信の一部を紹介します。お読みいただければ、何かしら参考になるかも。なお、ブログから歌も聞けるしかけになっています。
(17/12/13受信)
欅坂46と乃木坂46は秋元康プロデュースの姉妹グループではありますが全くの別物です。AKB48や乃木坂46などの従来のアイドルグループは、基本的にフリフリの可愛い服を着て笑顔を振りまく「アイドル王道」路線でした。
しかし欅坂46はそれまでのアイドルとは完全に一線を画し、笑顔はなくクールな表情で、歌詞も従来のアイドルの恋愛ソングとは違い、若者の鬱屈した不満を表現するという、様々な意味で従来のアイドルの常識を完全に打ち破っていて、最近のアイドルに全く興味のなかった僕が惹かれたのはこの部分です。秋元康さんも欅坂に関しては自らのキャリアの集大成と言わんばかりに特別並々ならぬ注力をしているように思います。
欅坂はどれも名曲揃いなので全部観てもらいたいところですが、ここは一つに絞って僕の一番好きな曲『二人セゾン』です。
楽曲も本当に素晴らしい曲ですし、若き乙女たちのきらめく瞬間を見事に切り取った映像作品としても極めて優れたものです。
よろしければご覧ください。
『二人セゾン』
リトグリはアーティスト
リトグリは若い女子で容姿もまあまあそこそこなのでどうしてもアイドル的視点で見られてしまいがちですが、そこは明確に「アーティスト」なのです。なぜなら、リトグリは各々歌唱力の高さで選ばれたグループで、歌番組やライブなどでも必ず生歌で勝負しています。
対する欅坂などのアイドルは、歌番組などでは基本「くちパク」(あらかじめ歌の入った音源に合わせて歌っているかのような「当て振り」をする)であり、歌ではなくダンスや集団フォーメーションの表現を主眼においた「パフォーマンス集団」です。
そこが明確に違います。まあどちらがよい悪いということではなく、それぞれの表現手法の違いであって、個人的にはどちらも最終的に優れた作品になっていればいいと思います。そんな中でも自分にとってリトグリと欅坂48は現在若手ではそのトップに存在するグループです。
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アカペラ
(17/12/14受信)
伴奏なしで歌だけでハーモニーを奏でることを「アカペラ」というのですが、これは本当に難しいことで、おまけに6人のリズムと音程をアカペラでぴったり合わせるのはどんなプロ歌手でも至難の業です。それをこんなに楽しそうにいとも簡単にやってのけるリトグリは本当に凄い子達だと思います。
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欅坂46のプロデューサーはもちろんその『川の流れのように』の秋元康さんですよ。色々功罪もありますが、彼の日本のポップス界に残した功績は本当に偉大なものがあります。特に欅坂の歌詞は彼の仕事の中でも非常にメッセージ性の高いものです。一例として、「不協和音」の歌詞をご覧ください。
『不協和音』
『不協和音』は歌詞もすごいですが、動画でのセンター平手さんの表情と眼力が凄まじいですよね。そしてそうなんです、よくお気づきですね。不協和音と歌っていながら一糸乱れず調和して踊るという矛盾を孕んでいるところが欅坂の表現する深い部分なんです。
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(17/12/21受信)
独特な欅坂の世界でも楽曲映像ともに特に先鋭的な作品はこの三曲です。
『エキセントリック』
映像と振り付けがとにかくカッコいい!
『月曜の朝、スカートを切られた』
衝撃的な歌詞が素晴らしい。
曲後半の「アンタは私の何を知る」の所の平手さんの表情が凄まじいですね。
『避雷針』
欅坂のダークな路線を極めた最新曲です。
欅坂が初めてのアイドル体験だと、その革新的な意義がもう一つわかっていただけないかもしれませんが、とにかく従来のアイドルと言えば、ヒラヒラの可愛い服を着て笑顔を振りまきながら恋愛ソングを歌うのが定番だったのですが、それを根底から覆し、笑顔を全く見せず歌詞も恋愛ソングではなく時代性と社会性を孕んだ重いテーマを歌うという、今までになかった全く新しいアイドル像を見せてくれた欅坂46の衝撃はもの凄いものがあります。
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リトルグリーモンスター
(17/12/21受信)
そしてリトグリです。
普通、音楽映像というのは曲に合わせて歌うふりをするいわゆる「くちパク」をするものなのですが、リトグリの場合は歌自慢のグループだけあって、必ず生歌部分があります。特にこの曲は全編生歌。
それだけにとどまらず、普通映像作品というのは細かく場面場面のカットを撮影してあとからそれを編集でつなげていくものなのですが、この曲ではなんと頭から終わりまでノーカット、おまけに一台のカメラのみで撮影しています。これはメンバーや撮影スタッフ全員が絶対に失敗が許されないのでとてつもなく凄いことなんです。
是非それを念頭に置いて御覧ください。ショートバージョンなのでいい所で終わってしまうのが残念ですが…(^_^;)
『小さな恋が、終わった』
昨日配信されたばかりのリトグリの最新曲でも、途中から生歌のアカペラに切り替わっています。わかりますか?
いい曲ですね。
『いつかこの涙が』
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どちらのグループも他にも沢山いい曲がありますので、是非ご覧になってみてください。
(秀樹杉松 89巻2519号) 17/12/23 #blog<hideki-sansho>159