病を得て療養中の 兄 重篤! の知らせを受け、盛岡市へ駆けつけました。兄弟などの見舞い・励ましにかろうじて応えてくれましたが、10日後に息を引き取りました。子供の頃一緒に遊び親しんだ兄が、帰らぬ人となり、まことに痛恨の極みでした。葬儀に参列のため二戸市に5日間滞在し、兄との別れを惜しみました。
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兄の死顔は穏やかそのものでした。また葬儀に使われた遺影は、和やかな笑顔でした。奥さんの肩に手をかけて笑った時の写真なそうですが、優しい素敵な奥さんとの幸せな生涯だったのでしょう。奥さんは兄の闘病生活を愛情を込めてしっかりと看病してくれたようです。高齢者の病人の看病は大儀なようで、「このままだと私が先に逝くかもしれないと思った」そうです。本当に大変だったんですね。兄も感謝の涙を流したことでしょう。
奥さんの話によれば、兄は病床で、「死ぬってこんなに大変なものなのか」とつぶやいたそうです。文字通り死と向き合った苦しい闘病生活だったのでしょう。病床にあっては、普段は仰向けではなく横向きに、そして痛い膝を折り曲げて寝ていたそうですが、亡くなったその日の早朝に奥さんが起きてみたら、仰向けに、しかも膝を伸ばし、両手を胸に組んで、息絶えていたそうです。
兄はおそらく、自分の死期を悟り、身を正して死を迎えたのでしょう。普段はしない格別の姿勢をとって「お迎え」を待ったと考えられます。気丈な兄貴らしいこの話を聞いて、厳粛な気持ちに襲われ、頭がさがる思いでした。最後の瞬間まで男らしく生きたのです。姪の一人は、おじさんらしく「潔い」と形容していましたが、その通りだと思います。
重篤の連絡を息子さんからいただき、生前の兄に会うことができました。そして火葬・通夜・葬儀・告別式等で数日間葬儀場に滞在し、故人と別れを惜しみました。
兄は生前、怪我や病気で苦労したり、悔しい思いをしたでしょうし、また長男が早世したという悲しみもあったと思いますが、87歳に及んだ兄上の人生は立派なものでした。
残された賢夫人、聡明な息子さん夫妻が、しっかりと後を受け継ぐでしょう。どうか、安らかにお休みください。すぐ下の弟の私は、溢れんばかりいっぱいの兄上との思い出を胸に、感謝の気持ちを込めて、生きて行きます。
旅立つ兄への贐(はなむけ)
「ありがとうございました。さようなら、兄上!」
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<付録>
5日間葬儀場に滞在したが、朝から晩まで外に出ないわけにもいかず、近くに出かけたりしました。撮った写真を含めて、ブログに投稿します。ご覧ください。
1)二戸市の金田一温泉「仙養館」に2泊。「座敷わらし」にはお目にかかれませんでしたが、隣室のご夫婦の旦那さんは会えたそうです。私はきっと鈍感なんでしう。でも、次に行ったら会えるかも。
2泊した金田一温泉「仙養館旅館」。ひなびたぬる目の温泉で、私は気に入ったので2泊しました。女将さんが素敵で親切な方で惚れ込みました。「金田一温泉なら仙養館」でしょうか。
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2)弟の車に乗せてもらって、先祖の墓参りをしました。滅多に故郷を訪れない私ですので、お詫びしつつ手を合わせました。自分の生家にも寄ってきました。(仕事でみなさんは不在でしたが)
生家(もちろん建て替え)と、幼少の頃兄貴と登って遊んだ、庭の松の木
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3)八戸市南郷の「カッコーの森 エコーランド なんごう」にも行ってきました。体育館、グラウンド、プール、ドームなどのスポーツ総合施設は広大で大層でした。随分と金もかかったでしょう、すごいですね!
かぼちゃの産地なそうですが、飼料用のデカイかぼちゃがたくさん置かれ、2日後のハロウィンに備えているようでした。施設内の見事な紅葉が今盛でした。
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4)葬儀場のある二戸市金田一は、両側を山に囲まれた平地(田)で、
ちなみに、渡辺喜恵子さんが小説『馬淵川』で第41回直木賞を受賞しています。
馬淵川 〜岩手県北部と青森県南部を流れる一級河川。二戸市を通って八戸市で太平洋へ注ぎます。
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折爪岳 も望まれました。
折爪岳(852.2m)
山域は岩手県二戸市・軽米町・九戸村と広く、長くなだらかな山容。
青森県東南部の鋭鋒名久井岳(615.4m)と、なだらかな折爪岳はその対照的な山容にちなんで「夫婦峰」と愛称されます。私は、折爪岳には中学1年生の時に授業で登り、名久井岳には大人になってから、帰省時に兄弟4人と従兄を含めた男5人で登りました。
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(写真撮影=Atelier秀樹)
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『秀樹杉松』110巻2940号 2019.10.31/ hideki-sansho.hatenablog.com #580