秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

◉カレリア組曲(The Karelia Suite) / ジャン・シベリウス(1865-1957)

 

 ○「カレリア組曲」は、フィンランドの作曲家ジャン・シベリウス(Jean Siberius/1865-1957)が1893年に作曲した劇付随音楽『カレリア』(全9曲)に基づく組曲で、「序曲」、「7つのシーン」、そして終曲の「フィンランド国歌」の全9曲から構成されている。

 

 ○現在は『カレリア』全9曲から、第1曲『間奏曲』、第2曲『バラード』、第3曲『行進曲風に』の3曲が抜粋され、『カレリア組曲』として演奏会用に再構成されている。(「世界の民謡・童謡」)

 

岡野貞一作曲「春の小川」とそっくり?

 

 ○シベリウス組曲『カレリア』の「7つのシーン」の一つに登場する「バラード」の最後の部分に、日本の民謡「春の小川」(作曲:岡野貞一)とよく似たフレーズが登場する。いわゆる他人の空似のレベルだが、割とよく似ていて興味深い。

 

 ○シベリウスの楽曲と日本の童謡・唱歌との「偶然の一致」については、「もういくつ寝るとお正月♪」の歌い出しでおなじみの唱歌『お正月』(作曲:瀧廉太郎) も比較的有名。

 ○シベリウス交響曲2番」第2楽章に、”もういくつ寝ると…”(らしき)音曲が出てきます。<Atelier秀樹補註>

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<関連ページ>

 ○「元ネタ・原曲・似てる曲 そっくりメロディ研究室」

 一部のメロディがよく似た2曲や、カバーされた原曲・元ネタあれこれまとめ。ジャンルは歌謡曲やアニメ・ゲーム音楽など幅広く。

 ○シベリウス 有名な曲・代表曲

  「フィンランディア」「カトレア組曲」『トオネラの白鳥』など、フィンランドの作曲家

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岡野貞一作曲「春」(春の小川は…) /  シベリウス作曲「カレリア」組曲 II  バラード

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瀧廉太郎「お正月」(もういくつ寝ると……) / シベリウス交響曲」第1番第2楽章

 

 ○シベリウス交響曲第1番(1899年作曲)第2楽章には、日本の瀧廉太郎が1900年に作曲した唱歌『お正月』に似たメロディが登場する。シベリウス交響曲1番』の初演は1899年4月、瀧廉太郎『お正月』の作曲は翌年であり、時系列的に瀧廉太郎がシベリウスの影響を受けた可能性があることになる。

 

 ○当時、瀧廉太郎は東京音楽学校の研究科で西洋音楽を研究しており、海外の楽曲にアクセスする手段を持っていたと思われる。ちなみに、瀧廉太郎が作曲した『荒城の月』や『箱根八里』などの歌曲には、ドイツの作曲家メンデルスゾーンの影響が垣間見られる

   (「世界の民謡・童謡(worldfolksong.com)」)

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<写真=Atelier 秀樹>

『秀樹杉松』142巻4163号2023.8.5(ブログ投稿第1203号)

/ hideki-sansho.hatenablog.com.No.1203