

コロナ(正確には新型コロナウィルス)との闘いを「戦争」と呼ぶのが広がっています。
「闘い・戦い」より「戦争」の方が、国民全体の関心と緊張感を高めるのに有効だから? そして「外出自粛」「営業制限」など、国民生活、社会・経済活動に重大な影響をもたらすからでしょうか?
その限りでは理解できますが、国民の間から自然に「これはコロナ戦争だ!」との声が起こったというよりは、為政者が率先して使い始め、「これは戦争だ」と煽っているのが、気になります。
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戦争とは「複数の国家、または集団の間での物理的暴力の行使を伴う紛争。国際紛争の武力による解決。広義には内戦や反乱も含む」(ウィキペディア ja.m.wikipedia.org)。
戦争の特徴はスバリ、国と国との争いで、人と人との殺し合いなのです。
コロナウィルスとの闘いは、姿の見えない「ウィルス」との闘いです。国民を鼓舞し「コロナとの闘い」を国を挙げて取り組む必要から、これを「戦争」と呼ぶのはわからないわけでもないが、さりとて、人と人が殺しあう「戦争」に喩えるのは、いかがなものでしょうか。第一、日本国憲法は「戦争」放棄を宣言していますよ。
「闘い」を「戦い」とするのは、漢字の使い方の問題です。しかし「戦争」を使うことは、明らかに正しくないのみか、政治的意図が明白です。英語では戦争をWarと呼び、戦いはBattle、Fightなどです。コロナとの戦いは Battle with Coronaとか、Fight with Corona と呼んでいるようです。Warはないですね。
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「戦争」どころか、「第3次世界大戦」と呼んでいる首脳がおります。戦争が好きそうな、あのお方。「待ってました、いよいよ俺の本格的な出番だ!」と、 “戦争ごっこ” の心境になっているとしたら困ったものですね。
もう一人好戦的な人がいます。某国の虎大統領。WHOは中国寄りだから金を出すのをやめる、と牙丸出し。この人も「第3次世界大戦」の認識? 二人のコンビ、嘆かわしい。
(朝日新聞 2020.4.17 第4面)
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天文少年だった私は、「コロナ」は太陽の光の輪だったように覚えています。いま地球を脅かしている「コロナ」は、なぜコロナと呼ぶのだろうと、本稿を認めるに際してネット情報で調べました。ご存知の方は私の無知に呆れるでしょうが、「いや、俺も知らなかった」とおっしゃる方もおいでかもしれませんので、注記します。
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<光冠><コロナ>
◉太陽や月に薄く雲がかかった時に、それらの周りに縁が色づいた青白い光の円盤が見える大気光学現象のことである。
光環(こうかん)、日(月)光冠、日(月)光環とも表記され、コロナと呼ばれることもある。(ウィキペディア ja.m.wikipedia.org)
◉太陽の周囲を光の輪が囲む現象に「ハロ(暈)」と、「コロナ(光冠)」があります。ハロは比較的よく出現する現象で、輪が薄いものなら日々空に出ているものです。しかし、コロナとなると、異様にはっきりしたものとなると、かなり珍しい現象といえます。(earthreview.net)
(ウイキペディア ja.m.wikipedia.org より)
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<コロナウィルスの名前の由来>
ウィルスの形が元になっている。コロナウィルスはボールのような丸い形をしているが、表面には小さな突起がたくさんついている。
ギリシャ語の「corona」は「光の輪」や「王冠」などを意味する言葉。たくさんの突起がついたコロナウィルスは、拡大すると王冠や太陽のコロナに似た形をしている。独特の形から想起されるイメージをもとに「coronavirus」という名前がつけられた。( glats.co.jp)
*そういえば、テレビで紹介される「コロナウィルス」も、太陽のコロナに形が似ていますね。
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写真:Atelier秀樹
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『秀樹杉松』113巻2985号 2020.4.18/ hideki-sansho.hatenablog.com #625