「忖度」に続いて、こんどは「逼迫」「蔓延」「変異株」「コロナ禍」「テレワーク」「リモート」~ 聞き慣れない漢字・カタカナの氾濫?
「まん延防止等重点措置」が大阪・東京に続いて、埼玉・千葉・神奈川・愛知4県への適用(4/20~5/11)が決まった。見方によっては、大阪や東京(少なくとも大阪は)はすでに「蔓延」状態にあるかも? 何しろ、感染拡大がどの程度になったら「蔓延」なのか、はっきりしない。
ところで、塩梅辛酸騒狸の頃は「忖度」の語がよく使われ、実際に総理官邸や財務省、官僚群は騒狸への忖度を恣にした。今回のコロナ騒動では、「逼迫」「蔓延」など、普段使わない用語・漢字が頻繁に使われています。何か、新しい言葉を使えば、コロナ対策の強化につながると思っているんでしょうか?
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「逼迫」という言葉を
初めて聞いたのは大学1年生でした。法科の友人がよく使いました。最初は何のことか、どういう漢字なのかわからなかったり。「切迫」なら知ってましたが。「蔓延」もあまり使わない・聞かない言葉ですが、「病気が蔓延する」などで知っていました。「蔓」は「つる」なので、田舎に育った自分にはすぐわかることでした。
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常用漢字でないのでひらがな表記の「まん延」となり、「万札」(万円)かと思う人もいる。「蔓」に振仮名をつけて使えばいいと思いますが。薬局の札も「処方せん受付」。処方箋・付箋・便箋」などは日常普段に使うのだから、カナ振りで漢字を使えるようにするか、イッソのこと、常用漢字にしたら?。
今の総理は細かいこと得意なようなので、取り上げてもらえるかな?
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難しい漢字の「忖度」「逼迫」「蔓延」について、『学研漢和大字典』の説明を引用します。(ご参考までに)
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◉忖度 (そんたく)
忖 はかる(相手の気持ちをそっと推しはかる)
<解字>
寸は、手の指一本のこと。昔は手尺や指の幅で長さを測った。忖は「心+音符寸」の会意兼形成文字で、指をそっと置いて、長さや脈を測るように、そっと気持ちを思いやること。度は尺と同系の言葉で、手尺で長さを測るように測定すること。
<忖度> 他人の気持ち・考えを、そっと推し量る。
*編注:「そっと推し量る」の「そっと」は漢字「忖」の原義。意味深ですね!
◉逼迫 (ひっぱく)
逼 ー せまる(すぐそばまで近づく。ひしひしと押し寄せる)
服(くっつく)、伏(ピタリとくっつく)と同系で、ひたひたとおし迫る、ぴったりつ くなどの意。
迫は、紙一重まで近づくこと。
逼迫
物事が差し迫っていて余裕がないこと。切迫。
◉蔓延(まんえん)
蔓 ーつる 枝や幹が地を這ったりモノに絡みついたりする草。
蔓延 つる草などがはびこり広がる様。
*「感染拡大」が、いつの間にか「まん延」(蔓延)となった。
◉変異株(へんいかぶ)
この用語も突然浮上した感じでした。
ちなみに、日本感染症学会(https://www.kansensho.or.jp)が「変異種」は学術的には誤用となるので、今後は「変異株」と正しく表記していただきたい、と報道機関への「お願い」を出しています。m
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「突然変異で、新しい性質を持った子孫が出じることがある。この子孫のことを変異”株”と呼称します」。「ウィルスの変化はあっても、基本的なウィルスの特徴は変化していない、ウィルスのバリエーションが増えたということで、ウィルスの名前は変わらない」
<編注>
「種」ではなく「株」だという説明。最初はこの「株」という言葉に違和感を覚えましたが、私の無知に過ぎなかったようですネ。
◉コロナ禍
最初にラジオ・テレビで「コロナか」と聴いた時、私は「コロナ下」かと思いました。何日か後に新聞だかテレビで「コロナ禍」だと知り、「俺の知識不足?」とびっくり。これも、今回のコロナ騒動が生んだ新しい用語の蔓延?
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写真:Atelier秀樹
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『秀樹杉松』122巻3768号 2021.4.14/ hideki-sansho.hatenablog.com #808