秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

内閣が代わったが、何も変わらない?

 

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新内閣がスタートしたが、中身はそのままに等しく、内閣の名称が変わった(改称)に過ぎないようにも思えます。

 

そこで難しい話(政策など)は省略して、大臣(21人)の年齢と名前を取り上げるにとどめます。その程度のことしか、興味が湧かないので。

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1)新閣僚の年齢

 70歳代  3人

 60歳代  8人

 50歳代  9人

 40歳代  0人

 30歳代  1人(平均60歳)

 

 50歳代+60歳代=17名で、大臣21名中の8割を占めます。いろんな見方があるでしょうが、意外と「若い」感じもあります。だが、40歳代が0なのはちょっと寂しく、「若い」とはいえないですね!

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2)新大臣の名前

 太郎(2人)・浩太郎良太 // 光一一嘉 // 進次郎・伸治 // 八郎 // 勝信・勝栄 // 哲志・弘志 // 陽子・聖子 // 義偉 // 敏光 / 憲久 // 信夫 // 泰稔 // 卓也 

 

 名前で見る限り、長男が多い感じです。新総理が長男だということは報道で知ってますが、それにしても「義偉」さん、名前負けせずに「偉く」なりましたね! もしかして、新内閣は女性2名だけの「女性不活躍社会」?

 

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(写真:Atelier秀樹)

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『秀樹杉松』116巻3051号 2020.9.17/ hideki-sansho.hatenablog.com #691

日本における「四季」と「六季」。~ 六季 = 四季 (春・夏・秋・冬)+ 梅雨季 + 秋雨(秋霖)季

 

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<秀樹杉松>では、これまで3回(2019/6/7、6/15、2020/7/19)にわたって、「六季」の話題を取り上げました。「六季」とは、四季 (春夏秋冬)に梅雨季と霖雨(秋雨)季を加え、1年を6シーズンに分ける考え方です。

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日本の気象庁は、春夏秋冬を(公式には)四季と定めています。ですから、季節といえば春・夏・秋・冬の「四季」を指します。一方日本においては、梅雨前線が停滞して雨天が続く「梅雨」と、秋雨前線によって雨天が多い秋霖 (秋雨)」 を加えた6つの季節「六季」の捉え方も存在します。

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秋雨(秋霖しゅうりん)は「秋の長雨」とも言われます。漢和辞典で調べても、「霖=三日以上降る雨」と出てきます。二日間だけでは「霖=長雨」とは言わないんですね。また、秋霖(秋雨)は「すすき梅雨」とも呼ばれるようです。梅の時期とススキの時期の、年2回「つゆ」がある、という捉え方でしょうか。

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ウイキペディア(ja.m.wikipedia.org)によれば、

東南アジア・東アジアでは梅雨を加えた「五季」の実態が見られるそうですが、日本に限ると、さらに秋雨(秋霖を加えた6つのシーズンがはっきりと現れるので、春・梅雨・夏・秋雨(秋霖)・秋・冬「六季」とも呼ばれるのです。

 

<秀樹杉松>では、この「六季」をまたまた取り上げました。「再三再四」という表現に照らせば、「再四」です。実は私が「六季」という言葉を知ったのは、数年前です。毎年決まって「梅雨」と「秋雨」(秋霖)がやってきて、時には大きな災害をもたらします。もっと多くの人に「六季」のことを知っていただければと思います。

 

秋雨 (秋霖) の特徴

秋雨は梅雨と違って、始まり・終わりが明確ではないことが多く、梅雨入り・梅雨明けに相当する発表はない。また、東南アジアから東アジアまでの広範囲で起こる梅雨とは異なり日本周辺(特に北日本。東日本)にのみ見られる現象

梅雨のない北海道、でも秋雨はあるそうです

  

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(写真:Atelier秀樹)

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『秀樹杉松』116巻3050号 2020.9.15/ hideki-sansho.hatenablog.com #690

馳星周『比ぶ者なき』を読みました。~今年は藤原不比等(藤原四兄弟の父)没後1300年です! ご一読をお勧めします。

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万世一系天孫降臨聖徳太子  ー

すべてはこの男がつくり出した。

藤原 史ふひと (のちの不比等が胸に秘めた野望、それは「日本書紀」という名の神話を作り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神の一族となることで、永遠の繁栄を手にすることであった。(本書のカバー)

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前々号(9/3)『四神の旗』の藤原四4兄弟に続き、

馳星周『比ぶ者なき』で、四兄弟の父・藤原不比等に迫ります。歴史の専門書は小むづかしいところがあるが、歴史小説は面白くて為になります。

 

今年は不比等没後1300年にもあたりますので、(私としては)必読書に思います。

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本書のカバー

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不比等(史)の由来

 

 1)本書の書名『比ぶ者なき』を「くらぶ・・・」と最初読んでましたが、途中から「ならぶ・・・」であることに気づきました。中学生の頃から「不比等」は変な名前だなと思っていましたが、今回、「等しく比ぶ者がいない」ほど優れている、の意味もあることを知りました。

 

 2)(ふひと/ふみひと)とは、古代日本で文筆や記録の職務にあたった渡来人系の官人組織。のちに(カバネ)の一つに転じた。元々は「ふみひと」と読まれ、「史人」「文人」「書人」などとも表記されたが、のちに「ふみひと」が略されて「ふひと」とも読まれるようになり、表記も「史」と記されるようになった。

 

 3)『尊卑分脈』によれば、藤原不比等は幼少時、田辺史の一人である田辺史大隅たなべのふひとおおすみに養育され、不比等(史)の名前自体もそれに由来している、とされている。(以上、ウィキペディア ja.m.wikipedia.org

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藤原不比等(文献によっては「史」)

 659~720。今年は今年は不比等没後1300年

 

官位:正二位、右大臣。贈正一位太政大臣 

天智天皇から藤原氏の姓を賜った)藤原鎌足の次男天智天皇落胤あり(興福寺縁起、大鏡公卿補任尊卑分脈)。子は藤原四兄弟(武智麻呂・房前・宇合・麻呂)

 

31歳で刑部省の判事となり、下級役人としてスタート。草壁王子に仕えていた縁と、法律や文筆の才によって登用されたと考えられている。持統天皇の譲位(697)により即位した草壁王子の息子・軽王子(文武天皇の擁立に功績があり、大宝律令編纂において中心的な役割を果たしたことで、政治の表舞台に登場。

 

千田奈良県立図書情報館長 pref.nara.jp)によれば、二つの顔(法律学者の顔と、権謀術数に長けた政治家としての顔)を有する。

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本書を楽しく読む上で、藤原時代の歴史(天皇、主な出来事)を参照することはどうしても必要なので、本書の「登場人物系図」、Wikipediaなどのネット情報にあたって、以下のような自分用のメモを作成しました。

 

この期間、短年間で天皇が代替わりしており、孫から祖母へのリレーも見られ、女帝が目立ちます。不比等の関わりも随所に見られます。

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35代 皇極天皇女帝】642~645

 *大化改新 645

36代 孝徳天皇 645~654 

37代 斉明天皇【女帝】皇極天皇重祚)655~661

38代 天智天皇中大兄皇子)661~671

 *藤原鎌足  669

 *壬申の乱 672

39代 弘文天皇大友皇子) 671~672

40代 天武天皇大海人皇子)673~686

41代 持統天皇【女帝】(鸕野讃良うののさらら)686~697  史上3人目の女性天皇

 *草壁皇子(27歳)没天武天皇の皇子)689

 *藤原京(新益京あらましのみやこ)へ遷都 694

42代 文武天皇軽皇子)697~707

 *大宝律令 制定 701

43代 元明天皇【女帝】(阿へ皇女)707~715

 *平城京遷都 710 

44代 元正天皇【女帝】(氷高皇女)715~724

 *養老律令 718

 *藤原不比等 (右大臣)没  720

 *「日本書紀」完成 720

45代 聖武天皇首皇子) 724~749

 *柿本人麿 没  724

 *長屋王の変 (長屋王=左大臣 没)729

 *大伴旅人(大納言)没 731

 

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(写真:Atelier秀樹)

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『秀樹杉松』116巻3049号 2020.9.13/ hideki-sansho.hatenablog.com #689

馳星周『少年と犬』(直木賞)を読んで、大きな感動を覚えました。あなたも、ぜひお読みください。

 

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<秀樹杉松>の前号(9/3)で、馳星周『四神の旗』を取り上げ、この次は直木賞受賞の『少年と犬』を読むと予告しました。感動の裡に読み終わりましたので、さっそく本号で取り上げます。

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街や神田川善福寺川などで、愛犬を散歩させている方をよく見かけます。子供の頃は、家で犬・猫・豚・鶏・馬・牛などの動物を飼っていました。今でも覚えているのは「仔犬はとても可愛い」です。しかし、学生時代に新聞配達をちょこっとした時に犬に吠えられ、嫌になってやめました。それ以来「犬は怖い」思いが今日まで続いています。

 

馳星周『少年と犬』直木賞受賞を知りながら、同氏の『四神の旗』を先に読んだのは、書名の「犬」にちょっとディスタンスを感じたからかも。しかし『少年と犬』読んでよかった。さすが直木賞受賞作品ですね!直木賞作品でなければ、この本はおそらく敬遠した(他に読みたい本がいっぱいあるから)でしょうから。

 

「感動」はありふれた表現でしょうが、私には他の表現が思いつきません。まさしく深い感動を覚えたからです。「犬嫌い」「犬は怖い」の私、に与えた影響も否定できないでしょう。

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この小説の内容については書きません。「書いてはならない」「読んでいただくのが一番」と思うからです。しかし、(ストーリーに関係ない)以下に限ってご紹介します。

 

◉本書の構成

 男と犬、泥棒と犬、夫婦と犬、娼婦と犬、老人と犬、少年と犬

◉発行

 2020年5月(第一刷)文藝春秋刊 ◉初出誌「オール読物」2017年10月号~2020年1月号

◉「老人と犬」から、本文の一端を紹介します。

 →

 馬鹿げている。犬は犬だ。人ではない。

 それでも、弥一は人にとって犬は特別な存在なのだということを理解していた。

 人という愚かな種のために、神様だか仏様だかが遣わしてくれた生き物なのだ。

 人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。こんな動物は他にいない(本書p.234)

 

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(写真:Atelier秀樹)

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『秀樹杉松』116巻3048号 2020.9.6/ hideki-sansho.hatenablog.com #688

馳 星周『四神の旗』(中央公論新社)を読んでます。~『少年と犬』で直木賞を受賞した「はせ せいしゅう」氏の近刊。久々の歴史小説!

 

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 1) 私は直木賞受賞作品は、なるたけ読むようにしています。今回は馳星周『少年と犬』。書店で現物を確認しようとしたら、近くに馳 星周『四神の旗』があるのに気がつき、「こっちの方が面白そうだ。久しぶりに時代小説を読もうか」と購入しました。

 

 2)「馳 星周」の著者名が難しい、なんと読むんだろう?日本人とは違うのか?「はせ せいしゅう」と読むことがわかり、更にスマホで検索したら、ペンネームの「馳 星周」は、本人がファンである映画監督・俳優の周 星馳」(チャウ・シンチー) の名前を逆にしたものなそうです。

 

 3) 文学賞では、吉川英治文学新人賞日本冒険小説協会大賞日本推理作家協会賞大藪春彦賞を受けている。驚いたことに、直木賞候補に6回もなった末に、やっと今年直木賞に輝いたことです。今読んでいる『四神の旗』は、文章が簡潔で読みやすい小説です。

 

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藤原時代が舞台ですが、藤原不比等亡き後の、息子4人と周辺が中心に描かれています。私はいつも、登場人物の名前とその関係を覚えるのに苦労します。今回は特に、名前が漢字だけではなかなか判読できなくて困りました。

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藤原不比等(ふひと)は流石に今でも読めますが、簡単には読めない名前が少なくないのです

藤原武智麻呂(むちまろ)中納言房前(ふささき)=内臣、

宇合(うまかい)(馬養)=式部卿、持節大将軍麻呂(まろ)=京職大夫

 

他の登場人物

首皇子(おびとのみこ)安宿媛(あすかべひめ)、橘三千代(たちばなのみちよ)

 長屋王(ながやおう)左大臣大伴旅人(おおとものたびと)、葛城王(かつらぎおう)

 小野牛飼(おののうしかい)、多治比池守(たじひいけもり)=大納言、、、、

 

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本書の内容紹介には立ち入りませんが、藤原不比等が4人の息子に話したとされる、次の2箇所だけ紹介します。(本書p.6から)

不比等

「そなたたち兄弟が政を動かすのであれば、安宿媛が皇后になることもたやすい。そして、藤原の娘が皇后になるという新しいしきたりをそなたたちが作るのだ」

 

「首様が玉座に就かれるとき、大極殿の南には四神の旗が立てられる。四神とはすなわち、そなたら兄弟だ。青龍、白虎、朱雀、玄武。そなたたち兄弟が力を合わせ、藤原のため新しきしきたりを作るのだ

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一読をお勧めします。私も、本書を読み終えたら馳さんの『少年と犬』(直木賞受賞)を読むつもりです。

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(写真:Atelier秀樹)

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『秀樹杉松』116巻3047号 2020.9.3/ hideki-sansho.hatenablog.com #687

吉村昭『殉国:陸軍二等兵比嘉真一』を読みました。敗戦直前、中学生まで動員された、沖縄の「祖国防衛戦争」

 

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<はじめに>

前号(8/24)で取り上げた、宮部みゆき『三島屋変調百物語』六之続(第6巻)は分厚い単行本で、読み切るのに何日もかかりました。そこで、「今度は短い小説でも読もうか」と書店の文庫本コーナーを覗いたら、吉村昭『殉国 陸軍二等兵比嘉真一』を発見しました。

 

吉村昭さんは著名な作家ですが、あまり読んだことがなく、書名にも惹かれたのでさっそく購入。二日で読み終えました。とても良い本でした。そこで、ブログ<秀樹杉松>で取り上げます。

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1)吉村昭『殉国』の主人公比嘉真一は、沖縄県立第一中学校四年生。時は終戦直前の昭和20年3月。

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2)ガリ版ズリの召集令状を受けたのは、五年、四年、三年生だけで、二年、一年生は召集令状の発せられたことを耳にして自発的に学校に駆けつけた。一年、二年生のうち約200名は、昨年11月末に通信隊要員に応募し、数日前に各部隊の無線中隊に配属されていた。

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3)教頭「只今より軍のご許可を得て、五年生、四年生の卒業式を挙行する」(注:旧制中学校は5年生が最高学年だが、全国的に定められた学制短縮で、4年生も5年生と同時に卒業することになっていた)。校長から卒業証書が手渡され、式は終了。

 

4)配属将校の中尉が壇上に立った。

本校の3年以上の生徒は、一昨日の昭和20年3月25付をもって全員召集令状を受けた。お前らは、すでに皇国の兵である。沖縄全県下中等学校生徒に召集令状が発令され、それぞれ鉄血勤皇隊を組織した。本校に於ても、本日ここに鉄血勤皇隊沖縄県立第一中学校隊を編成し、大元帥陛下のみもとに馳せ参ずる」

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5)「俺は、日本人だ。日本人の一人として、沖縄県民の力を内地の人々に示す絶好の機会ではないか。自分も、皇国の兵の一人として武勲を立てて戦死し、大和に設けられているという靖國神社にまつられたい」(主人公:比嘉真一)。

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6)部隊配属命令は、3月31日に発令された。真一は、第五砲兵司令部配属となり、主として伝令や壕堀の仕事で、豪内で炊事班の仕事を手伝った。

 

7)沖縄師範学校男子部を始め、第二・第三中等学校、農林・水産学校、那覇市立商業学校、私立開南中等学校の各校の生徒は、それぞれ軍命令にもとずいて鉄血勤皇隊を編成、隊員は全て陸軍二等兵として各隊に入隊。

 また沖縄師範学校女子部、第一・第二高等女学校、首里高等女学校、私立昭和高等女学校、積徳高等女学校の各女学校の生徒は、看護婦見習いとして各軍病院に入隊したという。

 

(以下省略。254ページの薄い文庫本ですので、一読をお勧めいたします) 

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<備考1>「解説」(森四郎)より

 吉村氏の取材は当然のことながら、鉄血勤皇隊1780名、師範学校女子部・県立第二高女などの女子生徒581名が、従軍看護婦として野戦病院で働かされた事実を追っている。(中略)

 これこそまさしく国に殉じた人たちの物語であり、作家吉村昭が体感した慟哭と十五歳の少年時代への魂の遍歴にほかならない。

 

<備考2> 大日本帝国陸軍の階級 

 若い方はご存知ないでしょうが、日本陸軍の階級を掲載します。(戦争時代育ちの私ですが、忘れかけていたので、改めて調べました。

 

陸軍二等兵一等兵上等兵兵長伍長軍曹曹長准尉少尉中尉大尉少佐中佐大佐少将中将大将

 

兵隊さん(兵・兵隊・兵卒)二等兵一等兵上等兵兵長

下士官=兵卒の上、士官(将校)の下= 伍長・軍曹・曹長 

准尉准士官

士官(将校)= 少尉・中尉・大尉 / 少佐・中佐・大佐 / 少将・中将・大将

 

本書の主役「鉄血勤皇隊沖縄県立第一中学校隊」隊員は、全員が「陸軍二等兵(兵隊の一番下の階級)でした。

 

<備考3>

『殉国 陸軍二等兵比嘉真一』の書誌

 単行本 1982年6月 筑摩書房刊 『陸軍二等兵 比嘉真一』を改題

 本書(2020年7月刊)は、1991年に出た文春文庫の新装版

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(写真=Atelier秀樹)

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『秀樹杉松』116巻3046号 2020.8.29/ hideki-sansho.hatenablog.com #686

宮部みゆき『三島屋変調百物語』六乃続[第6巻〕黒武御神火御殿 を、やっと読み終えました。

 

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宮部みゆきさんの小説は、なるたけ読むようにしています。『三島屋変調百物語』事始[第1巻]~伍乃続[第5巻]に続いて、六乃続[第6巻]黒武御神火御殿毎日新聞出版 2019年12月刊)に挑戦し、1ヶ月近く?かけて漸く読み切りました。(569ページ、厚さ3.5cmの、超分厚い巨編)

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私は読書が大好きですが、文学の素養に乏しいので、推理小説歴史小説などが中心で、恥ずかしながら、「怪談小説」は、殆ど読んだことがないのです。今回、これだけまとめて読んだのも、宮部さんの作品だからです。さもなくば、振り向きもしない分野です。

 

読書の感想を時々〈秀樹杉松〉に投稿していますが、大体は「感動した」というありふれた見出しにしています。感動とか感銘は初歩的な言葉ですが、語彙不足の私は、ずばり単純ストレートな表現を好みます。しかし、今回の見出しは「やっと読み切りました」にしました。それが、ホントウの読後感だから。

閑話休題。ともかく、一読をお勧めします。

 

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もちろん時間をかけて少しずつ読んだわけですから、私はこの小説を低く評価しているわけでも、貶しているわけでもありません。宮部みゆきさんの「ライフワーク」とも言われる、立派な作品です。ただ私はこの種の小説(怪談小説)にあまり興味がないので、「食わず嫌い」もあるでしょう。

 

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例によっていつものように、ウィキペディアja.m.wikipedia.org)で、「怪談」を調べてみました。

 

<怪談>

 怖さや怪しさを感じさせる物語の総称。

<日本三大怪談>

 四谷怪談皿屋敷、牡丹灯籠

『怪談』

 小泉八雲が著した怪奇文学作品集。

<百物語>

 怪談会のスタイルの一つで、怪談を100話語り終えると、本物の物の怪が現れるとされる。

<怪談小説作家>

 15人が列挙されていますが、私が名前を知っている作家は、内田百閒、江戸川乱歩岡本綺堂小泉八雲、都築道夫、夢野久作(五十音順)の6人だけです。(この作家たちの作品はほとんど読んだことはありません)

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写真:Atelier秀樹

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『秀樹杉松』116巻3045号 2020.8.25/ hideki-sansho.hatenablog.com #685