1) 私は「直木賞」受賞作品は、なるたけ読むようにしています。今回は馳星周『少年と犬』。書店で現物を確認しようとしたら、近くに馳 星周『四神の旗』があるのに気がつき、「こっちの方が面白そうだ。久しぶりに時代小説を読もうか」と購入しました。
2)「馳 星周」の著者名が難しい、なんと読むんだろう?日本人とは違うのか?「はせ せいしゅう」と読むことがわかり、更にスマホで検索したら、ペンネームの「馳 星周」は、本人がファンである映画監督・俳優の「周 星馳」(チャウ・シンチー) の名前を逆にしたものなそうです。
3) 文学賞では、吉川英治文学新人賞・日本冒険小説協会大賞・日本推理作家協会賞・大藪春彦賞を受けている。驚いたことに、直木賞候補に6回もなった末に、やっと今年直木賞に輝いたことです。今読んでいる『四神の旗』は、文章が簡潔で読みやすい小説です。
………………………………………
藤原時代が舞台ですが、藤原不比等亡き後の、息子4人と周辺が中心に描かれています。私はいつも、登場人物の名前とその関係を覚えるのに苦労します。今回は特に、名前が漢字だけではなかなか判読できなくて困りました。
藤原不比等(ふひと)は流石に今でも読めますが、簡単には読めない名前が少なくないのです。
→
宇合(うまかい)(馬養)=式部卿、持節大将軍、麻呂(まろ)=京職大夫
他の登場人物
→首皇子(おびとのみこ)、安宿媛(あすかべひめ)、橘三千代(たちばなのみちよ)
長屋王(ながやおう)=左大臣、大伴旅人(おおとものたびと)、葛城王(かつらぎおう)
小野牛飼(おののうしかい)、多治比池守(たじひいけもり)=大納言、、、、
……………………………………
本書の内容紹介には立ち入りませんが、藤原不比等が4人の息子に話したとされる、次の2箇所だけ紹介します。(本書p.6から)
→
「そなたたち兄弟が政を動かすのであれば、安宿媛が皇后になることもたやすい。そして、藤原の娘が皇后になるという新しいしきたりをそなたたちが作るのだ」
「首様が玉座に就かれるとき、大極殿の南には四神の旗が立てられる。四神とはすなわち、そなたら兄弟だ。青龍、白虎、朱雀、玄武。そなたたち兄弟が力を合わせ、藤原のため新しきしきたりを作るのだ」
……………………………
一読をお勧めします。私も、本書を読み終えたら馳さんの『少年と犬』(直木賞受賞)を読むつもりです。
……………………………
(写真:Atelier秀樹)
……………………………
『秀樹杉松』116巻3047号 2020.9.3/ hideki-sansho.hatenablog.com #687