葉室麟『散り椿』は名作ですね。映画化され、9月公開。岡田准一・西島秀俊の共演で!
前々号で葉室麟『蜩ノ記』の感動を書きました。さすがは直木賞受賞作品でした。今回取り上げる葉室麟『散り椿』は『蜩ノ記』の翌年に書かれたものですが、私はまたまた「感動しました」。どちらも甲乙つけがたい卓越した作品ですが、わたし的には『散り椿』の方が好きです。
私の好みにピッタリだったので、ネットなどではどう書かれているかアクセスしてみました。そして、私だけではなく誰もが認める優秀作品らしく、映画化され今年9月に公開されることを知って、ビックリしました。嬉しくなりました。やはり名作だと客観的に証明されたからです。
これだけの作品が文学賞を取ってないのを、不思議に思います。何か差し上げたいですね。9月の映画公開で、小説を読んでいない人もこの小説に親しむことができるでしょう。映画公開を待たずに、今すぐ『散り椿』をお読みくださることをお薦めします。葉室氏には文学賞の代わりに、映画をプレゼントしましょう。きっと葉室氏も喜んでくださると思います。
/ Atelier秀樹
葉室麟『散り椿』(www.kadokawa.co.jpより)
最愛の人を失ったとき、人は何ができるのか――
かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの――たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動の時代長編!
≪熱き信念が胸を打つ、扇野藩シリーズ≫享保15年。
『散り椿』 9月に映画公開
(top.tsite.jpより) 2017年5月26日(金) 10:35配信
2018年に公開! 監督は巨匠・木村大作
日本アカデミー賞の最優秀撮影賞を5回受賞している木村大作がメガホンを取る映画『散り椿』で、岡田准一と西島秀俊が初共演を果たすことが決定。
『散り椿』は、『蜩ノ記』で直木賞を受賞した葉室燐の同名小説の実写版。劇中では、藩の不正を訴え出たことで時の権力に負け、藩を追放されてしまった瓜生新兵衛(岡田)が、妻・篠(麻生久美子)の最後の頼みとして、良き友であり、かつては篠を巡る恋敵でもあった榊原采女(西島)を助けながら、過去の藩の不正事件に潜む真相と、その裏に隠された篠の本意を突き止めようと奔走する姿を描く。岡田と西島、麻生に加えて、キャストには黒木華、池松壮亮、緒形直人、新井浩文、柳楽優弥、麻生久美子、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二らが名を連ねている。
≪登場人物≫
■瓜生新兵衛:岡田准一
…一刀流平山道場「四天王」の一人。剣豪。道場仲間の采女の父、榊原平蔵の不正を訴え、藩を追放され、妻・篠と共に八年の流浪の旅の末、妻を亡くし、妻との最後の約束を守るため追放された藩に戻ることになる。
…一刀流平山道場「四天王」の一人。思慮深く、文武両道を絵にかいたような男。父が不正に関わり殺されたことで、一度は藩から冷遇されるが、持ち前の明晰さで藩主の側用人として頭角を現す。
■坂下里美:黒木華
…篠の妹で、源之進の死後は弟の藤吾と二人暮らし。
■坂下藤吾:池松壮亮
…不正の責を負わされた源之進の切腹により、減封され、坂下家再興のため出世を目指すが、瓜生新兵衛が現れたことでその歯車が狂っていく。
■瓜生篠:麻生久美子
…新兵衛の妻。死の淵で、新兵衛に最期の願いを託す。
■篠原三右衛門:緒形直人
…「四天王」の一人。
■坂下源之進:駿河太郎
…「四天王」の一人。坂下家の長男。
■篠原美鈴:芳根京子
…三右衛門の娘。藤吾の許嫁。
■宇野十蔵:新井浩文
…石田派の組頭。藩内の状況を玄蕃に事細かく伝え、信頼を得る。
■榊原滋野:富司純子
…采女の養母。身分が違うと、かつて采女と篠の婚儀を引き裂いた。
■千賀谷政家:渡辺大
…新たに国入りをする扇野藩の若殿。
■石田玄蕃:奥田瑛二
…扇野藩・家老。采女とは藩主交代を巡り対立関係にある。
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『秀樹杉松』90巻2534号 # blog <hideki-sansho> 174
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