<天文少年>は、遠くなりにけり ~ 火星の地球への接近、月と火星・木星と土星が仲良く並ぶ。
火星が2年2ヶ月ぶりに地球へ接近しており、10月6日に「準大接近」し、10月29日には満月に近い月と並びました。準大接近は見損ないましたが、その後は待機して観察しています。
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<天文少年>
「中学時代は星を見るのが大好きで、星座名や主な星の名前を覚えました。中学校の望遠鏡を家に借りてきて、夜遅くまで天体観測をしたものだ。中学校は家から遠かったので、下校して家に帰り着く頃は、既に辺りは真っ暗だった。もちろん街灯もなかったので、まさに“一寸先は闇”だった。空の星を見上げながら帰路に就いたが、反対方面から来る人と、すれ違い時に衝突して叱られたこともある。二宮金次郎は歩きながら本を読み、現代の若者は歩きながらケイタイと歩行喫煙。“天文少年”の小生は星を観ながら「上を向いて」歩いた。大きくなったら天文学者になる夢を心に秘めつつ」
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定年退職から10年後の70歳に『子供の頃の想い出』を綴り、その中の「中学校の時代」の一つに、上記の<天文少年>を書いています。私は田舎に生まれ育ったので、星を思う存分見ることができて、とても幸せでした。ところが都会に出てからは、明るい照明やアパート・マンション・高層ビルなどに邪魔されて、大好きな星を見ることができなくなり、<天文少年>は文字通り子供の頃の思い出と化してしまいました。
都会でも高層マンションにお住まいの方は、星や月の観測を満喫されておられるでしょうが、“マンションの谷間”に建つ私の家の2階からは、ごく限られた範囲の空しか見られません。ですから、「流星群」だとか「月と惑星の接近」などの報道に接しても、“自分には関係ない”現象であるかのようにスルーしてきました。
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ところが、私が時々顔を出している音楽・うたごえサークル<ふらっと b おんがくたいむ>(練馬区)の長島真美先生が、例会の冒頭で、時々の天文に関する話題にも言及されるので、かつての<天文少年>も、子供の頃を思い出しながら、「火星の地球への接近」や、天体での「月と惑星の接近」「惑星同士の接近」などに興味を覚え、できたら見てみたい気持ちに駆られるようになりました。
とは言っても、私の部屋の2階のベランダからは、隣家やマンションの建物に遮られて、ごく一部の方角、部分しか空が見えないのです。何とかやりくりして、かろうじてここ一週間ばかり、「火星と月の接近」「木星と月の接近」を垣間見ることができ、スマホで写真撮影しました。撮影したと言っても、何せ空の星ですから、見えるか見えないぐらいにしか撮れていません。
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ところで、<天文少年>の頃見た星は恒星中心で、惑星にはあまり関心なかったです。金星と木星は断然明るく、しかも容易に見られたのでいつも観測しました。しかし、火星・土星・水星などは「肉眼では見えない」「見えてもよくわからない」と思い込んでいたのです。その程度の知識と関心しかなかったんでしょうね。だから、子供の頃にも火星や土星を実際見たのかもしれないが、「見た記憶がない」のです。
それと、火星は2年2ヶ月で地球に接近し、その時は非常に明るく大きく見える、ということを正確にはっきり知ったのは最近のことなのです。ですから、都会では星が見られないという事情だけでなく、こう言った知識不足も手伝って、<天文少年>=<天文老人>にはなっていないのです。
まさに、<天文少年>は遠くなりにけり!
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それでは、2階のベランダからスマホで撮影した写真の画像を掲載します。「こんな不出来な作品を、よく投稿できるもんだね!」と笑われるでしょう。だが、私のようなケースは他にもいらっしゃるかもしれません。その中の one of them として、一瞥願えれば幸いに思います。
月と火星
(注:火星は辛うじてわかる程度にしか写っていません。日時により、位置関係がが変化しています。また、私の撮影技術の劣悪さから、大きさも一定していません。
(注:撮影の日時で、多少位置が変化しています)
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写真:Atelier 秀樹
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秀樹杉松』117巻3680号 2020.10.30/ hideki-sansho.hatenablog.com #720