清新・本格政権への期待 ~ 岸田首相の所信表明演説
岸田文雄第100代首相の所信表明演説が、きのう(10/8)行われました。
私はテレビで視聴しただけでなく、今日の朝刊に掲載された演説全文も精読しました。演説全文を精読する人は、それほど多くはないと思いますが、、、。
....................................................
それにしても、岸田新総理の所信表明演説は、久々に見る本格的なものでした。与党の公明党山口代表のコメントが、簡にして要を得ているので、引用します。
→
「力強く気迫の込った立派な演説だった。新型コロナ対応や新しい資本主義、そして外交・安全保障と3つのテーマを分析しながら、連立政権の方向性を明確に国民に示すことができたのではないか」。
(編注:これに比べて、自民党のコメントは物足りなかったように感じました)
……………………………………
岸田総理の所信表明演説で、私は次の諸点に注目しました。(岸田総理の演説から部分引用)
1)<はじめに>
○このたび、私は、第100代内閣総理大臣を拝命いたしました。私は、この国難を、国民の皆さんと共に乗り越え、新しい時代を切り拓き、心豊かな日本を次の世代に引き継ぐために、全身全霊を捧げる覚悟です。
○私をはじめ、全閣僚が、様々な方と車座対話を積み重ね、その上で、国民のニーズにあった行政を進めているか点検するよう指示していきます。
................................................................................................
2)「新しい資本主義」の実現
○新自由主義的な政策については、富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ、といった弊害が指摘されている。
○成長を目指すことは、極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、「分配なくして次の成長なし」。このことも、私は、強く訴えます。
○成長の果実を、しっかりと分配することで、初めて、次の成長が実現します。大切なのは、「成長と分配の好循環」です。「成長も、分配も」実現するために、あらゆる政策を総動員します。
………………………………………
3) 広島出身の総理として、「核兵器ない世界を」目指す
○核軍縮・不拡散・気候変動などの課題に向け、我が国の存在感を高めていきます。
被爆地広島出身の総理大臣として、私が目指すのは、「核兵器のない世界」です。私が立ち上げた賢人会議も活用し、核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、唯一の被爆国としての責務を果たします。
○これまで世界の偉大なリーダーたちが幾度となく挑戦してきた核廃絶という名の松明(たいまつ)を、私も、この手にしっかりと引き継ぎ、「核兵器のない世界」に向け、全力を尽くします。」
…………………………
4)<この国のかたち><明けない夜はない>
○このようなことわざあります。「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」
○この日本という国が、先祖代々、営々と受け継いできた、人と人とのつながりが生み出す、やさしさ、ぬくもりがもたらす社会の底力を強く感じます。まさに「この国のかたち」の原点です。
○この「国のかたち」を次の世代に引き継いでいくためにも、(略)新しい時代を切り拓いていかなければなりません。そのために、みんなで前に進んでいくためのワンチームを作り上げます。
○(略)経済を成長させ、その果実を国民全員で享受していく、明るい未来を築こうではありませんか。明けない夜はありません。国民の皆さんと共に手を取り合い、明日への一歩を踏み出します。
……………………
5)演説内容だけでなく、演説の仕方が優れているので、「早大雄弁会出身かな」と思って今調べたら、「雄弁会には参加していない」(Wikipedia)そうです。ちなみに、早大雄弁会出身の総理には、石橋湛山、竹下登、海部俊樹、小渕恵三、森喜朗氏など、錚々たる面々がいます。
なるほど、「雄弁術」を超えた、「心のこもった政策を心を込めて真剣に訴える」。そんな印象を岸田演説に感得するのです。
…………………………
<編注>
「美辞麗句ばかりで具体策がない」と野党の一部が批判していますが、私には、「わかりやすく、かつ具体的で、しかも格調の高い演説」とうつりましたが、、、。
なお、念のために書き添えますが、私は自民党支持者でも公明党支持者でもありません。(ただ、どういう訳か?) 岸田文雄首相と岸田内閣には注目・期待しています。
…………………………
写真:Atelier 秀樹
…………………………
『秀樹杉松』125巻3832号 2021.10.9/ hideki-sansho.hatenablog.com #872